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火星国家の佐々木くん  作者: 山本重国
第1章 超能力者の国家
5/18

3 超絶美人のお隣さん

2話の続きです。



キーンコーンカーンコーン


──今日から俺は高校1年生だ


「ほら、席につけー出席とるぞ1番阿部 真那華⋯⋯ 2番 飯島 嵐 ── 」


だが今は9月俺は約半年ここにいなかった


「9番 佐々木政宗」


「ほんとなんで俺なんかが第一席なんだ⋯⋯ 」


とため息混じりに今更自分の立場に納得がいかず自己嫌悪に陥ってる、


「──おい!佐々木!聞いてるのか?」


と返事をしない彼に少し腹立てた様子になった教師が政宗に近づいて来たが


「こんなんじゃ勉強どころじゃねぇーよ俺の青春満喫高校生活どうなるんだよ⋯⋯」


続けて政宗は思案に暮れていた


「おい。さ、さ、き、ま、さ、む、ね

──出席とってる返事をしろ。何さっきぶつぶつ言ってるだ?」


と言いながらガタイのいい教師がもはや体罰レベルの力で硬い出席簿の角を頭につつきまくる


「あ、皆さん初めまして。佐々木政宗です。

んーえーあ⋯⋯どうぞよろしくお願いします。」

パッとしない。良し悪しを言えば、悪しだ。当然さ、突然の自己紹介、知らなければ聴き手も反応に困るというものだ。クラスの雰囲気はよろしくない。

歓迎とはいかないようだ。


「全く。久しぶりに学校に来たと思ったら自己紹介。朝から寝ぼけてるのか?しゃんとしてくれよ代表。」


そうだ俺は約半年ここに来ていないにもかかわらず学級代表生徒である。全くもって理解できない。


「すいません。考え事してて」


「全くルーズなやつだそんなんじゃ第1席が泣くぞ」


この無茶苦茶言ってくる大人はこのクラス I - Z の担当教師であり、俺の兄貴佐々木 武蔵である。

兄は教師兼MAS(火星特別鎮圧部隊)の第2班の班長をやっているらしい


これまた優秀な兄であった──

勉学と平和貢献。互いに軽視し難い役割を両立させているエリートである。

もともと、武士の名家から成り上がった家系であったので武将系の名前がになりがちなのは否めない。だが、学校では俺に対する扱いは家とほとんど変わらない。だが一方俺は


敬語も使わないいといけない

兄を先生と呼ばなければならない


「以後気をつけます。」


健気である⋯⋯


「ならいい。じゃあ出席確認つづけるぞ10番

シャルル・アスクレー」


「はい。」


威勢のいい明瞭な返事が隣の席から聞こえる


「いやぁ、アスクレーは佐々木と違っていい返事をするな。同じ代表とは思えない立派さだな、先生は誇らしいぞ」


相変わらずの清々しいほどの罵倒、もう慣れてきた。


「そんなことないです。政宗くんも素晴らしい学級代表ですよ。」


「またまた謙遜だな。佐々木のことをフォローしなくていいんだよ」


──シャルル・アスクレー


俺と同じI-Zの学級代表である。

名前の通り生まれは日本でなく、ドイツである。

アスクレー家は、宇宙開発会社の大手である。そのためシャルルはお嬢様扱いである。


つまり、お嬢様で学級代表で容姿端麗な金髪の美少女である。おまけに詩苑に並ぶ優等生である。さらに俺と同じ学級代表ときたら言わずともわかろう


彼女は『十大子第2席の超能力者』である。

火星国家最大勢力の十大子のワンツーが同じクラスの同じ代表ときた

何という数奇の運命の巡り合わせだろか


だがしかし!

クラスの奴らは、あいつの本性をしらない。

本当のあいつは⋯⋯ドSの変態。


「 おはよ。今日もいい天気ね 」


こういう時のシャルルはかなり不機嫌である。


今日は、こいつの琴線に触れないように取り繕わなければ肉体的に死ぬ。間違いない⋯⋯


──約4ヶ月前 地球


「今日はいい天気ね」


「そうか?雲あるじゃん。しかも一雨来そうだ」


「そ、そうね。でも、この不安定さに趣を感じない?」


と偏屈で活け好かない男と会話しているのがシャルル


「うん。感じない。火星と変わんないじゃん」


「けどね。この風とかは表現されにくいのじゃないかしら?」

どうやら相手の方はかなり空気が読めないようだ


「あ、飛行機きたよ早く行こうぜ」


無神経にも程があるが、これは以前の佐々木政宗。


「もう!なんなんなのよ!折角長い待ち時間で少しでも楽しくしようてしてるのに!」


完全にキレた、が元政宗は移動しようとした。

その時足元に段差が⋯⋯


「アタタタ。あ、気づかなかった。あ、シャルル

悪い。あ、おっぱいでかいな」


「1回。冥界を彷徨ってこーい!」


その言葉のあと渾身の蹴りが彼の局部を強打した。政宗は悶絶して意識が無くなった。


「あ、ごめんなさい。大丈夫?意識がないわ!

ここは人工呼吸⋯⋯って何考えてるのよ私」


彼女の顔はかなり火照っていた。


「あなたも悪いのよ。言ってくれれば私だ⋯⋯」


壁に頭を打ち付け自分の煩悩破壊する、少女。


政宗は気絶後はよく覚えていない。

シャルルはその後飛行機に政宗を連れていきホテルまで送ったのだった


つまり、政宗は壮絶な勘違いをしている。


そして現在に至る⋯⋯


「なんだか今日も胸騒ぎがする」


イギリスの作家リットンも

『一言以て是非を誤謬することあり』と言っているように、この推測は全く真偽を見抜けていない


「時空を超えて未来を見に行きたいところだ」


正しい者は七たび罪を犯してもまた立ち直る。

旧約聖書 とあるがまだ更生しそうにないな。



──昼休み


いつものように一人で屋上で寝そべりながら地球を眺めるという火星ならではの絶景を堪能しつつ自前のサンドウィッチを食べていた。


「ちょっと、あんたがそんな暗い雰囲気だとクラスまで雰囲気悪くなっちゃうでしょ! それならいっそ私と一席交代してくんない?いや、今交代しましょうよ。うん。そうそうしましょ!」


と例の代表シャルルが俺の顔の上で仁王立ちをして本心を吐露してきた

ふと上を見るとシャルルのスカートの間から何かが見えた、


「黒か」


シャルルは反射的にスカートを抑えて次の瞬間


「────なにみとんじゃごりゃぁ!」


と少し恥じらいながら滅多打ちに踏んできた

これは正当防衛であるが、政宗は


「やっぱり、人を踏むのが好きなのか」


こうして、政宗は反省することなく色欲の罪を重ねて行く。


──5分後


「もー。今はこれくらいにいてあげる」


だが政宗は既にズタボロ。本当に容赦ない正当防衛


「まぁまぁそんな怒んなよシャルル。」


宥めるのが遅すぎた。


「そんなに私を怒らせて楽しいかしら──」


シャルルの目が少し潤んでいる


「 シャルルとは地球の中学から長い付き合いだが、彼女とはなぜかこういう不祥事が多いまぁ原因は俺にもあるのだろうが」


と心の中で考えている

政宗はもっと話し合うことを知らない。そのためこの状況から改善されることは無い。


「はぁぁぁ。」


と政宗は大きなため息をついた


心中では


「もう少し物わかりがよければ⋯⋯」


ということを考えている。

そして、ついにシャルルの堪忍袋の尾が切れた。


「な、なによ!あぁぁ物わかりが悪くですいませんねぇぇえ」


まさかさっきのため息で全てを悟ったようで、驚きのあまりつい動揺してしまい


「え?聞こえてた?」


と返答した次の瞬間


「あんたに言われたくないわぁぁぁ!」


少し重めの拳が飛んできた

俺は軽くノックバックして壁に打ち付けられた


「いったぁぁ!」


そこまで痛くないがオーバーリアクションをした


「え?大丈夫?でも、君が無神経なのが悪いのよ全く失礼しちゃうわ!もう。」


と言いシャルルは華麗に去って行った。


忘れていた、シャルルの能力。それは


『錬金術』


それもかなり高度なもので、彼女に想像できることならなんでも生成可能にするものだ。一度戦った相手の能力は全て錬金術で生み出せてしまう。


つまり読心術もシャルルは可能にしてしまう。


しかし、政宗には勝てないのである。


なぜかって?それはシャルルが時空間を生成できないからである。

生成するものは操れるが、不可能なものは滅法弱いのである。


それも時空間を生成できないのは、扱える当人である政宗が時空間を理解してないためだ。

つまり、誰も時空間のメカニズムを知り得ない。


普通に近接戦闘ら知能勝負ならばシャルルの方が圧倒的に強いかもしれない。


「政宗くんともっと仲良くなりたいのに

このままじゃあ⋯⋯」


とシャルルが愚痴をこぼす


「あんなドSとどう付き合えばいいのやら⋯⋯」

政宗も愚痴を言っている


「先が思いやられる⋯⋯」





今回は、哀れな政宗に一言入れたい作者の気持ちを抑えられず、何度か登場してしまっています。


展開が少しわかりにくいと思いますので、よければ作者の登場を消す以外のアドバイスをお待ちしております。


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