ボス
閑な夜に大きな屋敷へと足を踏み入れる。
「誰?あんた。」
そこには女がソファに寝転んでいた。
「関西訛りの奴は居るか?」
「あぁ、あんたが。」
そう言いながら二階の部屋へと顔を向け、
「客が来たわよ!!」
(声デカ!)
耳がキンキンする程の声量で叫ぶ。
「うっさいのー、そないな声出すなや。」
昼間の男が部屋から出てくる。
「おー、お前さんか。待っとったで。」
ゆっくり階段を降りてくる。
「お前は席外しーや。」
「はぁ?あんたが此処に居ろって言ったのに?」
「そうや。とっとと部屋戻り。」
「はいはい!わかりましたよー!」
強く足を踏んで二階に移動していく。
(何だったんだ。)
「今のは…」
「知りたいやろ。全部。」
「そのために来た。」
張り詰めた空気の中ゴクリと息を飲む。
「プッ、ハハハハ。そんな気張らんといてや。」
「な、何が!?」
「何が、て何や可笑しな奴やな。」
「とっとと本題に移れ!」
(茶化されて目的を見失うところだった。)
「すまん、すまん。で何を聞きに来たんや?」
「お前が聞きたいことがあるって言うから来たんだ!」
「そうや!君が殺したんは二人か?」
明るい雰囲気から急転、男の眼から光が消える。
「何の話だ。」
「知らない?嘘や。最低一人は殺したやろ。」
「だから何の話だ!」
「ニュース見たで。初めて変身したんはその時や。」
「…」
「それで何人や?」
「一人だ。」
「ホンマか?」
「あぁ、」
それから初めて変身した時の話をした。
「そうか。」
「他に聞きたい事は?」
「今回は十分や。」
「じゃあ聞かせろ!お前らは何だ?此処は何だ?
面について何を知ってる?全て答えろ!」
「よぉ喋るのなぁ。ちょい待ち。ボスの帰還や。」
屋敷の扉がキィと音を立てて開く。
「今、戻ったぞ。」
ボスと呼ばれるにしては随分と美形な人だった。
「待っとりましたよ。この子が電話の子。」
「どこまで話した?」
「まだ何も話してませんわ。」
「じゃあ私から話そう。」
徐に二階を見上げる。
「ロビー集合!!」
(こいつも声デカ過ぎだろ!)
「ハハ…ボスのそうゆうとこが似ちゃうんやろな…」
二人階段から降りてくる。最初の女と小さな男
「今日からこいつが住むことになった。」
「はーい。」「わかった。」
「じゃあ解散。」
「なっ!…」
「君は僕の部屋や。」
「全部教えろって言ってんだろ!」
ボスと呼ばれる奴に吐き捨てる。
「今見たやつを100%信じろと?」
ギロりと睨まれる。
「…」
何も言い返せずに部屋に連れ込まれる。
「一週間位で話せると思うで。」
「…」
何も言わずにベッドに寝転んだ。
「それ僕のなんやけど。まぁええか。」
男が部屋を出る。
「ホントに教えなくてよかったんですか?」
「流石に意地悪だったかな?」
「えぇ、大分。」
「明日話せばいいか。」
「明日何か起きてからだと遅くないですか?」
「明日の『朝』話そうかな!」
「そうしてやって下さいな。」
「ボスとして第一印象は大事じゃないか?」
「ボス呼び止めましょうか?日本ですし。」
「そうしてもらおうかな…」
「気に病まんといて下さいよ。」