第六フェーズ 失態
はい、またもや前書きを後書きとして書いております。
それではどうぞ!( ゜д゜)ノ!
UH-60JAからの機銃掃射が人狼を穿ち早くも決着がつくと予想していたものは少なからずいたはず、もしくは致命傷は無理でも被害は与えられるはずと考えている者がほとんどだった本郷でさえその考えを間違いのないもとしていた。
砂ぼこりが晴れ地面には無数の銃痕と人狼の血飛沫が…ない!一滴も赤に染まってない、そこには穴だらけの茶色の地面しか存在しなかった
。
「ッ!どこに逃げた!?砂ぼこりのせいで見えなかった・・・」
「本郷さん…完全に逃げられましたよ。これは第二のせいなのでは?」
「宮嶋、それは違う初手で倒せると慢心していた俺らにも責任がある…」
「はい」
うなだれた宮嶋は車の中へと姿を隠した。
「!?見てください足跡らしきものがあります」
いまだにUAVをいじくっていた羽田野から願ってもない報告が飛び込んだ。
「いったいどこだ!」
「風下です!砂ぼこりが移動すると同時に消えた模様です。いえまだあります!別の方向の移動したと思われる足跡2つ確認」
最初に発見した足跡が風下の北西方向に、二つ目が南東方向に、最後の足跡はこちらの方向に向いていた。
――刹那、目の前の崖から黒い影が飛び出し第一小隊の背後に回った。――
「・・・ッ!ヤバイ…!」
誰かが声にならないほどの叫びを発した。
[お前らが古人の末裔か"積年の恨み"ここで晴らす!]
人狼が喋った。それを合図に手から刃渡り30センチの爪が飛び出た。これを武器にするのだろう
[ガルルゥァァッ!]
間合い3メートルを目にも止まらぬ速さ一瞬で駆け抜けた、だが第一小隊の対応も引けをとらぬ反応をみせた。
即座に小銃を構え、この距離ではまともに狙っても間に合わないと考えた彼らは精度を捨て、腰だめで弾をばらまいた。
[クルゥゥ]
情けない声を出しつつ人狼たちは不思議でたまらなかった。今までは馬鹿な人間どもは農具で応戦してきた、でもそれでは傷一つ与えられず無惨に血を撒き散らして俺たちに悦びの糧となっていた。
ただ銀製の武器を持った騎士には犠牲を余儀なくした、
ならば俺たちの唯一とも言える弱点の【銀製の武器】を使わずに全身に穴を開けたあいつらは…
バタ、バタと5つの死体の倒れる音がした。
「ハァーハァー、やったのか?」
「そう・・・みたいだな…」
里村と神代が安堵の声を洩らした。ただこの美人自衛官はやることを覚えていたらしく。82式指揮通信車に駆け寄り宮嶋は。
「本部、本部、応答お願いします」
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『こちら発令所、何があった第一小隊!?』
「先程敵勢力と会敵、五体の人狼の無力化に成功しました。我が方損害無し。」
『よくやった。侵入してきた敵は20体と報告を受けているが残りはどうした?』
「残り15体は・・・見失いましたすみません」
『謝る必要はない、とにかく無事でよかった。』
『「わかりました。そのように指示を出します」ゴホン、これより第一小隊は第二小隊と協力し残り15体を発見及び即戦滅、第二が索敵、第一が戦闘を担当せよ』
「こちら第一小隊、了解しました。オーバー」
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「ありがとう宮嶋、代わりの報告。」
「いえいえ、これぐらいなら。」
「そうか。」
現状を整理すると…異界からきた人狼は総勢20体、そのうち5体を殲滅した。残り15体を探す。この以外と洒落にならない広さを持つ"第二宮古島"で。
すると上空からローター音が迫ってきた。第二小隊のものだ。やがて近くに着陸し、女性自衛官が一人降りてきた。
「私は第二小隊長の佐山です。先の戦闘では取り返しのつかないミスをしました、申し訳ありません。」
どうやら初撃で一体も倒せないことを気にしていたらしくわざわざ謝りに来た。
「いや、人狼の身体能力…5メートルの崖をジャンプのみで登ったのを考慮するとあの一瞬で逃げるのも十二分にあり得る仕方ない。」
「倒せないのは仕方ないかもしれないけどさぁー視界が絶たれるまで撃つのはおかしいじゃない?ねぇ佐山さん?」
宮嶋が噛みついてきた本郷もそれは気になっていたが彼女とは別の結論に至った。
「宮嶋、過ぎたことはもういい。よし!はっきり言うぞ。このやり取りがそもそも無駄だ。悔やむなら次の行動に移せ。作戦中ならば一刻を争う状況、責任問題を問うのは後回しだ。」
「それと佐山さん、うちの部下が失礼しました。」
そう言い残し本郷は89式指揮通信車に乗り込んだ。
お疲れ様です。
今回から文の最初に空白を入れることにしました
全作にも修正いれておきます