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仮面を被れば誰でもヒーロー


ある日親が死んだ。事故だった。

俺が生まれる前に祖父が死んで、12で祖母が死んで

家族は母だけになってしまった。

「こっち片付け終わった。」

「そう。」

「外出るから何かあったら連絡してくれ。」

「うん。」

母は今、心此処に有らずのような状態だった。

外に出るついでにまとめたごみを持っていった。

(整理しとくか。)

母がまとめた物だったから整理することにした。

ほとんどがガラクタばかりだった。俺にとっては。

(面…?)

少し欠けた面を見つけた。祭の仮面でもなさそうな物だった。不気味なようで心引かれるような面。

少し合わせてみる。

プルルルル

電話がなる。

「もしもし。」

「警察です。この度はご冥福をお祈りします。」

「はぁ。それで判決は?」

「今回は終身刑ということに決まりました。」

「わかりました。ありがとうございました。」

(終身刑とか直ぐ出れるじゃねえか。くそ)

父は死んだ。殺した奴は死なないとか。

(少し顔を洗おう。)

洗面所に向かい鏡を見ると自分ではない何かが立っていた。

「うわっ。」

(そういえば面をしてたんだっけ。)

立っていたのは面をした自分だった。


…殺す…か

頭の中に過った。面をすれば自分を隠して殺せる。

(殺しても親父は戻って来ない。)

そう自制しようとした。

もう戻れない。

殺した。

四年間考え続けた。親父が死んで、奴があんなクズが生きていていい筈がない。 

気持ちは晴れた。

(逃げよう)

そうして振り返る。そこには得体の知れない怪物が立っていた。

自分のしている面によく似た模様をしていた。

「お前は何だ、」

「怪人。」

そう一言放つ。

ゴン!

鈍い音と共に激痛が走る

「ぁぁぁああ!!!」

「もっと叫べ!」

薄ら笑いそう言う。

赤い液体が目に入る。

(血…?)

頭を触る。手の平にべっとり地がついている。

(何でこんなことに…)

「た…助けて…!」

暗い街に閑に響く。

「人を殺しておいて自分が死にかければ助けを求めるのか?俺達並みのゴミだな。」

「何が目的なんだ、!」

「気持ちよくなることだ!」

「意味がわからない、」

「何だと!?…そうだお前も怪人になればいい。簡単だ面を被ってこう唱えろ。」

『変身』

何処からともなく声が聞こえる。

「正義の味方参上!」

「何だ?」

「安心したまえ私が君を助けよう!」

「ヒーロー気取りの阿呆か。フフフ、お前みたいな奴を殺すのも面白そうだ!」

「光速パンチ!!」

ヒーローが先制攻撃を仕掛ける。

不意打ちに近く、直撃した。だが

「この程度か。」

拳を掴み、握り潰し手を伸ばす。

「うわぁぁぁああ!!!た、助けてくれ!!!」

ヒーローの面を破壊する。

「怖いか?」

「助けてくれ、」

体を震わせ命乞いをする。

「お前は見逃してやろう。」

「あ、ありがとう、!」

走って逃げる。

「さて。」

破壊した面の破片を放り投げる。

「うっ…なん…で」

「あ?悪い悪い偶々当たっちまった。」

逃げたヒーローの頭を破片が貫通した。

(俺も死ぬのか、)

「お前はどう死にたい?」

「…」

「あ?何だって!?」

「死にたくないって言ったんだよ!」

「そうか。苦しんで死ね!」

(少しの可能性にだって賭けてやる)

「変身!!」

「何?」

大きな光が身を包みスーツに変化する。

「どういうことだ!?」

「死ぬのはお前のようだ。」

「ほざけ!!!」

「光速の拳」

怪人が殴るより遅く拳を出し、怪人より速く拳を当てた。

「ぐぅ、」

「面を壊せばお前もただの人間か?」

「くっそぉおおお!」

地面を叩きつけ煙を巻き上げる。

「逃がさねぇ」

煙幕の中面を掴み破壊する。

「あっ、あっ…ご、ごめんなさい!!」

(こいつを殺せばまた人殺し…)

「クズが、」

そう言い残し、元怪人を後にする。

数時間後

家に着き、面を外しテレビをつける。

「独占スクープです。ある男性が怪物を発見したそうです。」

「何!?」

(俺のことか!?)

「えっと私が目を覚ました時には既にこうなっていて…」

「先程怪物を見たとおっしゃっいましたが?」

「そんなとんでもない!そんなのがいたら私も大変なことになっていました。」

場が静まり返る。

(どういうことだ。確かにあの男だ。急に全てを忘れたのか?まさか、面を外せば面を着けている間の事は他の人間は忘れるのか。)


(面の秘密)

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