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さくら舞い散る道の上で
サクラ並木のゆるやかな坂。
今年もこのサクラ坂にきた。
青い空にサクラ。
やっぱり、ここだよ。
そうそう、この坂道を下り、右に曲がるといたんだよ、彼女。
去年のことがつい昨日のことのように思いだされる。
「おそいぞ、コラッ!」
「えっ!」
「約束したじゃない。」
「約束って。」
「塔ノ岳で。」
「約束って。塔ノ岳の『じゃあ、また来年。』って・・・」
「そうよ。思いだした?ねえ、一緒に写真、撮ろうよ。」
「でも、頼む人いないよ。」
「自分どりでいいじゃん。」
ふたり、顔を寄せあいながら、写真を撮る。
サクラをバックにふたりの笑顔の写真。
僕の顔が紅潮している。
あの日と同じように。
サクラ色に。
さくら舞い散る道の上で。




