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火星国家の佐々木くん  作者: 山本重国
第2章 第二次火星移住計画
16/18

2 年齢イコール独り身

更新が遅くなってしまい申し訳ございません。

忙しいゆえに次話も少々遅れてしまうと予想されますが、ご了承ください。



──ロイ車内


惑星の微かな磁場に反発して宙に浮きつつ、シャーシに取り付けられているジャイロエンジンで縦横無尽に移動するため、電気自動車よりも静かと謳われているロイ車。故に車内が静寂になると無音の世界になってしまう。


「⋯⋯⋯⋯」


「⋯⋯⋯⋯」


「⋯⋯⋯⋯」


(気まず過ぎる⋯なんでこうなった)


──遡ることほんの数分前


久しぶりの再会を果たして車内で盛り上がる政宗一向


「いやぁまさか政宗くんがうち入るなんて驚きさ」


「リリィさんの説得の賜物ですよ」


後部座席に座る槃涅の方に目線をやりつつ


「オメェご主人様の説得には耳も貸さなかった癖に、修羅道担当の特典を聞いた瞬間顔色変えてただろうがっ」


ハンドルを左手で強く握り締めて、右の助手席に座る政宗を叩く


「いったいっすよ、それも説得のうちに入るんじゃぁ」


「あははははっ君ら仲良いな寺でもこんな感じ?⋯⋯でも殺伐としているよりかはマシか」


日本にある神社の元住職故の威圧感が拭えないせい若くは、久々に再会した幼馴染の姉の変貌ぶりに抵抗があるのかは謎だが、槃涅に同調して苦笑する政宗


「そうさね神影や⋯お前あの変な性癖は克服したか?」


「⋯⋯も、勿論でし」


神影の動揺する姿を初めてみて驚きを隠せないずにいる。更に嘘がバレそうな事に当人でない政宗が一番焦っている。


「そうかなら安心さ⋯⋯もし、克服してなかったら監禁部屋で禁断症状治療を行うなんてやりたく無かったから安心したさ」


「か、監禁?禁断症状?」


なかなかのドSぷりをアピールしてくる。克服させるための治療と書いて拷問と呼ぶ様な発言に一段と焦り出す前部座席に座る2人。


「先輩、もう本当のこと言った方が⋯⋯先輩、服の下にメイド服着てますし監禁部屋はやばいですって」


後ろのドS元住職に聞こえないように細心の注意を払って耳打ちをする政宗


「いや、この際隠し通そう。あの人のことだからお前も隠蔽罪で拷問を受けるに違いない⋯⋯だからすぐにでも話を変えろ」


「たしかにその最悪の事態は避けたいですねわかりました」


「何内緒話してるんだ?恋バナか」


見慣れない火星国家の景色も10分程度で見飽きてしまい、話に割り込んでくる


(どうやらバレていないようだ)


「そうそう恋バナですです。そいえばハンナさん今21歳っすよね?彼氏とか居るんですか?」


「ちょっお前それだけは⋯⋯」


止めよう口を押さえようとしたがすでに時遅し。


「彼氏か⋯⋯⋯そうだよね年齢イコール独り身とかもう古いよね」


「え?まさか独身?」


2050年。急激な少子高齢化が世界全土で問題となり、少子化改善と老後の独り身解消目的で日本の三大義務に結婚の項目が追加された。これは大きな反響を生みより早くいい人と結婚しようという動きが社会問題までに発展した。しかし、2071年には結婚平均年齢は21.5歳まで下がるという成果も残した。


故に世間一般では21歳で独身はかなり危機的状況にあると言っていい

政宗のデリカシーのない発言がどれほど彼女を貶めたかは、先程までのテンションから一変して半鬱状態にある彼女を見れば一目瞭然である。


「じゃあ君達はどうなんださ?政宗くんは詩苑と付き合っているのか?」


自暴自棄になりか細い弱々しい声で同士を求める素振りを見せる


「付き合ってますよ、リリィ様と」


「「え、まじで?」」


2人の驚きがハモった。後部座席の女性は既に立ち直れない状態まで鬱モードに入っていた。一方今日は驚かされるばかりの政宗は驚き疲れていた。


「昨日で3カ月です」


これが2人の致命打となり後部座席に倒れ込み放心状態である。流石の神影持ち込むハンナを見て黙り込む。



そして今に至る


その沈黙は15分続き、漸く「尊厳寺」の木彫りの看板がが見えてきた


「⋯⋯つ、着きました」


「あ、どうも有難う御座います神影くん」


ドアの開閉ボタン押して、下にスライドアウトしていくドアから長い刀を杖代わりにして降りて行く様はゾンビの如くであった


何も知らないリリィが寺から出てきて鬱状態にある槃涅を不思議に思い駆け寄る


「ハンナさん!どうされたんですか」


「彼氏?リア充?なにそれ美味しいの?」


ブツブツ独り言いいリリィの発言に聞く耳を持たない様子だった


やっとの事で正面舞台までたどり着くと、何処らか取り出したか不明な壱万円札を箱に投げ入れ神に何かを切に願っている。

その何かは聞くまでもなくわかるが、これから住む事になる寺に向かって祈願する光景はシュール過ぎた。


「おい政宗よく聞け、あの人は今合コン連敗を更新中と聞く」


「何敗ぐらいですか?」


「35敗だ」


正面舞台の方から政宗の質もに回答する声がする


「だそうだ」


何故車内の車内の内緒話が聞こえなくて、この話は聞こえるのかはシャングリーラ七不思議にノミネートする事となった


(誰でもいいからあの人貰ってあげて!)


以降槃涅と話して居るときは「彼氏」と「結婚」は禁句ワードとなった



──3時間後 六波羅探題(定例会議)


尊厳寺は、尊厳の理想郷(シャングリーラ)のために作られた由緒正しき仏教の寺である。よって教義が「人の尊厳を尊重すれば苦しみの輪廻から解脱出来る」といった浄土真宗に近くなっている。

この教義を下に活動を行うのだが活動自体はかなり過激なもので⋯⋯


「今から、六波羅探題(定例会議)を執り行うさ」


定例会議は毎月15日に行う定例会議。六道担当が全て集まる日である。


「んじゃあ今回議題に挙げるのは、私がくる前まで行っていた自由散策討伐案だ。修羅道担当政宗くん説明を」


そう。このシャングリーラの活動は"異教徒"と呼称するLB教団の殲滅である。

「人を殺めて人の尊厳を保つ」逆説的な方法かもしれないが話し合いが出来ない以上これしかないのだ。


「はい。この自由散策討伐案は決定的な戦力がなかった故本陣に攻めることはせず、遭遇した際に殲滅す流というものです。だがデメリットは行動が常に後者であり、現状が改善されない点です。これを見てください」


政宗は、1センチ立方体の投影機を取り出し角を少し押すと、座敷に変化があまり見られない折れ線グラフを映し出した。プロジェクターとは異なり大型スクリーンが不要という点ではとても便利である。


「これはMASの調べによるLB教団の月別のの犯罪件数です。見ての通り常に68件以上をキープしています」


数週間前とは比べ物にならないぐらいまともなプレゼンが出来ている。


「あぁありがと。という事で現状打破をすべく我々はし既存の案を撤廃して、班別行動パトール案を執り行う」


「質問」


と言い放ち挙手するリリィ・ロッキー


「はい。地獄道担当リリィ」


「班構成は?」


「それは既に決定している、人数構成から見て三班に分ける⋯⋯表をだす」


準備がよく槃涅は、もう一度立方体の角を押すと別の表が表示された


「1班を天道・修羅道 2班を人道・畜生道 3班を飢餓道・地獄道と振り分ける」


「異議なし」


満場一致で賛成可決となった


「よし。これで会議を行う発案の執行は来月からとするこれに備えて支度をするように⋯以上、解散!」


立ち上がり会議室を後にする槃涅と政宗

早速の活動を幼馴染の姉と行うのは少し緊張している様子の政宗。


「政宗くん早速発案の話をしたいんだが⋯⋯明日とか時間あるさ?」


長い廊下を歩きながら話しかける槃涅


「ありますよ」


「じゃあ明日昼にヨックに集合に来ないか?」


(この状況デジャブ発生だ)


前にも同じことがあった政宗にはリベンジとなる絶好のチャンス


(いくしないな)


「わかりました。駅前のヨクドナルドに一時集合でお願いします」


「了解した。後私と2人の時は敬語はやめてくれると有難い、昔のように馴れ馴れしくしてほしい」


(ドSだが甘えてほしいところは昔と変わらないな)


昔と変わらない部分に気づきホッとして胸をなでおろす政宗。


「わかった。ハンナ」


潔くタメ語を用いる素ぶりは、ハンナの願いを断る理由など無かったことを連想させる


「うん。こっちの方がしっくりくるな」


こうして政宗はデジャブが発生する中、ハンナと一方的にデートと思い込む約束を交わしたのであった。

読んでいただきありがとございます!

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