第15話 休憩スキル
「休憩スキルを試してみませんか？」
マリアも休憩スキルの効果に興味はある…
女神はチートと言っていたけれど本当なのか…
「あれ？休憩ってどうやって使うんだろう？」
ふと疑問に思う…
鑑定と同じように念じるのだろうか？
『（休憩！！！）』
何も起こらない…
………
「何も起こらないですね？」
マリアが言う…
不安になっていると…
俺の身体の周りが青く光だしてきた…
「ま、マリア様！」
「クリス、どう？体に変化はありますか？」
マリアも焦っている…
新しいスキルの効果を解明しようとしているのだ。
俺もマリアも平常心ではいられない。
さて、どんな変化があるのだろう…
名前:クリス・レガード Lv.5
MP:50
取得スキル:
休憩 Lv.1
スキル使用によりMP全回復。
使用回数 1日1回
取得魔法:火魔法Lv.1
「マリア様！MPが回復しています！
しかも10増えています…」
「クリス、凄いわ…
魔力全回復するには一日必要と言われています…
それをたった数秒で回復するなんて…」
通常回復の他にスキルでも回復できるわけか…
ちょっと待てよ…
鑑定結果を見落としそうになったけど…
「ちょっと待ってください…マリア様…
火魔法のスキルが出ているのですけど…」
「え？……基本魔法が火魔法には発展した事例は無いのですが…」
名前:クリス・レガード Lv.5
MP:50
取得スキル:
休憩 Lv.1
スキル使用によりMP全回復。
使用回数 1日1回
取得魔法:火魔法Lv.1
たしかにファイアボールの記載が火魔法に変わっている…
「マリア様、やはり火魔法に変わっています…」
「ク、クリス…貴方のスキル…凄いかもしれません…
あの…私の腕輪をお貸しするのでスキルを見てみませんか？」
どうやら鑑定レベルの高い腕輪は、
鑑定できる項目が増えるそうだ…
「ひ、姫さま…
それは国宝です…他人に貸すなど…」
護衛がマリアを止めようとする…
とんでもなく貴重なものなのかもしれない。
「いえ！スキルの解明で今後のクリスの人生が変わるのです。命の恩人に少し貸しても良いでしょう？」
マリアは意外にも頑固だ…
言い出したら聞かないことは護衛は分かっており渋々諦める…
「お、おい！お前、終わったらすぐに返すのだぞ！
この腕輪は途轍もなく貴重だからな」
護衛がクリスにそう伝えると、
マリアが腕輪を渡した。
かなりの魔力を秘めているように感じる…
鑑定！！
名前:クリス・レガード Lv.5
MP:50
取得スキル:
休憩 Lv.1
スキル使用によりMP全回復。
使用回数 1日1回
※使用したスキルを休憩使用後に取得可能。
使用スキルの魔力消費が条件。
取得魔法:火魔法Lv.1
「マリア様！今確認できましたので、
メモに書いてお見せします！
後、こちらもありがとうございます！」
「ええ。鑑定結果が出て良かったわね」
マリアも笑顔で腕輪を受け取る…
高価なものを借りているのは気が気でなかった。
隣の2人の護衛も凄い形相だったからだ…
こんな高価なものを壊したりなんかしたら父上に殺される…
「こ、これは凄い結果が出たわね…」
マリアは鑑定結果のメモ用紙を見て驚きを隠せない様子だ…
「正直、魔術師は才能を持っていなければなれない職業です」
「儀式で与えられるスキルということですよね？」
「そうなのですが…クリスは休憩により全回復すると使用したスキルを獲得出来るのです…」
「これは規格外のスキルだ…」
護衛の1人が黙ってられず口を挟んでくる…
それだけに凄いことのようだ…
「そう…クリス…
あなたはこのスキルを使えば圧倒的なレベルにまで力を高められる…」
「マリア様…たしかにこのスキル…規格外ですね……
でも…」
休憩スキルを使えば魔力消費を要するスキルであれば、
何でも覚えられる…
はっきり言って規格外にも程がある。
しかし俺はこの後、休憩スキルのとんでもない欠陥に気づいてしまうのだった…
