第7話 3回戦、幼なじみたちの激突
全国市区町村カードバトル!
第7話 3回戦、幼なじみたちの激突
会場は3回戦の開始を告げるアナウンスでさらに熱気を増していた。
勝ち抜け選手の数が減り、テーブルごとの注目度も高まっている。巨大スクリーンには実況コメントが流れ、観客席は満員だ。誠一はテーブルBに座り、足元のハモのキャリーバッグをそっと撫でた。対戦相手は――
・瀬奈 ショートヘアの運動神経抜群幼なじみ。正義感強く男勝り。昔から誠一たちと遊び、久々の再会で燃えている。
・亜沙 関西弁の眠そう可愛い妹キャラ。序盤の奇襲が得意で、2回戦でも誠一を苦しめた。
・綾葉 水色の髪のクール美人。下ネタを堂々と言う残念系で、コスプレ趣味。侑の従姉妹。「誠一! 昔の借り、今日こそ返すぞ!」瀬奈が拳を握ってニヤリ。幼稚園以来の悪友同士、勝負の火花が散る。「えへへ~、今度の対戦も楽しみやね。誰が勝つかな~?」亜沙は目をこすりながらも、どこか楽しげ。綾葉はクールに微笑み、突然炸裂。「ふふ、みんなの『面積』が気になるわね。……市町区村の面積よ? それとも別の?」「綾葉! 試合前からそれやめろ!」瀬奈が即座に突っ込み、誠一は赤面。観客席から祐奈の「またあの子……」というため息が聞こえた気がした。
『3回戦、全テーブル開始! 初手5枚ドロー!』
誠一の手札:
・新見市(793km²)
・佐久市(423km²)
・かすみがうら市(156km²)
・里庄町(12km²)
・川越町(8km²)
「うーん、中堅と小さいのが多い……切り札は新見市だけか」
先生のアドバイスを思い出し、小さいカードで相手の強カードを誘う作戦を考える。
『第1ラウンド オープン!』
誠一 → 里庄町(12km²) (わざと小さいのを出す)
瀬奈 → 南砺市(668km²)
亜沙 → 江津市(268km²)
綾葉 → 島本町(16km²)
今度は瀬奈が序盤で南砺市を出した! 爽やかな顔で強いカードを切る。
「ポイント、亜沙選手!」
スコア:誠一0 瀬奈1 亜沙0 綾葉0
追加ドロー。誠一は港区(東京都)(20km²)を引く。
『第2ラウンド オープン!』
誠一 → 川越町(8km²) (さらに小さい)
瀬奈 → 尾張旭市(21km²) (誘いに乗った!)
亜沙 → 幕別町(477km²)
綾葉 → 綾川町(930km²)
亜沙の幕別町が最大! 瀬奈の尾張旭市が誘い出された形に。「ポイント、亜沙選手!」
スコア:誠一0 瀬奈1 亜沙1 綾葉0
瀬奈が少し悔し顔。「くそっ、引っかかった……!」
『第3ラウンド オープン!』
誠一 → 佐久市(423km²)
瀬奈 → 加西市(150km²)
亜沙 → 与論町(20km²)(温存モード)
綾葉 → 赤井川村(280km²)
誠一の佐久市が最大。「ポイント、誠一選手!」
スコア:誠一1 瀬奈1 亜沙1 綾葉0
追加ドロー。誠一は生坂村(39km²)を引いて苦笑い。
『第4ラウンド オープン!』
誠一 → 港区(東京都)(20km²)
瀬奈 → 今金町(568km²)
亜沙 → 大和町(225km²)
綾葉 → 葛城市(33km²)
瀬奈の今金町が最大!「ポイント、瀬奈選手!」
瀬奈がガッツポーズ。「よし、1ポイントリード!」
スコア:誠一1 瀬奈2 亜沙1 綾葉0
『第5ラウンド 最終ラウンド オープン!』
誠一 → 新見市(793km²) (最後の切り札)
瀬奈 → 海士町(33km²)
亜沙 → 豊島区(東京)(13km²)
綾葉 → 加美町(460km²)
誠一の新見市が圧倒!「ポイント、誠一選手!」
最終スコア:誠一2 瀬奈2 亜沙1 綾葉0
上位2名勝ち抜けは瀬奈と誠一の2ポイント同率。
亜沙と綾葉は1ポイント以下で敗退……
誠一の小さいカード作戦が功を奏し、2位浮上!
勝ち抜け:瀬奈(2ポイント) 誠一(2ポイント)
敗退:亜沙(1ポイント)綾葉(0ポイント)
亜沙は眠そうに肩をすくめる。「うわ~あの手札で負けるとか初めてやわ~。誠一はん、ずるいなあ~」綾葉はクールに笑う。「負けたけど、楽しかったわ。また私の面積でリベンジね♡」瀬奈は誠一に手を差し出し、笑顔で。「誠一、昔みたいにしぶといな! 次はもっと本気でいくぞ!」誠一は握手しながら、「こちらこそ!」と返す。観客席では祐奈が大きく息を吐き、「ギリギリで勝ち抜けって、何なのよあいつ……」と呆れ顔。琴美は大喜び。誠一はカメラでテーブルBの4人を撮影。「みんな、最高の試合だった!」3回戦突破。
小さい市区町村を活かした作戦で、誠一はベスト16へ進む。――次回、4回戦! 明日奈・麗歌・瀬奈との強敵テーブル!
(第7話 終わり)




