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火星国家の佐々木くん  作者: 山本重国
第1章 超能力者の国家
14/18

12 尊厳の理想郷

今回は少し会話文を多くしてみました!

是非最後まで読んで下さい!


美しい巫女姿の女性とヘンタイコスプレイヤーが目の前に同時にるこの異様な光景に慣れつつある政宗


「じゃあ、説明するね」


「いえ、ご主人様ここは私がこの塵芥に繋辞致します」


政宗に対する評価は神影の中で最低ランクに位置するようだ


「ごみ⋯⋯って酷いなぁ」


だが政宗の中では"塵芥"はまだいい方みたいで、このランク付けに動揺しない


「いや、妾がするよ。お前はこの政宗くんが妾に良からぬ事しないように見張って置いてくれ」


そもそも、出会って間も無いのに信用を得たと驕り高ぶるのは烏滸がましいというものである。


「任せてください。もしこの男が破廉恥な行動をしようものなら殺します⋯そうですね、100回は殺します」


「殺しすぎ」


物騒な会話をしているにも関わらず笑みを浮かべる余裕がある政宗


「それじゃぁ本題に入るとしよう⋯⋯」


場の空気が一瞬重たくなり部屋の中が緊張感に溢れている


「頼む」


「妾たちは仏教の宗派である天台宗の総本山比叡山延暦寺で誕生した、火星の超能力者を護るための教団である」


「超能力者を護る?」


「あぁ、火星国家に人類が移住してから一年後火星で不可解な連続誘拐事件がなかったか?」


「あったような」


今の政宗は知らない


「その事件の首謀者は都市伝説と化しているLB教団によるものであったという事が分かったのだ」


「LB教団って昨日の能力が効かないショットガンを持った男が所属していたっていう」


昨日のことは嫌でも忘れる事は出来ない、それ程鮮明に瞼の裏に焼き付いていた


「いや、当時は自らをLB教団だと名乗るひとりの男の単独行動だったらしいがそれでも尚、127人の超能力者が還らぬ人となった」


「ひとりで?!」


「あぁしかも何が楽しくてそうしたのかは理解出来ないが、ご遺族に首のない遺体を送り返してきたんだ」


「首なしの遺体?⋯⋯そ、そんなことをしたら遺族の精神崩壊は免れないんじゃ」


「その通り。後追いをするかの様に自殺する遺族も多数⋯⋯」


リリィは拳を強く握りしめて歯軋りをしながらその重い口を開いて


「さらには⋯⋯一家心中をするのもさえいた」


ボソッと呟いた、そこには憎しみや怒りが嫌と言うほど込められていた


「そ、そんなことが」


その頃を知らない今の政宗でさえこれには同情せざるを得ない


「だがその犯罪者は3日後MASに自首。そして裁判では同情の余地がないとされ初審で死刑宣告、拘置所に送られたのだが死刑執行前日脱走」


「⋯⋯⋯⋯」


「現在、脱獄者を主体とする新生LB教団が生まれ今日に渡って犯罪を繰り返しているなんてふざけた話さ」


「それで、超能力者をLB教団から護るって訳ですか?」


今日の政宗はいつになく頭がきれる

その横でいても立っても居られなくなった神影が口を開く


「あぁその為に何度かLB教団に話し合おうとしたが⋯⋯あいつら対談の余地がないもんでうちの天道担当さんが滅ぼすことを決意したんだ」


「滅ぼす?あとさっきから言うなんとか道って何?」


「あぁ妾達シャングリーラは、組織内に並行関係にある為に天道・人道・飢餓道・畜生道・地獄道・修羅道の六道に分かれて均衡保っているんだ」


「ちゃっかりしてますねぇ⋯それで、LB教団を滅ぼそうとしている人達が俺をなんで勧誘してるんですか?⋯⋯もしかして人員不足とか?」


ホントに今日は冴えている


「ご明察どうり、結成間も無い故人手不足に陥っている⋯⋯それで超能力者ランク十大子首席の君に入って貰えないかなぁと思ったんだ」


手を顎に当てて側から見ればまさに考える人に成りきって冴えている頭をフル回転させて悩む政宗


「でも俺またあんな風に痛いの嫌だし」


「かといってそんな奴らの悪事を否認するのも業腹だし」


心の中で言っているつもりなのかもしれないが全て音声として周囲の人に聞こえてしまっている


「あ、そうだもう一つ」


何か思い出した様に言い出すリリィ


「未だ修羅道の席が空席なんだ加入の証には修羅道につかないか?」


「うーん。少し魅力が足りないな」


駆け出しの映画監督の様なセリフをいう政宗に譲歩しているリリィの2人の光景は映像にして『マフィアの会合』とかいう題名にすれば大作映画が出来そうだ


「そういう事なら六道の特権を伝えるよ⋯⋯六道に居座る者には何でも願いが一つ神より叶えれるというのがある」


政宗の耳がピクピクと動く


「え⋯何でも?」


「あぁ何でも財でも名誉でもなぁんでも」


美人なリリィが言うとサキュバスに魅了されている時の決め台詞の様で妙に惹きつけるものがある


固唾を音を立てて飲むと


「何でもねぇそうか、何でもねぇうん何でもフフフフあははははは」


右手の人差し指でリリィを指差すと


「いいぜ入ってやろうじゃないか!シャングリーラ!」


この迷いのない決断超能力者を護る以外に目的があるとしか思えない。そしてこの2人出会って以降少しづつキャラと精神が崩壊しつつある政宗。今後一体どうなることやら。




──その頃 地球


見渡す限りの荒野掘りつくされ枯れ上がった湖や川。荒野には砂嵐が吹き荒れて多くの人類は地下シェルターに移動して居た


『これより第二次人類火星移住計画を始動します。総員配置について下さい。移住民の方々は離陸の衝撃に備えてシートベルトの着用を確認してください』


電子音の業務アナウンスが地下シェルターに鳴り響く


騒めく人々新たな惑星での新生活に心を踊らせる者不安になる者が居ました。その中に2人異常に冷静な人が居ました。


ひとりは男で、全身黒尽くめに顔が見えない様に深くフード被り刀の入った袋を肩にかけていた。その男は待機場所では常に黒荘重の本を読んでいて時々歯を見せて不気味に笑った


もうひとりは20代前後の女で、公衆の面前にもかかわらず露出度の高い巫女衣装を身に纏い腰には物干し竿の様に長い刀を差していた



そしてこの2人が宇宙船で合席となる。


「こんにちは。火星ではよろしくお願いします」


女性の方が挨拶がてらに話しかけた


「───あぁ火星楽しみですねぇ」


「えぇきっと素晴らしい所だと思いますよ」


それ以降は会話続かなかった



まさかこの2人が後々火星国家の存続を掛けて対立することになるとは誰も予想することは出来なかった

今回を持ちまして第1章完結致しました!

次回からは第2章開幕致します!

次章もよろしくお願いします!

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