第5話 2回戦、亜沙の奇襲
全国市区町村カードバトル!
第5話 2回戦、亜沙の奇襲
会場は2回戦の開始を告げるアナウンスで再び熱を帯びていた。
1回戦を突破した選手たちが、それぞれのテーブルに座る。誠一はテーブルKに着き、足元にカメラバッグを置いた。対戦相手は――
・涼子 1回戦と同じテーブル。アイドル的人気者で、負けず嫌い。
・亜沙 関西弁の可愛い妹キャラ。クリーム色の髪でよく寝るが、ソフトな毒舌が武器。姉の香理は別テーブル。
・侑 誠一の友人で、従姉妹の綾葉に女装させられて完全に美少女化。見た目は完璧な可愛い子だが、中身は男。
「誠一くん、また一緒ね。今回は本気でいくわよ」涼子が髪をかき上げて挑発的に笑う。「えへへ、誠一はん、よろしゅうな~。負けても恨まんといてや~」亜沙が眠そうに目をこすりながら、関西弁でニコニコ。見た目は無防備で可愛いが、油断できない。侑は少し照れくさそうにスカートの裾を直しながら座った。「誠一、よろしく……って、こんな格好で対戦するの、ちょっと慣れないんだけど」「侑、似合ってるから大丈夫だよ。がんばろう!」観客席では祐奈が少し複雑な表情。侑の女装姿を見て「また綾葉のせいね……」と呟いている。琴美は「お姉ちゃんみたいな子かわいいー!」と無邪気に喜んでいる。『2回戦、全テーブル開始! 初手5枚ドロー!』スタッフがボックスをシャッフルし、4人に手札を配る。
誠一の手札:
・松山市(429km²)
・高松市(375km²)
・東村(81km²)
・八千代町(58km²)
・王寺町(7km²)
「なかなかの厳しい手札だ 強いて言うなら松山市が仕えそう」誠一は険しい顔で考える。
『第1ラウンド オープン!』
誠一 → 王寺町(7km²) (序盤は様子見)
涼子 → 桑折町(42km²)
亜沙 → 士別市(1119km²)
侑 → 美唄市(277km²)
「えっ!?」誠一が驚く。亜沙が初手でSSRカードの士別市をぶち込んできた!
「ポイント、亜沙選手!」亜沙は眠そうな目でニコッ。
「あ~、寝ぼけて強いん出しちゃったわ~。ごめんごめん」ソフト毒舌で「寝ぼけて」なんて言ってるが、明らかに計算だ。
スコア:誠一0 涼子0 亜沙1 侑0
追加ドロー。誠一は八千代町(58km²)を引く。
『第2ラウンド オープン!』
誠一 → 東村(81km²)
涼子 → 対馬市(707km²)
亜沙 → 大崎市(796km²)
侑 → 北中城村(11km²)
また亜沙! 大崎市で圧倒。
「ポイント、亜沙選手!」スコア:誠一0 涼子0 亜沙2 侑0
涼子が少しイラついた顔。「ちょっと、何この子……」亜沙は「あはは~、運がええだけやで~」と笑うが、明らかに強いカードを序盤に連発している。観客席の香理(亜沙の姉)が「亜沙! 本気出しすぎや!」とツッコミを入れている。
『第3ラウンド オープン!』
誠一 → 松山市(429km²)を出す。
涼子 → 福津市(52km²)
亜沙 → 二宮町(9km²)と弱めに。
侑 → 気仙沼市(332km²)。
「ポイント、誠一選手!」ようやく1ポイント。誠一はホッと息を吐く。
スコア:誠一1 涼子0 亜沙2 侑0
追加ドロー。誠一は芝山町(43km²)を引く。
『第4ラウンド オープン!』
誠一 → 八千代町(58km²)
涼子 → 養老町(72km²)
亜沙 → 笠置町(23km²)
侑 → 片品村(391km²)
侑が片品村で最大!「ポイント、侑選手!」
侑が少し照れながら「やった……!」と小さく喜ぶ。
スコア:誠一1 涼子0 亜沙2 侑1涼子が焦りを見せる。
「私、まだ0って……!」
追加ドロー。誠一は岡崎市(387km²)を引く。「このままでは侑と同点だな……でも……」誠一はある作戦をひらめく。「賭けだがうまくいくかどうか……」
『第5ラウンド 最終ラウンド オープン!』
誠一 → 芝山町(43km²)
涼子 → 養父市(422km²)
亜沙 → 一宮市(113km²)
侑 → 武蔵野市(10km²)
涼子が養父市で圧勝!「ポイント、涼子選手!」
最終スコア:誠一1 涼子1 亜沙2 侑1
ルール通り、上位2名勝ち抜け。
亜沙が2ポイントでトップ、
誠一・涼子・侑が1ポイント同率だが、残り手札の面積合計タイブレークへ。
審判が手札を回収し、合計面積を計算。
「……残り手札面積合計 誠一選手が最も高い!」
誠一の残りカードがあえて温存した岡崎市や高松市など中堅どころが多くバランスが良かったため、タイブレーク勝利。
勝ち抜け:亜沙(2ポイント) 誠一(1ポイント、タイブレーク勝ち)
涼子と侑は惜敗。涼子は悔しそうに唇を噛んだ。
「くっ……私、1ポイントって……目立つのに!」でもすぐに立ち直り、誠一に近づく。「誠一くん、次は絶対一緒に勝ち上がるんだから!」「うん、ありがとう、涼子」侑はスカートを直しながら笑った。「誠一、勝ち抜けおめでとう。また次で会おうぜ」亜沙は眠そうに伸びをしながら関西弁で。「誠一はん、タイブレークで勝つとか運ええな~。まあ、次もよろしゅうな♡」ソフト毒舌だが、笑顔は可愛い。観客席では祐奈が大きく息を吐き、「……またギリギリね、バカ」と呟く。琴美は大喜び。巨大スクリーンに2回戦の他の結果が表示される。瀬奈(2) 綾葉(2) / 桜華(1) 凪沙(0) 明日奈(3) 香理(2) / モブ(0) モブ(0)
など、強者たちが次々勝ち進む。誠一はカメラでテーブルKの4人を撮影。「みんな、いい試合だった!」2回戦突破。亜沙の奇襲をしのぎ、誠一は3回戦へ進む。――次回、3回戦! 瀬奈・亜沙・綾葉との幼なじみ対決!
(第5話 終わり)




