10 もう最期?
遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
一身上の都合でまだ更新できる頻度が少なくなってしまいますが気長にお待ちください。
「ハッおめぇおもしれぇこと言うな、都市伝説か⋯ははぁんそういうことか」
その男は鼻を鳴らしながら二人を嘲笑うと思えば、今度は右手で顎を撫でながら何かに納得しだした。先程は狂気に染まり一触即発の状況から急変した。
「あなたは何がしたいんだ!」
政宗がその男を問いただした。すると男は哀しむような顔をして
「あなたなんてそんな他人行儀な呼び方やめてくれよ距離を感じてしまいますよ」
時々敬語を織り交ぜてくるのが鼻に付く口調である。
「そんな無茶苦茶なこと言わないでよ、そもそも初対面の人と距離を置くのは当然よ」
「あぁそれに加えてお前は異常なんだよ」
シャルルに続けてその男の言論に反論する政宗。
「"異常"ですか⋯⋯てめぇら頭沸いてんのか」
声を荒げて怒涛の叫びに圧倒される2人。
「科学の力で神がお与えにならなかった力を平然と行使する奴らに"異常だ"何ぞいわれたくねぇよ」
痛々しく瞼を下に引き下げ侮蔑した態度をとる。そして流れ作業の様に左手に持っていた邪悪なオーラを漂わせる分厚い本を真ん中の辺りで開くと
"神が人にお与えにらならかった腐敗した超能力を世界から消滅させよ"
大音量で本内の一文を音読した。
「消滅だと?」
「あぁそうだよ!私は罪深く無意味に無常に怠惰に⋯神のご意向に背く貴方方に制裁を下す為に貴方を今殺します」
賺さずその男は修道服の右腕の袖の中から約1メートルのショットガンを滑り出す様にして取り出した。
「殺す?フフフフッハハハハハ」
お腹を抱えて声を出して笑う政宗。
『殺す』政宗には聞き覚えのない言葉だ。
居なかった否、居る筈がなかったそう言って彼を殺せたやつは⋯⋯
「それに、こんなにも清々しく殺人行為を正当化するなんて滑稽だな」
政宗は銃を見た瞬間肩を力を抜いてハハと今度は薄く笑った。
(銃弾で俺を殺すなんて出来るとは浅はかだな)
そしてその男は呆れた様な顔して政宗の右足の太ももに標準を合わせた
「ったく戦意のねぇ奴を殺すなんて⋯⋯」
ボソッとそう呟くと山田は人差し指で軽く銃の引き金を引いた
"ズバン"
ショットガン特有の爆発的な発砲音で最後に何て言ったかは聞き取れなかった。
(時間を止めて自分の愚かさを知ってもらうか)
『時空間』
フゥゥゥゥッン
念じることで時を止められる政宗により静寂が訪れた。
「痛い⋯なんで?」
制服が三分目あたりからみるみる紅に染まってゆく、風穴の空いた脚がある異様な光景。政宗は立つことが出来ず赤い水溜りに跪く
「ま、政宗くん?時間が動いている?」
2人の疑問が一致した。
確かに政宗は能力を発動したはず⋯⋯
「あらあら痛そうね救急車呼びましょうか?
あなた大丈夫?は、早、早く応急⋯アハハハハハハハハハハハ」
皮肉めいた言葉を浴びせて、我慢していた物が爆発したように嘲り笑う実行者。
「お、お前一体何をした」
経験のない痛さで意識が朦朧とする中、掠れた声で疑問を投げかける
「仕方ねえ冥土の土産に解説してやるよ──秘密はなこのある能力が掛けられた銃だ」
「銃?」
天を突く様に掲げそれを見せびらかす。
「あぁその能力でこいつは能力者の力を受けない銃弾を放つことが出来るんだぜ、恐ろしいもんだなぁ」
今まで最強と謳われてきた政宗の超能力がこんなところで意味を成し得ないものになってしまった。そこで又新たな疑問が浮かぶ。
「じゃあ、お前の能力は?」
「俺はな無能だ」
「無能ですって?!」
二度聞するシャルル、彼らは二つのことで驚いているのだ
"火星国家に無能力者がいること"
"火星最強の超能力が無能力者にやられた事"
「如何にも俺らは凡人以下の無能どもここでは最下層に位置する人間だ」
自虐にも聞こえるがこれは後々二人を追い詰め戦うことに恐怖を与えることになる台詞だった。
「次はそこのお嬢ちゃん、君は知ってしまったから殺すね」
「シャルルにげろ!」
「はい。残念遅かったね」
"ズバン"
次の瞬間シャルルも体の側面から血が吹き出して胴体に風穴が開けられ衝撃と反動で一回転して地面に横たわってしまった。
「痛いわね」
絶叫の叫びと涙を堪えて現状報告をするか弱い女の子。
「じゃあ二人とも言い残すことはないかな」
最後にかけられた慈悲はボロボロの心に悲痛を重ねてくる。
「あ、ちょい待ち──儀式忘れてたぁ」
何かを思い出し悔しがる山田芥
「なんだ?」
痛みを感じる時間が延長された。一方シャルルは内臓をやられた様で吐血を繰り返す
「冥土の土産に聞け、神はお前らを見捨てた」
捨て台詞の様に言った言葉の意味は理解できなかった
「冥土の土産多くね?」
(俺は脚をやられシャルルは内臓を破壊されて逃げられることは不可能、八方塞がりとはこのことだな)
余裕のないツッコミは彼を急かさせた
「余程死にてぇ様だな──望み通り殺してやるよ」
そういい顳顬に銃口を突きつけるそして憐愍の情を向けて最後に一言言い放った
「貴方、滑稽也ですね」
ついつさっき言い放った同じ言葉。それは命の灯火が消える宣言にも聞こえた
もう最期そう思った束の間
"あれ?ここにもいるじゃん"
重い頭を上げて清涼な声のする方に振り向くと袴を着て光輝く太刀を片手で持つ女武将が堂々と仁王立ちしていた。
水を差されガンナーは女性の方に銃口を向ける
"異教徒狩りぃぃぃい"
政宗に向けたものとは違う怒りを爆発させる
「あぁ駄目駄目そんな程度の譴責じゃ」
(異教徒?言葉の意味がわからない、これ以上の怒りがほかにあるのか?)
賺さず銃弾を放つが彼女の持つ太刀がそれを弾き飛ばす。政宗でさえ剣先が見えない早業だった。
「とりあえず」
その女性は風の如く接近して恐ろしい銃を滅多斬りにして
「無力化成功──どうするお兄さん?」
華麗な太刀筋で山田を圧倒する
「いや、ここでやられる訳にはいきません逃げさせて頂きます──ほな、さいなら」
すると力を失った男は袖に隠してた光弾を地面に投げ白い閃光とともに姿をくらました。
「あーあー逃げられちゃった──始末書面倒だなぁ」
取り逃がしたことを笑いながら悔やむその女性、政宗はその女性に求めた
「彼女を⋯⋯助けてくだ⋯さい」
途切れた言葉を繋げると政宗は痛みで意識を失った。
──数時間後
ベットの上で目を覚ますと
「見覚えのある天井?」
政宗は自室で眠っていた、そして足に違和感が無いことに気づき恐る恐る布団を剥ぐり足元を見ると
「穴がない?もしかしてあれは夢なのか?」
「いいんやぁ夢じゃないよぉ紛れも無い事実だよ」
聞き覚えのある声の方を向くと隣に微笑みかけるあの時あの場所にいた女性が巫女姿で椅子に座っている。
「マジ天使」
腑抜けた声で感想を述べる政宗だった
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