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3話

 



 黒い渦が目の前にあらわれた。


「おお!?おお!おおおおおぉおお!」


 渦から突然、大量の煙。それが俺に向かって吹き付けている。なんだ、いったい何が起こってるんだ、スーツはどうした?


 着ていた。


 煙が渦ごと消えたと思ったら(まと)っていたスーツ。何だそういうグラフィックか。いちいち着る動作をしなくても大丈夫ってことか。確かにそのほうが面倒くさくない。なるほどな。


 それにしてもいい!いいぞいいぞ最高だ。映像で見たのよりも一段と格好いい。肌触りもいいし光沢にも高級感がある。サイズもぴったりだ屈伸してみても何の違和感もない。いい、いい、最高だ、最高なんだが…なんか臭いが


 はうをあぁ!


 囲まれている。10人くらいか?いつのまに?武器?薄汚れた服装、狂暴そうな顔。


 食おうとしてる?そんなわけないよな?まさか俺のスーツを盗む気か?いや、人を見た目で判断してはいけない、キリスト先生も「汝の隣人を愛せよ」と仰っているじゃないか。きっと友好的な男たちに違いない。



「こいつ男色の金持ちに高く売れそうだな」


 見た目通りのど腐れ野郎!!


「たしかにいい面してやがる」


「ああ、たっぷりと可愛がってもらえるだろうよ」


「へへ、確かにな」


 ぎおあ!激ヤバだ!三匹の子豚を狙う狼みたいな面してやがる、なんとか、何とか逃げーーー


「お前ら!バカ面して突っ立ってんじゃねえよ!こいつ逃げそうな顔してやがるぞ!逃げねえようにしっかり見とけ」


 ヤバい見透かされてる。なにか、なにかないかこの窮地を脱するなにか。


「親父、ちょっといいか」


「なんだマタスケ」


 もしやこのマタスケとかいうヤツ「そんなひどいことはやめて止めてやってくれ」とか言ってくれるんじゃ、よく見たらそこまで悪人面でもないようなーーー


「親父、興奮してきちまったよ俺。こいつ売っぱらっちまう前に俺に楽しませてくれ、親父!頼む!」


 踏みつぶすぞマタスケ!腐れ外道の屑野郎がぶっ殺すぞ!ふざけんじゃねえ!


「何ふざけたこと言ってやがるマタスケ」


 良かった、まだチャンスはある。何とかして逃げなければ


「俺が先に決まってんだろ」


 最悪。信じられないほどに最悪だ。めまいと吐き気がすごい。やるしかない、なにか、なにかないかこいつらを殺す手段はーーー



 右手が光っていた。



 そうか!すぐさま触るとさっきと同じ画面が現れた。


「ユニット召喚とかいっちゃう?」なぜか半笑いのモグラが言っているが、そんなことに腹を立てている暇はない。即座に選択する。するとずらっと出てくるリスト、スーツの時と同じだ。


 ユニット召喚、つまりはユニットを使って戦う?良かった。なんだそうか、そういうゲームってわけだ。


 アメーバー、ゾウリムシ、ミドリムシ………なんで微生物からだよ、微生物で勝てるか?ふざけんないい加減にしろ。


 スクロールだスクロール、いま一瞬マンモスって見えたような気がする、予想通りリストの下の方が強い奴らしい。スクロールだスクロール、さっさと最後のページまで行け。


「親父でも俺こんなんなっちまってますよ~」


「馬鹿野郎!俺だって負けちゃいねえぞ、見ろ!」



 最悪だ最悪最悪最悪!急げ急げ、お、止まった!ここが最後のページか、もう迷ってる時間なんかない、どれでもいい。どれでもいいから選んで召喚して戦わせるんだ。


<天使>


 すばらしい種族を見つけた。










明日も更新予定です。



評価、ブクマ頂ければやる気が出ます。


よろしくお願いします。

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