辛い思い出。
ここはとある一件の家。そこに住んでいるのはごく普通の少年だ。
だが、他と違う所がひとつある。それは少年は一人で暮らしていると言う事。
それは少年がもっと小さい頃の事、両親がいつもの様に仕事に出かけた後、少年は近所の幼稚園に預けられていた時のことだ。
いつもと同じ様に友達と外を駆けて遊んでいる時の事だった。突然幼稚園の電話が鳴り、そして…。
何とも良くあるシチュエーションであるが、それが実際に起きたらどうだろう?そんなのんきな事を言えなくなるだろう。今朝はあんなに普通に過ごしてたのに、いきなり事故にあったなんて…。
少年はそれからずっと一人だ。世話してくれる人など一人も居ない。だけど少年は、いつも母親が言っていた事をちゃんと守っている。
――どんな時も笑顔で、辛い時こそ笑顔でいればいつかは幸せになれる。
その言葉だけを信じて少年は笑顔で居続けた。幸せが訪れるように…と。
そして今春、少年は高校生になった。そしてその高校は少年が笑顔で居続けたからこそ掴んだ幸せになるのだった。
頑張って勉強して、やっと受かったその高校は、去年まで女子校だったので極端に男が少ないと言う珍しい高校だ。
これからこの高校で起こる色々な事に少年は巻き込まれる。辛い事や、楽しい事。そのすべてに巻き込まれる。
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