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次兄夫婦のお陰で自分の気持ちがわかった。
僕はどうやらイザベルの事が好きだったようだ。
そう気付けば思い当たる事が多々ある。
二人は悪いたちは祖父母に挨拶に行ってくるからよく話なさいと言って部屋を出て行った。
しばらくして兄上たちに呼ばれたのだろうイザベルがやって来た。
「……イザベル。ちょっと話しても良い?」
「どうしました?マーク様」
僕が向かいのソファを勧めると素直に腰をかけてくれる。
「今まで婚活を邪魔してごめんなさい」
「……マーク様」
「…僕ね。僕、イザベルが好きだったみたい」
僕は勇気を出して告げる。きっと今の僕の顔は真っ赤になっているんじゃないだろうか。
イザベルの様子を横目にチラッと見てみると呆然とした様子でこちらを見ている。そのまま様子を伺っているとじわじわと顔が朱色に染まっていった。
「……へっ?ま、マーク様!今、なんて?」
イザベルは大分混乱しているようだ。
僕はなけなしの勇気を出してそっとテーブル越しにイザベルの手を握った。
「僕はイザベルが好きです。僕のお嫁さんになってください」
「…よ、嫁!」
さすがにこれ以上追い詰めるのは忍びない。
僕はそっと握っていた手を離した。
「僕の気持ちは今話した通りだよ。きっとイザベルは混乱しているだろうから落ち着いてよく考えて。今日は僕、祖父母の家に泊まるね」
それだけ告げてイザベルの返事を聞かずに屋敷を出て行った。