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SAKURA
「じゃあ、また。」
あのサクラ坂で僕たちは別れた。
連絡先をかわすこともなく。
『じゃあ、また来年。』が約束だったってことは、今度の『じゃあ、また。』も約束?
って、いつ?どこ?
昨年と同じようにゴールデンウィーク明けに、大倉尾根から塔ノ岳を目指した。
どんよりとした天気。
富士も見えそうにない。
途中のマメザクラ。
昨年はここであったんだけど。
ようやく、塔ノ岳山頂。
「おそいぞ~。」
遠くから聞こえるその言葉は、僕にかけれたものではない。
丹沢山まで向かう気もなくなり、登ってきた大倉尾根を下ることにした。
会えなかった。
帰宅途中の駅。
電車接近音の「SAKURA」のメロディーが悲しく僕の心に響いた。




