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学園への招待状

「はあ、今日も平和だな~。また、明日も平和だといいんだけど……って、一日で生活が崩れる事なんてそうそうないだろう!!」


 そういうフラグ発言をした直後に、ふと郵便受けを見てみる。


 すると、郵便受けの中には白い封筒が入っていた。


 そして、それを開封する。すると、2枚の紙が入っており、一枚目には


『私の学園、S能力学園に来てください。もし断ったらどうなるか。それは貴方が一番理解してますよね?最強の能力を持っていたあなたが。では、明日の4月1日に私の学園で待っています』


と書かれており、2枚目には学園についての詳細な情報が書かれていた。


 私の学園ってことは、この手紙の主はその学園の理事長、学園長とかなのか?まあ、一旦その学園について調べてみるか。


 僕は、インターネットを使う事の出来るデバイス、通称パソコンを使い、S能力学園について調べる。だが、一軒もヒットしない。


「悪戯なのか?」


 いや、だとしたらおかしい点がある。


 まず、最強の能力を持って「いた」って事は、今は使えないことが分かってるって事だ。


 さらに、2枚目の学園についての詳細があまりにも本物っぽかった。まあ、これについては完全に適当なのだが。


 僕の能力が使えないという事実を知っているのは、僕自身と隣にいる犬のポチ。それくらいだからな……。


 しかもうちの住所までばれてる?まさかストーキングされていたのか。まあ、確かにここのところずっと僕に話しかけてくる不審者はいたけど、まさか僕の家を特定するためのストカーだったなんて……。まじで頭のおかしい奴だとしか思ってなかったから気づかなかった。


「でも、住所を変えたら僕がどこにいるか分からなくなるから別に……。って、そうもいかないのか。なにせ相手は学園に在籍している大量の能力者をほぼ自由に使えるんだからな……」


はあ……。なんで能力が使えない能力者を入れたがるんだ……。


本 当 に こ の 世 界 は 最 高 に 狂 っ て い る よ=



 もう疲れたから寝るか……。


「おやすみ!!!」


 そうして、僕は深い、と言うには浅くて、浅いというには深い微妙な眠りに入るのだった。



 そして、僕はいつも通り布団から起き上がる。そうして、2枚目の紙に書かれていたことをもう一度ゆっくりと読みなおす。


『入学案内


学園長からのメッセージ


 まずは、御入学おめでとう。そして、ようこそ。この手紙を読んでいる新入生諸君。君たちは、例外を除き、厳しい受験を合格した猛者のみだ。だから、入学しても気を抜かないように。気を抜いた瞬間に脱落するだろう。本題から逸れたが、甘酸っぱい青春と卒業証明書を手に入れられるように願っているよ。


必要事項


 日程 100年4月1日 10時

 場所 S能力学校本校 大ホール

 持ち物 学校指定の制服とカバン/筆記用具


では、良い学園生活を』


 ほう。で、学園指定の制服ってのがどこで手に入れられるのだろうか……。


 そんなことを考えていると、その紙には裏がある事に気づいた。


「おっと、見落としていたのか」


『学園指定の制服は、入学式前日までに家に届きます』


 だそうだ。つまり、今日届くのか。ってか、僕の服のサイズとか知ってるのか?


 あ、そういえばあの僕に話しかけてきたストーカー、今思えば僕の体を凝視していたな。


 くそ、一手先を越されたか……。まあ、別に3年くらいの我慢だろうし、最悪退学になればいいし。


 そんなに気にするようなことじゃないのかもしれない。


 めっちゃ重要なことについて考えているときに、突然玄関のチャイムが鳴る。


 この家、チャイムの音こんな感じだったんだ。


 そして、僕はなんのためらいもなくそのドアノブを回す。


「こんにちは。大和急便です。こちらに、ハンコお願いします」


 そう言いながら、僕の目の前にいる若い男性は段ボールを差し出してハンコを催促してくる。


「あ、はい」


 そういうと、僕はリビングのテーブルにハンコを取りに行く。そして、右手にハンコを持ち、また玄関に戻る。


「これで大丈夫ですか?」


 そう、ハンコを押しながら言うと、そいつは


「ええ。では、よい学園生活を」


 そう、言われたのだった。


 え?何で知ってるの?まさか、勝手に中身を見た?そんなわけがない。だって、今手渡された箱には開けられた形跡がなかったから。


 まさか、学園が提携を結んだのか?それでもって、学生にはそう言うように指示されたとか……。


 まあ、深く考えても仕方がないのだが。


「はあ。じゃあ、この箱は明日開けるとして、この長い連休も今日で終わりなわけだし、ゲームでもしようかな」


 そういいながら、僕は古びたカセットゲームを超旧型のゲーム機に差し込む。すると、ゲームが出来るようになるのだ。これが出た当初は物凄い反響があったものだが、今では知ってる人の方が少なくなってきたんじゃないのかな?


 そんなことをぼんやり考えながらゲームをしていると、窓の外が暗くなっていることに気づく。


「おっと、もうこんな時間か」


 思ったより、ゲームに熱中してしまっていたらしい。


「じゃあ、明日に備えてそろそろ寝ますか……」


そういいながら、長い夜をスキップするのだった。

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