第3話 1回戦、激闘の5ラウンド!
全国市区町村カードバトル!
第3話 1回戦、激闘の5ラウンド!
会場は一気に緊張感に包まれた。1回戦の同時開始を告げるアナウンスが鳴り響き、数百のテーブルでカードが配られ始める。誠一はテーブルAに座り、向かい側に涼子、右に神与、左に西村章大。観客席の最前列では、祐奈が固くうちわを握り、琴美が「お兄ちゃんがんばれー!」と小さな声を上げている。『1回戦、全テーブル開始! 初手5枚ドロー!』スタッフが共通ボックスをシャッフルし、4人に5枚ずつ手札を配る。
誠一の手札:
・中標津町(684km²)
・日之影町(277km²)
・勝浦市(93km²)
・古賀市(42km²)
・善通寺市 (39km²)
「まずまず……中標津町が切り札だな」涼子は余裕の笑み、神与は無表情、章大はニヤニヤしながら手札を覗き込む。
『第1ラウンド 選択時間10秒 オープン!』4枚のカードが同時に表に。
誠一 → 勝浦市(93km²)
涼子 → 渋川市(240km²)
神与 → 更別村(176km²)
章大 → 武蔵村山市(15km²)
「ポイント、涼子選手!」章大がガッツポーズ。
「初っぱなから運がいいわ!」スコア:誠一0 涼子1 神与0 章大0
全員がボックスから1枚追加ドロー。
誠一は伊達市(444km²)を引いてニヤリ。
『第2ラウンド オープン!』
誠一 → 日之影町(277km²)
涼子 → 大町市(565km²)
神与 → 真鶴町 (7km²)
章大 → 小清水町(286km²)
今度も涼子が最大。「ふふ、2連続だわ」ポイント獲得。
スコア:誠一0 涼子2 神与0 章大0
追加ドロー。誠一は豊中市(36km²)を引き、内心しょんぼりする。
『第3ラウンド オープン!』
誠一 → 古賀市(42km²)
涼子 → 松島町(53km²)
神与 → 花巻市(908km²)
章大 → 滝上町(766km²)
会場がどよめく。神与が序盤で40位の札幌市を切ってきた!
「ポイント、神与選手!」
神与は誠一をじっと見て微笑む。「誠一さんを……勝たせたいんですけどね♡」
スコア:誠一0 涼子1 神与1 章大1追加ドロー。
『第4ラウンド オープン!』
誠一はここで岐阜市(2031km²)を出す。
涼子は北九州市(491km²)。
神与は川崎市(143km²)
章大は堺市(149km²)。
誠一 → 中標津町(684km²)
涼子 → 東吾妻町(253km²)
神与 → 鳩山町(25km²)と温存モード。
章大 → 北斗市(397km²)
「ポイント、誠一選手!」誠一、ようやく1ポイント目。観客席の祐奈がホッと胸を撫で下ろす。
スコア:誠一1 涼子2 神与1 章大0
最終ラウンドへのプレッシャーが一気に高まる。
追加ドロー後、最後の手札はそれぞれ4枚に。
『第5ラウンド 最終ラウンド オープン!』
誠一 → 伊達市(444km²) (残りの最強カード)
涼子 → 吉川市(38km²)
神与 → 奥多摩町(225km²)
章大 → 土岐市(116km²)
誠一が最大!「ポイント、誠一選手選手!」
最終スコア:誠一2 涼子2 神与1 章大0
ルール通り、ポイント上位2名が勝ち抜け。誠一と涼子が2回戦進出決定!章大は肩を落とす。「くそー、賞金がぁ……奨学金のアテにしようと思っていたのに……」神与は立ち上がりながら、誠一に優しく微笑んだ。「誠一さんが勝ち抜けて……本当によかったです。次も、応援していますね♡」その目は少し熱っぽいが、誠一は気づかず「ありがとう、神与!」と笑顔で返す。涼子は髪をかき上げて誠一に近づく。「ふん、まあいい線いってるじゃない。2回戦も一緒に勝ち上がるわよ、誠一くん」「うん、よろしく!」誠一は安堵の息を吐き、観客席では祐奈が小さく拍手し、頰を赤く染めていた。「……まあ、悪くなかったわよ。バカ」琴美は飛び跳ねて大喜び。「お兄ちゃんかっこよかったー!」先生はニコニコしながら先生席から手を振る。「よくやったわね、誠一くん!」巨大スクリーンには他のテーブルの結果が次々と表示される。瀬奈 3ポイント圧勝 亜沙&侑 2ポイントずつ勝ち抜け
明日奈、香理、俊也、綾斗、智華、響子、雛乃、祐奈らも順調に2回戦へ。誠一はカメラを取り出し、テーブルAの4人で記念撮影。「みんな、ありがとう!」章大は悔しがりつつも笑顔でピースサイン。神与は誠一のすぐ隣に寄り添う。涼子はモデルポーズ。シャッター音が響く。1回戦突破。5ラウンドの短い激闘を制し、誠一の全国1位への旅はまだ続く。――次回、2回戦! 亜沙・涼子・侑との新たな戦い!
(第3話 終わり)




