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コレは俺の真実の物語だッ  作者: 鴉野 兄貴
いつつめ 最終章 ただいま。ろくでもなき素晴らしい世界よ
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雲隠れの章

 月日が流れた。

学生時代に見た不思議な夢はいつの間にか俺、否、私の頭の中から消え去り、

私は自らの会社を成功に導き、妻の実家の会社を取り込む程度には成長させた。

 妻。まどかは可愛らしい娘を産んだ。

私達の愛の結晶だ。『唯』と名付けた。忙しい中でもそれなりに目をかけて育てている。

だが、まだまだだ。私は約束したことがある。私は前に進み続けねば成らない。


『社訓! 』私は叫ぶ。

『事業を通じて社会と未来に貢献ッ 』『事業を通じて社会と未来に貢献ッ 』『事業を通じて社会と未来に貢献ッ 』『事業を通じて社会と未来に貢献ッ 』『事業を通じて社会と未来に貢献ッ 』『事業を通じて社会と未来に貢献ッ 』『事業を通じて社会と未来に貢献ッ 』『事業を通じて社会と未来に貢献ッ 』

醒めない夢を俺は。私はいまだ追い続ける。俺の子を生もうとして儚く死んだ娘の遺言。

不思議な夢を追い、存在していない約束を守り続けて、私はここまでやってきた。そしてこれからも。



 いつの間にかハルカナルともやや疎遠になっていたとき、あの痛ましい事故が起きた。

引き取りにきた私を彼の遺児、未来みらいはハッキリとこういって拒否した。


「おっちゃんの。こどもになったら、唯とけっこんできない」どこでそんな話を聞いたのだろう。


「しかし、お前には頼る相手はいないのだぞ」「男の子だもん。唯に相応しい男になる」


 「しれんはおとこをそだてるのだ」言葉の意味すら知らないだろう幼い子供の決意に私は苦笑した。

「そうか。なら唯には許婚いいなずけをつくらず、お前を待とう」「おっちゃん。おれはやるからなっ 」

ハルカナル。お前の息子は立派な『男』らしい。お前によく似ているな。



『シン? 』後ろから声をかけられた。控えめの服装に身を包んだ美しい夫人。

豊かな胸とスラリとした長い手足を隠す上品な服装が却って彼女の魅力を増している。


 その手を掴んで愚図っているのは唯と同い年くらいの少年。

よく。似ている。あの娘に。私を。俺を愛してくれたあの娘に。


「会いたかった。シン」

涙を流しながら抱きつく女性。これは幻だろうか。

それとも。また。夢だろうか。


「シズル。何処に行ってたんだよ」「また、私達の手でいい国にしようね。シン」

その様子を、水鏡となったミオとレイが微笑みながら見守っていた。夢は。まだ終わっていない。



「って????!!!!!!!!! 俺もう結婚しちゃってるよっ?!!!!!!!! 娘いるよっ!!!!! 」


「認知がんばれ」「ファイト。シンちゃん。その子は間違いなく君の子だから」

戸惑う俺に懐かしい香りと柔らかなあの身体の感触。


「シン、会いたかった。もう離れない」

ぎゅっと抱きついて動かないシズル。

ど、どど、どうしろってんだっ?! てかなんでお前生き返ってるんだッ?!


「いや、あたしたちも死んであの世界行ったじゃん」こともなげにミオはいってのける。

「あ、そうそう。お客さんがまだ」嫌な予感がする。


「シーン!!!!!!!!!!!! 」あの声は。あの声は。

「今度こそ、今度こそ愛してッ 」華やかな美貌をもつ。見覚えのある釣り目。その釣り目に似合わない涙であふれた鼻水。


もうだめ。この夢。この夢。



「この夢。こんな夢。さっさと醒めろおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉっっ?!!!!!! 」

俺を奪い合う美女二人、シズルとカゲロウ。大笑いする水鏡夫婦。

「ハーレムなんてこりごりだぁぁぁあああああああああああああああああああああああぁぁっっ?!!!!!! 」


 葬式場の隅で大騒ぎする非常識な大人たちに愚図る『かずひと』。

あの夢の中では母と共に死産したはずの俺の子にレイとミオの子である澪君と父を喪って間もない少年。未来君は背をたたき励ましている。


 ハルカナル。もしかしたら君は。死んだのではなく。

また君を必要とする『世界』の為に旅立ったのかもしれないな。

君のいない世界は、私とその子供たちが守ってみせるから。


さっさと帰って来いよ。相棒。


『ほら、きりしま。なくな。おとこはないちゃだめなんだぞ』『かずひと。お前はかずひとなんだぞ。意味わかんないけど、とおちゃんはそうよんでたぞ』



(『コレは俺の真実の物語だッ ~男って伝説の魔物らしい~ 』完

Reviewレヴュー!』へ。続く)

(in 『楽屋』)

「綺麗に終わらせようったってそうはいかんぞおおおおおっっ?! 更に一人余分についてきているじゃないかっ?! 本編より酷いッ?! どうなっているんだあああああああっ?! 」

いいじゃん。一人より二人のほうが奥さんも納得してくれるから(ヒュー)。


「するかああああああああああああああああああああああああああああ」

おしまい♪ ああ。やっと肩の荷が下りた。次の話書くか~!


「納得いかないッ してないからなぁっっ! 」

「シン♪ ダイスキ! 」「もう離れません。シン。私はあなたをまっすぐ見て、だき『あい』ます」


 あ。そうそう。真さん。あの装置が転生装置ってのはガチなんだよ。

「シン様~! 」「国王陛下ッ! 」「おはようございます。国王陛下。認知しやがれでございます」


おしあわせに~?! (ウケケ)

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