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Digitated Intelligence
今日も懺悔室に人は訪れる。リックは暗号通信をつないだ。
「はい、こちら魯光寺でございます。わたしはあなたを受け入れます。何を話したいのですか」黒一色のヒトガタに向けてメッセージ。即時リプライ。
「わたしは悩んでいるのです。D.I.化したことが、本当に正しかったのだろうかと」
「あなたは肉体を捨てたのですね」
「はい。しかし、火葬処理されたわたしの肉体は最後まで抵抗していたのです。業者はよくあることだ、意識の残滓が残っているのだ、アップロードされたあなたは本物だ――そういったのですが、どうにもそうは思えない。もしかしたら、わたしは――」
「わたしに話をしているのは音声ファイルではありませんよね」
「勿論!」
「なら答えは簡単です。あなたは自身の実存を信仰するべきだ。盲目たれ、さすれば道は開かれん。わたしはいつでも歓迎します」
アバター、ログアウト。リックもログオフ。自身の肉体に帰り、その肉の重さに安堵した。
SF的世界に生きる人々の話を即興で書いていきたいです。