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17話


主人公視点に戻ります。


* * *


「実は、あのあとアグレッシブミンティを使った調合薬を届けに患者様の所まで会いに行ったんだけド…でも、お抱えの患者様はみ~んな治療しちゃって、やることが無くなったからお暇をもらったノ! だからサトルと一緒にいることにしたのヨ!」


何故か嬉しそうにサリーが事の顛末について簡単に話すが、それでいいのか魔法具店。みんなが困らないか心配である。


「俺は大丈夫だけど、魔法具店は大丈夫なのかい?」


「大丈夫!商業ギルドに話はつけてきたかラ! アタシもサトルと冒険者やるヨ!」


サリーはいつもの調子でニコニコスマイル顔でブイサインで決めポーズする。


 う~ん、サリーのお店は一回しか覗いていないが、魔法具もホコリを被っていて少なくとも繁盛しているとは言えない状況だった。錬金のお仕事がメインだったのだろう。もしかしたら、今回の件で使えるようになった魔法で一儲けする算段を立てているのかもしれない。せっかく活躍できるようになったのだから、それも良い選択だと思う。あまり突っ込んでは失礼になるかもしれないから、深くは聞かずに了承することにした。


「うん、俺は大丈夫だよ。 むしろ助かるくらいだ! …カルミアさんはどう思う?」


「…サトルが良いなら、それで良いと思う。 確かに戦力は多い方が良い」


カルミアは少しご機嫌がよろしくないようだが概ね大丈夫そうだ…!


 そうこうしているうちに受付のお姉さんが帰ってきた。急いでいたのか若干息が上がっているのがわかる。


「お待たせしました! サトルさまとカルミアさま、…っとお付きの方も冒険者登録でよろしいですね」


「はい、お願いします」


「承りました。 本来であれば登録には銀貨三枚が必要になりますが、サトルさまとカルミアさま…とお付きの方に関しては、ステータス登録を含めて全て無料とさせていただきます。他、武器と防具の支給と利益の高い依頼から斡旋できる優先権を付与いたします」


「何だか…至れり尽くせりですね?」


「色々と事情がありまして… 申し訳ないのですがその点についてはお伝えできないお約束となっています。申し訳ございません」


深々と頭を下げる受付のお姉さん。何だか裏がありそうな状況ではあるが、無料というのであれば使わなくては損だろう。どのみち登録は必要になるのだから。


「私達が不利になるわけではないので、問題ありません。」


「ありがとうございます! それでは最初にギルドの仕組みについてお伝えします」


受付のお姉さんはルールブックに記載されている情報とほぼ同じような冒険者ギルドの概要を説明したあと、ランクとステータスについて説明してくれた。


「冒険者ギルドでは依頼者へ適切な斡旋を行うため、依頼達成の難易度をA~Gに分ける方法で管理しています。冒険者のランクも同様にA~Gまで存在し、依頼の難易度と冒険者のランクは同等の内容まで受注できます。Aが一番難しい内容でGが一番簡単な内容です」


「なるほど、ステータスは?」


お姉さんは予め用意していた厚めの素材で作られた三枚のスクロールを俺たちに渡してくれた。


「そのスクロールには、クラスと能力値をステータス化する魔法が付与されております。血を少しスクロールへ落とすことで対象者の能力を判別する魔道具です。これを使って、最初のランクを定めます。数値は絶対の指標ではないので、踏んできた場数や年齢、パーティー構成や態度、貢献度までランクの基準に含まれることをまずはご了承くださいませ。逆を返せば、ステータス値が低くてもしっかりとギルドに貢献している方は、必ずランクアップし、良い仕事も優先的に斡旋できます」


お約束だがよく出来たシステムだと思う。こういった場所では酒が絡むとかそう言う理由で粗暴な輩がちょっかいを出してくるイメージがあるが、ギルドに入ってからそういったことは一切なく、むしろ希望に満ち溢れるような良い意味で明るい場所という印象が強かった。心なしか皆歓迎してくれている気がするよ。

なるほどなぁ、確かにこれ程カッチリとランクの仕組みと査定基準を設けていれば、自ら自身のランクを下げようとする変わり者は減るだろう。しっかりと仕事をこなせば必ずランクが上がり、リターンがあるのだから、デメリットがある行動をわざわざ苦労をしてまで起こす理由がないのだ。全て自分次第という訳か… 冒険者ギルドバンザイ!


「ステータスとギルドの仕組みについてはよくわかりました。 では血を落としてみますね」


狩猟用のナイフで傷をつけることが怖かったのでカルミアに頼もうと思ったが、カルミアが剣を半分抜いていた所ですぐに頼むのを止めようと決意した。そのやり方は手ごと持っていかれそうだぞ!


それぞれ血を落とすとスクロールが光る。するとスクロールに文字が徐々に書かれていくように浮かび上がってきた。



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