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火星国家の佐々木くん  作者: 山本重国
第1章 超能力者の国家
13/18

11 ヘンタイ

体調が芳しくないため少し更新が遅れてしまったこと、お詫び申し上げます。



「── おぉい君、大丈夫かぁい?」


目の前で手を大きく左右に振り、目の前のポカーンと口を開けている男の精神状態を確認する


「──はっすまん、少し考えごとをしてた」


助けて貰ったであろう巫女姿の女性に対してこれほど横暴な態度を取れるのは政宗だけに違いない


「ほーよかった精神面が損傷を受けていたらどうしようかとなったよぉ」


「あれ、もしかして僕を助けてくれたのは巫女さんですか?」


「いやいや、とんでもない妾は其方と合間見えていたものを無力化しただけに過ぎんよ」


失敬な態度をとった事を咎めない素振りからきっと2人は同じサガを持ち合わせていると憶測できる。だがそんな態度を許容しない奴もいた


「え、じゃあ誰が脚の治療を⋯⋯」


「てめぇご主人様になんつぅ態度とってんだぁ?舐めてんじゃねぇよ」


「え、ご主人様?」


「何やってるのさ、あんたは大の男嫌い⋯⋯だから外で待たせてたのにぃ」


声のする方を凝視するとそこには


「おっえええぇぇぇぇ」


昨日から何も口にしていないため胃を絞らせても液体ばかりで吐物には固形物がなく、激しい嗚咽音と共に床に溢れる


「だぁからいったんだよ、お前は外にいろって」


この巫女さんが飽きれるのもしょうがない、それ程までに彼の見た目は心を抉る物があった


「リリィ様、やはりこの男嫌いです」


何故か男に振られてしまう


「ねぇメイドさん、君のその格好が問題なんじゃないのかなぁ?」


「そうか、この格好はメイドか⋯⋯」


再び意識を失う政宗、くの字になってベットの上で横たわってしまった



──数分後


幾度と頬に刺激が降り注ぐとともに声が


「────ぉぉぉぃ起きろぉぉ⋯⋯おおおいお・き・ろ」


再び意識をと戻すと先程の男が平手で頬を打ちながら呼びかける、十いや百以上は叩かれたと見て取れるほど政宗の頬は腫れていた


「ちょっ、あんた何するんすか?」


超能力者故にそれほどダメージは喰らわないが無慈悲に叩き続ける人の方を向かって反論しようと懲りもせずに再び振り向く


「おっえええぇぇぇぇおぅあ」


先ほど全て出し切ったようで嗚咽音の他には何もでてこない


「てめぇ人を見てその吐くとか失礼じゃないんか?あ、どうなんだよ?」


言葉は荒いだが、普段絡まれる連中よりかは威圧感がない言葉は右から左へ流れてしまうようだ


(こいつ脅し慣れてないな⋯⋯駆け出しか?とりあえず)


「あぁ悪かった⋯⋯」


謝っても気分が晴れないなのはなぜか政宗が一方的に悪者にされているからであろう


「なんだよ、腑に落ちねぇような顔しやがって」


そもそも政宗が2度も吐く事になったのはこの変態コスプレ男のせいだ


「あのな、他人の性癖を口出しするなんて野暮なことはしない⋯だが一つ聞かせろ何故そんな変な格好をしているんだ?」


「──趣味だ!」


いい男が自らのメイドコスプレ姿を堂々と正当化する部分に(いささ)か新鮮さを感じる


「もう、頑張れとしか言えない」


渾身最大の敬意と哀れみを持って小声でその男にエールを呟く政宗


「しかし、変な格好とは頂けないな──」


先程の発言が気に障ったようで怒りを露わにするヘンタイ


(赤髪でなかなか顔も整っており、引き締まった上半身の肉体、大きな凹凸のある鍛えられた腕と脚、これに鎧を装備していたら立派な騎士と言われても納得できる⋯⋯しかし、今のこいつの格好はメイド服⋯⋯のどうやってその格好がまともって言えるんだよぉ!こいつに言いたいだがしかし⋯⋯)


長い長い本音を喉元までで留める政判断はきっと正しい。さらに本心を言うべきか頭を抱えて悩む政宗


「何っ葛藤(かっとう)してるんだよぉ?」


そう語りかけてきたのは先程まで沈黙を貫きつつ2人のやりとりを聴いていた巫女さんはお腹を抱えて笑っている


「こいつに本当事を言うか否か葛藤するのも無理はないんだよ」


いつも冷静沈着な政宗が声を荒げて取り乱してまう


「いやぁうちの者がすまなかったな」


「いや、巫女さんが謝ることじゃ⋯⋯ってまだ君たちの名前聞いてなかったような」


何故美しい女性の前だとこれほどまでに男は粛々と非力になってしまうのだろうか



「そういえばそうだった、ここに来た理由もすっかり忘れてた」


「理由?」


「あぁそれに関しては後々話すよ」


「あ、はい」


巫女さんは腰に携えている刀の柄頭に左手をかけて、一度(まぶた)を閉じてゆっくりと美しい紅の瞳が見えると同時に口が開く


「妾はリリィ・ロッキー、超能力者を守るために尊厳の理想郷(シャングリーラ)で地獄道担当幹部を務めております。以後お見知り置きを佐々木政宗くんフフフ」


何故かリリィの笑みには不穏なものを感じたのか政宗は怖気付く⋯⋯筈がないか


「なんで俺の名前を?シャングリーラ?なんだそれ」


政宗は我慢という犬でもできることができないようだ


「まぁ待て待てそう焦るな⋯⋯こいつの自己紹介がまだだろ?」


会話の主導権をそのヘンタイに流れよく移譲する


「あ、俺か?おれは佐々木政宗だ」


棒読み。やる気が無さすぎる、どうやら先程の言い争いで自暴自棄になりこのように誰にでもわかる嘘を⋯⋯


「え?マジで?同姓同名?」


珍しくはないが同姓同名に興奮してベットを軋ませる政宗


「んなわけあるかぁ!てめぇ筋金入りのバカだろ」


「え?違うの?」


「しかも、お前LB教団の幹部に負ける雑魚(ザコ)だしよお⋯第1席も大した事ねぇーなぁ」


「おい。それは聞き捨てならないな脳筋ヘンタイコスプレイヤーさん」


「てめぇ人の性癖には口を出さねんじゃねぇーのかよぉ?」


幼稚で低レベルの言い争いをしている2人を見かねたリリィは


「もうそのくらいにせんか⋯其方がそこまで頑なならば代わりに妾が紹介するとしよう」


慌てふためく脳筋ヘンタイコスプレイヤー


「そんな滅相ありません、ご主人様のお手を煩わせるこは断じてなりません。私が自ら行います」


(さっきと態度が全然違うこいつ二重人格なのか?)


政宗が他人を二重人格と考えるのに不思議と焦燥に駆られる


「お前さぁ同期なんだからさぁ⋯⋯」


「いえ、趣味です」


リリィが言うようには2人は同期らしいのだが、この異様な主従関係(?)には少し面白みがある。


そしてヘンタイは一つ咳払いをして


「俺の名前は神影亮太だ、尊厳の理想郷(シャングリーラ)で人道担当してる⋯⋯夜露死苦(よろしく)


最後の『よろしく』にはきっと何か深い意味があるのだろうが敢え無くスルーする政宗、幾つかある疑問を整理するために閉じていた口を開く


「あのそのシャングリーラってのはなんですか?」


リリィは政宗に満面の笑みを浮かべて少し頸を傾げると


「うん。君にはそのシャングリーラに加入して貰えないかなって、お願いに来たの」


「え?えぇぇ?」


混乱が収まらない中話を続けるリリィ


「だから、加入前提で今からの話を聞いてね」


「は、はぃ⋯⋯」


右目でウィンクして加入を乞う美しいリリィに抗えないず空返事をするどうしようもない政宗だった




如何でしたか?今回は睡眠を削り書いた部分もあるため誤字脱字があるかもしれませんので、大変恐縮ですが感想などで教えて頂けると本望にございます。

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