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22話

 


「何か言えない理由が?」


「買い取れないのか?」


「いえいえそんなことはございません」


 観察されてる感がすごい。


「今までに見たことのない品です」


「やっぱりっすか、高く売れそうっすか?」


「どうでしょうか?一度こちらで服飾の専門のものに見せて詳しく調べさせたいのですがよろしいでしょうか?」


「タケナカさん、あんまり長い時間は無理っす。領主様にいつ呼び出されるかわからないんすよ」


「そうでしたか。わかりました、それでは手早くするように言いつけておきますので。もしよろしければその間別室のほうにご案内させていただきます」


「ああ」


 タケナカが机の上のベルを鳴らすと一人の男が入ってきて出入り口のドアを開けた。


「こっちに入ったのは初めてっすよ」


 スギタがしきりにきょろきょろしているようにさっきまでの無機質な建物とは違う派手ではないが一目で豪華とわかるようなソファーや机、絵画がある部屋へと案内された。


「よろしければどうぞ」


 ソファーへと座った俺たちの前にお菓子の入ったバスケットが出された。


「ただいま紅茶のほうをお持ちいたしますので」


 案内役の男は一礼して部屋から去っていった。


「わーなんかすごいですね」


「なんかドキドキするっす」


 俺もドキドキする。あのジャージを買うのにかかったのは12,000Pだ、あまりにも安いようであればポイントの無駄遣いということになってしまう。いくらの値段をつけてくるだろうか、もしかして値上げ交渉とかしなくちゃいけないのか?


「ダンジョンのアイテムは高く売れるのか?」


「もちろんっす。自分が聞いた話では何の変哲もないような剣でも60万ゴールドで売れたって聞いたっす、同じような剣を10本買ってもお釣りがくるっす」


「服も出てくるのか?」


「自分は聞いたことないっす、すいません」


 ノックの後でさっきの男が入ってきて人数分の紅茶とポットを置き、礼をしてまた去っていった。


 剣よりは安いか?しかしあのタケナカとかいう店員は見たことがないと言っていたぞ、それなら高く売れるんじゃないか?


「ノブナガさんこれ食べてもいいですか」


 ヒカリがバスケットを指さして言う。


「おお食えどんどん食え、全部食え」


 いくらだったら売る?剣は十倍以上で売れたという、それなら15万か?


「おいしいですこれ」


「それはよかった」


 紅茶を一口飲んでみる。おいしい、普通の紅茶だ。紅茶の味はゲームでも変わらないんだな。しかしリスみたいに食べるなヒカリは。


「領主のほうはまだか?」


「まだだと思います、連絡がないので」


 魔獣のほうの対応で時間がかかっているのか?もしかして何日か待たされたりするのか?そしたらどうするか、ジャージを売った金だけ持って違うところに行くか?


 無い。食べようと思ったらお菓子が全てすっからかんになっていた。全部食うなよ残しておけよ全く。そんなことを考えているとノックの後にタケナカが入ってきた。


「お待たせいたしましてどうもすいません。査定のほうが終わりましたのでご報告させていただきます」


 テーブルの上にジャージが置かれバスケットの中のお菓子と紅茶が補充された。


「いくらなんっすか?」


「その前にこちらのお品ですが、素材も形も今までに誰も見たことがないものであります。したがってこちらはすべてダンジョン塔のアイテムであると査定させていただきました」


 なるほど、間違っている。


「色も白ということで身分の高い方たちに人気の色でありますのでその点を考慮いたしまして185,000Gでいかがでしょうか」


 おお、結構いい値段になるな、しばらくの生活費にはなりそうだ。


「やったっす!これで自分たちの金も返してもらえそうっす」


 それはないが。


「思っていたよりも安いな」


 嘘だ。



評価、ブクマ頂ければやる気が出ます。


よろしくお願いします。

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