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コレは俺の真実の物語だッ  作者: 鴉野 兄貴
みっつめ。これがハーレムだッ

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カゲロウ日記 ~ 私がシンに愛されないのはどうかんがえてもおまえらが悪いッ ~

ユウガオが捕縛された。その報を受けたカゲロウ。

「そう」あとはユウガオの子を殺せばいいか。そう考えるカゲロウ。この世界に愛という言葉はない。

『儀式』を受けられないカゲロウはイライラとしていた。本来なら『儀式』を受けねばならない時期だが。


「シンが来ない」


 嫌われている。そんなことはカゲロウは夢にも思わない。

完璧なまでの政策の補助。磨き上げられた美貌。持って生まれた地位。ただの魔物如きが独占するにはあまりにも惜しい存在が彼女だが。


「なぜあの奴隷に目にかけるのだ」


正しく独占できる権利があるはずの彼女は、いまだシンとの『儀式』がまだだった。


「アイツが悪いのだ。あいつの存在がわるいのだ」

カゲロウは嫉妬という言葉を知らない。そもそも自分は完璧な存在だと思っている。知っていたとしても否定したであろう。


「今日も冷たい月を見る日々。暖かい星の輪の中にあなたが入ってくる日を待つ」とカゲロウは文をしたためた。

一方。シンはそれをみて眉をしかめた。

「壊滅的にアイツには手紙を書くセンスがない」


 それでも真は『正妻』のカゲロウを疎かにはしなかった。

結論だけ言うと真はカゲロウの部屋に来たのだが。


「貴様のような醜くてどうしようもなく、無能な輩を操る私の苦労を聞け」「……」

延々と真に説教を始めるカゲロウ。子作りどころではない。


 朝が来る。

「……」「カゲロウ様。首尾は」「……」

「これでカゲロウ様にもお子がッ! 」「よかったっ! 本当によかったッ! 」はしゃぐ侍女たち。

シンは『儀式』の際人払いを徹底させるからだが。


「気分が。優れぬ。去ってくれ」「はいっ! 」「はいっ! 」

カゲロウは言うべきことを言った。とは思ったが。何故か溢れる涙を抑えることが出来なかった。



「子供が流れたそうですよ」吉報を伝える。侍女。あの女の子供が流れたそうだ。

「よきしらせだ」「ですね」彼女たちは笑いあう。自分たちが愛されぬ理由を知らぬまま。まだ知らぬ愛を求めて。

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