第6話 2回戦の決着、そして3回戦へ
全国市区町村カードバトル!
第6話 2回戦の決着、そして3回戦へ
2回戦の全テーブルが終了し、会場は勝ち抜け選手たちの安堵と敗退者の悔しさが入り混じった空気に包まれていた。誠一はテーブルKから立ち上がり、亜沙に軽く頭を下げた。「亜沙、強かったよ。序盤の高山市と岐阜市の連発はビックリした」亜沙はクリーム色の髪を揺らして、眠そうに笑う。「えへへ~、誠一はんもタイブレークで勝つとか、しぶといわ~。まあ、次でまた会おうや」ソフトな毒舌を交えつつ、手を振って去っていく。姉の香理が観客席から「亜沙! ええ感じやったで!」とツッコミを入れていた。涼子は唇を尖らせて悔しがっていた。「私、1ポイントしか取れなくて……目立つのに! 次は絶対にリベンジよ」侑はスカートを直しながら苦笑い。「誠一、おめでとう。俺……いや、私も次はがんばるよ」誠一はカメラを取り出し、4人で記念撮影。「みんな、いい試合だった!」シャッターを切り、誠一はほっと笑顔になった。
巨大スクリーンに2回戦の全結果が表示される。
「祐奈も勝ち抜けた……琴美は惜しかったか」誠一がスクリーンを見上げていると、アナウンスが流れた。『2回戦終了! まもなく3回戦抽選を行います。勝ち抜け選手は指定エリアへ!』休憩時間に、誠一は観客席へ向かった。「お兄ちゃん、すごいよー! また勝った!」琴美が抱きついてくる。ド天然妹は自分の敗退を気にせず、兄を応援していた。祐奈は少し離れて腕を組んでいたが、誠一が近づくと小声で言った。「……タイブレークなんて、ヒヤヒヤしたわよ。バカ」「ありがとう、祐奈。祐奈も勝ち抜けたんだな。次は当たるかも?」「ふん、当たったら容赦しないんだから」ツンとした態度だが、目が少し優しい。瀬奈が元気よく駆け寄ってきた。ショートヘアを揺らし、運動神経抜群の幼なじみ。「誠一! お前も勝ち上がったな! 次は私と当たるかもね。昔みたいに戦おうね!」「瀬奈、久しぶりに本気で戦えそうだ」先生がニコニコしながら割り込んでくる。「誠一くん、ナイスよ! 亜沙ちゃんの序盤ラッシュをしのいだのは立派! 次はもっと小さい市区町村も絡めて心理戦をね」「小さい市区町村……ですか?」「ええ。みんな大きい面積ばっかり狙うけど、終盤で小さなカードを出して相手の切り札を誘うのも大事よ」アドバイスに誠一は頷いた。抽選エリアで3回戦のテーブルが発表される。
【3回戦 テーブルB】
誠一 瀬奈 亜沙 綾葉 「うわっ……瀬奈に亜沙、それに綾葉か!」綾葉は水色の髪のクール美人だが、下ネタを堂々と言う残念系。コスプレ好きで、今日は巫女コスプレ風の私服だ。瀬奈が肩を叩いて笑う。「よし、決まりだ! 誠一、昔の借り返すぞ!」亜沙はまた眠そうに。「また誠一はんと一緒やん~。縁があるなあ」綾葉はクールに微笑みながら、突然下ネタを交えて。「ふふ、誠一くん。今日は私の『面積』で勝負よ。……面積って言ったら、どっちの面積かしら?」「えっ!?」誠一が赤面する周りで、瀬奈が「綾葉! やめろって!」と突っ込む。休憩が終わり、3回戦開始の時間が迫る。誠一は、深呼吸した。「今度は幼なじみと強敵ばかり……でも、負けない」観客席の祐奈がうちわを握りしめ、小声でエールを送る。「……誠一、がんばりなさいよ」3回戦――
誠一にとって、ただのトーナメントではなく、昔からの仲間との再会と勝負の場が始まろうとしていた。――次回、3回戦! 瀬奈の男勝りプレイ、亜沙の寝ぼけ奇襲、綾葉の下ネタ心理戦! 誠一は生き残れるか!?
(第6話 終わり)




