03 ワンダラー
捕獲班サイドです
ワーラ村に『放浪者』らしき人物が出現したとの報せが入り、グジョウの街を出立したのが三日前。
『ワンダラー』は時折現れる常識外れの能力持つ者で、何処より来たのか不明な者達を指す言葉である
過去に現れた者の中にはたった一人で強固な砦を消し飛ばしたり、万古の森が一夜にして草木ひとつ残らず焦土と化したり川の流れを変える等々派手な伝説を残す者が居たらしい。
戦乱の時代で当時の記録が地域によって内容がまちまちな証言なのでそのまま鵜呑みには出来ないが、集団となった場合国の存続をも脅かす存在であるとの結論は合致している。
この地ミノス国では比較的大きな混乱は起きては無いが50年前に起きた南のオバーリ国とその隣国トライリバスの『農奴解放騒乱』ではワンダラーの数名が扇動し国主及び多数の貴族が殺害され、首謀者が討ち取られて40年経った今でも落ちた国力は回復していないと聞く。
農業大国で各地に食料輸出していた二国の崩壊で近隣国では食料価格の高騰が生じ、スルガン、エンジュ、イズン、カービィでは暴動も起きかけたが当該国国主の備蓄食料配布令と西の神聖皇国ケイトに御座します皇帝の勅命で東国の八カ国からの緊急輸送を行い、事態は早期に鎮火した。
気の毒なのはオバーリとトライリバスの人々で
戦乱が収まっても大魔法の行使で地形は変化し、魔素の影響か作物や家畜が変質して奇形化など皇国より新たな国主が派遣されても復興は遅々と進んでない。
過去の教訓から国内に身元不明者が出現した場合は、安易に近寄らず速やかに各郡を管轄する領主に報告するよう領民には周知徹底させている。
領主は自領地の防衛と治安維持を主目的とした正規兵の他に契約金で一定期間雇用関係を結んだ傭兵団、国や貴族からある程度の自己裁量権を与えられている自由民兵__いわゆる|冒険者(なんでも屋)__との連絡網を駆使し、『ワンダラー』との接触を任せられている。
国主から領主に求められているもの、それは『ワンダラー』が
1)どこから来たのか、過去に来た者との関連性
2)どんな能力を持っているのか、社会に対する害意の有無
3)自力で__自分の意思で__来たのか、この地の何者かによる召喚か、かの者の祖国(?)からの転送なのか
4)祖国(?)への帰還を望むか、この地にて骨を埋める(永住する)事を望むか
それを探り出し、報告することである。
最終決断は国主で決定するのが基本であるが、場合によっては神聖皇国の皇帝に裁決を下す事もある
……真偽のほどは確かでは無いが初代皇帝もまた「異世界よりの来訪者」との伝説もある
今より3000年ほど昔のことなのでどこかで史実が書き換えられているとも噂されているが。
ワーラ村で目撃された『ワンダラー』と推測される者は少年二人少女二人の計四名との事前報告を受け
騎馬七名、馬車二台に平民に偽装した団員が十名__近代軍で言えば分隊規模__の精鋭で編成
商人の乗ってる幌馬車と偽装し、中に乗せた平民の服装をした団員を先行して村に入れ、村長に来訪目的を告げると平行して「村長が呼んでいる」と個々の村民を誘導して『ワンダラー』との接触を抑える、万一戦闘に入った場合の人的被害回避も兼ねている。
住民の避難が完了したら鳥笛により連絡、二名を村民保護(そして監視)に残し、二名一組で四方より標的を距離を置いて包囲、彼らは『ワンダラー』が逃亡選択した時の伏兵である。
包囲が完成したら村入り口に騎馬五名、裏口に二名を振り分ける。
ただの家出した少年少女の可能性は薄い。
散歩にでも出たような軽装備なのに、村を訪れたとき「冒険者ギルドはどこですか」と聞いてきたと報告書にある。
ワーラ村は人口50名弱、戸数20にも満たない農村である。
冒険者と言われる自由業者を統括する施設は最低人口5000名以上の『街』にしか配置されていない
それ以下の町や村は害獣駆除は自己解決か『街』まで行って依頼するかのどちらかだ。
従って冒険者志願は近くの街への道をたずねるのが基本である。
稀にある事だが、家出ではなく妖精やあやかしの類に連れ去られ__いわゆる『神隠し』__住んでいた所から遠く離れた場所で放り出された事例の場合
村か町の長に身柄の保護を願い出て、長は名前と元居た場所の名を聞きだして書面にして領主Aに報告、当面の期間は村長が預かり、保護者が来たときに子供を引き渡す
掛かった費用は領主Aが長に支払い、送り届けた先の領主Bに「領民保護」に掛かった費用請求して回収の流れとなる。
身柄預かりが村長とかではなく直接領主の手配した場所とかになる場合もあるが、それは豪商とか貴族の子女の場合である。
閑話休題
ワーラ村に現れた人物は見た目からすると14~16くらいの年齢か
いつの間にか村から人影が無くなったのに気づいたのか周囲をきょろきょろと見回し、ブルータークが乗る馬の蹄の音を聞きつけて視線を向けてきた
その目は怯えでも無く、力に驕る者に付き物の濁ったぎらつきも無かった
少年二人が少女達を一瞥したのち彼女らを庇うように一歩前に進み出る
それは「守るものを持っている」と自覚している者が持つ目の輝きだ。
(良い目をしている)
ブルータークが過去遭遇したワンダラーの中には己に強大な力が有る事に気付き倣岸不遜な振る舞いをするものが少なからず居た。
生きる者の命を絶つことは本意ではないが、領民そしてわが身を守るための武力を行使する事に躊躇しては領民の安寧を保つ任務を遂行する事は不可能である。
もちろん武力に依らずワンダラーが素直に「保護下に就く事」を了承するよう話し合う努力を怠るつもりは毛頭無い。
目の前の少年少女がそのような___思慮の足りない___輩でない事を願いながら口を開く
「この村の者ではないと見受けられるが……そなた達は何者か、何の目的でここにおる? 」
少年二人のうち長身でやや細身の方が自分の胸に手をやり自己紹介をする
「僕の名はカズキといいます、こいつの名はケン、僕たちは冒険者になるために旅に出てきました」
カズキと名乗った方がこの一行のリーダーと判断したが他の人物の反応も見落とさないよう__一人だけを注視するのではなく全体を視野に入れるよう__少年と少女の顔がひと目で見える位置に馬を移動させる。
部下の四騎は訓練通りにワンダラー達の左右に二騎ずつ分かれて配置に着く。
目で見て判るこの時点で「訓練された武人」と理解しておとなしく従う賢明さがあれば面倒は少なくて済む。
「そなた等ふたりが腕に自信があるようだが、後ろの女性ふたりも『冒険者』志願として行動を共にして居るのかな? 」
「迷い子だとすると保護して親元に帰すのが大人の義務であり、我々の任務でもある」
彼らが前もって行動指針が一致していればこの程度の揺さぶりは屁とも思わないだろうが……
少女の一人、栗毛の直毛が背中まで届いている方が見た目で判るほど動揺したさまを浮かべる。
「帰れる道があるなら頼んでみてはどうかな?」
「しっ、今は黙ってて…リーダーのカズキに交渉任せると決めたじゃない」
紅毛で癖毛の短髪のもう一人の少女が窘める。
小声だが『感覚増大』の魔道具装着しているブルータークにはばっちり聞こえている
栗毛の娘がどれだけ事情を知っているかは不明だが、少なくとも「自力でこの地に現れた」のは薄いようだ。
「いずこより参った、この国のものではないようだが?」
事前に仕入れた情報では彼らは『冒険者ギルド』を探していると言ってたが、ここミノスの国にそう言った名の組織は無い、しいて似た内容を探すなら「出居衆出稼ぎ者人別帖」「口入れ宿」が其れに当たる。
この時点では「この国出身者ではない」と言うだけで「ワンダラーである証拠」ではない、外国からの来訪者なら不慣れなだけと言える。
「………」
答えられないようである、そこまでの口裏合わせは充分してこなかったと見て畳み掛ける。
「その歳で間諜だとは思えぬが、生まれし地を離れて職を得ようと心掛けたならば『手形』は持っておらぬか」
『手形』とは生地を離れる際に身分証明として村長もしくは公的役職に就いている者が発行するものであり、所定の紙に該当者の右手の掌紋を押し当て、その脇に証明者が「この者何処其処の地にて誰某の子である」と紹介文を記入し、署名と花押を併記してあるものだ。
奉公に行く場合はあて先の人物に当ててもう一通作成する場合も有るが、そちらは雇用者が受け取って保存用に持つ。
職に就いたらそこの雇用主が次の手形発行の証明者となる。
「てがた……持ってないです……」
「四名とも誰一人として所持していないと言う事かな?」
「……はい……」
(正直なのは良い事だが、萎れた様を表面に出すのは交渉時には褒められたものではないな)
演技だとしたらたいしたものだが、他の三名の様子を見ても同様に動揺しているようだ。
「外国より来たとして、いかにして関所を越えてきたのか聞きたいこともあるが、どこより来たのかもう一度訊ねる」
馬の手綱を左手で持ち、右手で部下に『制圧用意』のハンドサインを出しておくる。
「突破するぞ!!」
「何処から来たのか」の問いに対しての反応は戦闘を選択したようだったが
彼らが懐から短杖を取り出す前に部下からの制圧魔術が降り注いだ。
「【嚔霧 】」
「【催涙煙 】」
「【行動阻害 】」
「【麻痺 】」
緑色の霧が虚空より湧いて彼らを包む、不意を衝かれた彼らはそれを吸い込んでしまい、くしゃみが止まらず、膝を着く。
涙と鼻水を流して地に伏した彼らを平服組の部下が手際よく拘束する。
たとえ森を焼き、城砦吹き飛ばせる魔法使いでも目と喉を潰し、集中力を阻まれてはなすすべは無い、念入りに行動阻害と麻痺を掛ける事で熊や虎並みの怪力だとしても身動きは出来なくなる。
両手を魔道封じの手枷で繋ぎ、両足首は80cmほどの鎖に繋がれた足枷を嵌める、そして手枷の右手側と足枷の左足側を1m弱の鎖で連結。
おとなしく連行に従うならさほど歩行に支障が出ない、戦闘や逃亡は不可能とまでは言わないがそんな特殊訓練を積んだ間諜とかでない限り拘束具をつけられた時点で大方は抵抗を諦める。
物理的効果より精神的効果を狙ったものである。
拘束具を装着されてもなお戦闘意欲を失わない者にはさらに不自由な体勢での拘束__両手を背後で拘束、それに首枷を追加して手枷と連結、さらに目隠し__をする、これは重犯罪を犯した者と同等の処置である。
食事の時には目隠しは外されるが拘束具はそのまま……つまり皿に直接顔をつけて食う「犬食い」を強いられる。
「戦闘意欲を失わない」であって、「反抗的な態度」程度ではそこまでの処置は行わない、捕縛班はあくまで『被疑者の保護と連行』が任務であり領主館での沙汰が下るまで勝手な処罰は禁じられている。
これは過去よその国で現場の人間の恣意的な判断による虜囚__同胞__の虐待を目撃したワンダラーが激怒し護送隊が壊滅した教訓からである。
四人の拘束が完了したのを見届けブルータークは懐から鳥笛を取り出し長音で三度吹き鳴らす
村民の保護・監視をしていた部下に作戦終了を伝え、囚人護送用馬車をこの場に移動する合図である。
荷台が幅2m×高さ2m×奥行き3mの窓の無い黒い木箱を四頭立ての馬がガラガラと音を立てて牽いてくる。
それはある時は囚人護送であり、ある時は遺骸収容して運ぶ霊柩馬車の役割も果たす……
くしゃみの魔法と催涙の魔法は解いてあるが、麻痺と行動阻害の魔法はあと20分程で自然に解けるので解除せず観音開きの後部から部下が二人一組で脇と足を抱えて積み込んでいく。
(面通しで直接得た情報は少なかったが、あとは館で待っている尋問官が引き出すだろう、奴の仕事も残しておかんとな)
部下に移送の準備を任せている間に村長に作戦終了の挨拶と協力の労いの言葉、それに通報の報酬を渡す、これが『捕縛班』の班長であるブルータークの仕事である。
不安の排除だけでなく「現金の利益」 これがミノスの領地が他国に比べて片田舎の隅々まで情報把握が行き届く秘訣でも有る。
今回部隊の人員に負傷者の一人も出さず、ワンダラーにも怪我を負わさずに済んだ。
あとはグジョウの赤い牙本部まで連れ帰れば任務終了だ。
帰り道順調すぎて鼻歌がつい出てしまい腹心のシルヴィーに「報告書書き終わるまでが任務のうちです」とたしなめられた、生真面目すぎなのがこいつの残念なとこだよな
そう考えていると「前方1リーグ強(約5km)先の街道に人影あり!」と短く警句が来た。
「装備とか様子は判るか?」
行く手に小さな人影があるのに気付いたがブルータークには細部まで良く見えない
捕獲班だけにとどまらず傭兵団の全団員の中でも屈指の視力を持つシルヴィーに聞く
「茶色、幅広の旅行者帽に濃紺色の外套、背には白っぽい背負い袋でしょうか、あと杖らしいものを持って歩いているようです」
ここからだと豆粒ほどしか見えないが、さすが『鷹の目』のスキルの持ち主だと感嘆する。
「単独行のように見えるが、こちらに気付いた様子はあるか?」
「時折左右を向いてるようですが、後方を警戒しているようには見えません、背の低さから子供のように見えます……ワーラ村の件がありますから彼らと無関係と判断するには情報が足りないです」
ブルータークは事前情報に無かった予定外のワンダラー出現の可能性に一瞬顔をしかめたが、彼の任務は「ワンダラーとの接触・情報収集・保護輸送」なので無視するのは職務放棄となり、そんな事は彼の矜持を傷つけるので選択肢から除外する。
「俺とシルヴィーとで先行して目標と接触する、後続は馬車の周囲警戒しながら常歩で進め。俺が停止の合図出したらそこで停止だ」
「シルヴィー、対魔法防御の呪符確認、捕縛用呪符の再装填済んだら駈歩で進め」
呪符は特殊素材に前もって術式を施し、術を待機状態にしておけるもので
発動するとき指先で符に触れて発動単語を発声すれば良い優れものだ。
ワーラ村での捕縛作戦では部下の先制の一撃で済んだため、ブルーターク本人は呪符消費してなかったのでホルダーに装着した呪符の割り振りを再確認するだけで走り出す。
街道を歩いていた少年は単独行のようだった、年齢はワーラ村の放浪者達と同世代、まったくの偶然と思えず手引書通りの対応として質問をした。
出身地と名前は聞き出せたが通行手形を持っていないらしい
親と死に別れて生まれ育った地から都会に働き口を探すのはさほど珍しい話ではないが「親に黙って家出しているケース」も有り得る
そう言った場合はまともな働き口に就けず、裏社会の住民となるのがほとんどである
その意味で『補導』を告げたら不審な行動を見せた
シルヴィーが森に逃げ込むコースを阻止すると剣葉草の群生地に飛び込もうとしやがった
見た目は風にそよぐ柔らかな青草に思えるが葉の縁がガラス質の細かな鋸葉で、迂闊に踏み込むと刃物で切り刻まれるのと同等な傷を負う
「【金縛り】」
シルヴィーが捕縛して引き寄せる術を放つが少年は後ろに飛び退いて回避した、なんという身体のバネだ
ひとっ飛びで3mも出せるとはやはり「ワンダラー」か?!
虚を衝かれ包囲の隙を駆け抜けて逃げ去ろうとしたが藪を飛び越えようと跳躍したのが失策だな。
空中に身を晒してはステップで回避する事は叶わぬ。
「【行動阻害】」
「【麻痺】 」
空中で二種の捕縛呪文をくらったわりに足からきれいに着地する。だが勢いを殺せず__足を踏み出す事も手を突くこともできず__つんのめった態勢のまま太い幹の立木に顔面から激突した……
「「…………」」
脳震盪を起こしたらしく身動ぎせず地に伏す少年を気まずい表情で見る武装した大人二人、任務に忠実であっても事情知らない人から見たら完璧に悪役である
「……あーっ、シルヴィーすまんが奴の手当て任せた」
「……良いですけど、帰ったら白鹿亭にキープしているスピリッツのボトルいただきますね」
「ちょ、おま 先日封を切ったばかりでまだ少ししか飲んでないのを知ってるだろっ!」
「だからですよ」
プルータークは安酒を多く飲むより高くても良い酒をちびりちびり飲むタイプであり
シルヴィーは酒なら高い安い問わずいける口であり、ボトルの2・3本は一晩で空けてもケロッとした様子から仲間内で「うわばみ」と密かに囁かれてるのでプルータークはこのとき本気で焦った。
「悪かったよ、おれも面倒見るからグラスの二杯程度で勘弁してくれや」
「呼吸が止まってないので酷くぶつけた様子では……あら? 」
プルタークが馬から下りて近づいたとき、先に少年に近づいて具合を見ていたシルヴィーがなんか疑問を感じたようだ
「どうした? 」
「帽子を深く被ってて気づかなかったのですが、これは……」
「?!……エルフ……ではないよな、あまり見ない種族のようだが? 」
ずれた旅人帽子を慎重にはずして傍らに置き、少年の頭を揺らさないよう後頭部に片手を添えて残る手で身体を仰向けにしたシルヴィーが手を持ち替えてプルータークに見やすいよう顔にかかるプラチナ色の髪の毛をそっと掻き分けて顔を露出させる。
耳は産毛のように薄い色と毛の量で覆われ、付け根が人族と同じ位置で、先は顔の横からやや斜め上に細長く伸びている。
獣人だと人族でいうところのこめかみやや後方より上の方に付いている
顔は体毛がさほど濃くなく、滑らかな肌に髪の毛よりやや濃い目の金色の眉と睫毛、額に残る打撲の痕と擦り傷から流れる血の色でやや痛々しいが、細い鼻梁と桜色の唇。
それだけ見れば人族の美少女と言っても良い整った顔立ちである。
プルータークが一瞬北方の少数民族であるエルフと見間違えたのだが、かの種族には目の前の少年のようにふさふさとした尾は無かった筈だ。
(わりと簡単に任務を終えたと思ってたが、こりゃかなり厄介な案件に遭遇したかなぁ……)
ひとまず少年への対応は腰につけてる小袋から血止め薬と当て布、包帯を取り出し手早く処置する部下に任せ、赤毛をぼりぼり掻いてため息ついたプルータークは屈みこんだ姿勢を伸ばし森を出て街道を100m離れて待機している部下に合図して収容作業を指示する。
「グジョウの街に戻るまでこれ以上ややこしいことは起きないでくれよ」
「ブルー、言って後では遅いと思いますが、それは『フラグを立てる』と言われるかと」
「るせーよっ!」
「それと手当てを私一人でやらせたのでグラス二杯じゃなくボトルで」
「じゃかぁしいわっ!!」