表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/129

第128話 繋がる想い

ユーリとの口付けにより従属化スキルがカンストして忠誠スキルを得た。

魔族の契約スキルの中でも最高レベルのスキルだと、

賢者は言っている。

そのスキルはユーリの隷属の首輪の効果を打ち消した。




「マリアだけじゃなくて、

 ユーリとも魔力の繋がりを感じるよ」



ユーリとも繋がったことで魔力から感情が読み取れてしまう。

何だかお互いに気恥ずかしくなってきた。



「く、クリス…」



ユーリもそれに気づいたらしい。

きっと俺のユーリへの想いが伝わってしまったのだろう。



「し、仕方ないじゃん…

 好きなんだから」



ユーリはその言葉を聞き、輝かしい笑顔を見せる。

ずっとその言葉を待っていたのかもしれない。



「ユーリこそ、嬉しいみたいだよ」



「ちょっと、クリス!」



俺も仕返しに揶揄ってやろうと思った。

両思いになっているが、こうしてお互いの気持ちを確かめ合いたい。



「良いじゃん、

 俺達は婚約しているんだし」



ユーリも魔力から嬉しくて仕方ないのが分かる。

今はお互いの魔力を通して気持ちが通じ合っている。

不安が無くなったユーリは、これからもっと積極的になるのかもしれない。




そして次元結界が消失してユーリの手を引いている。

意外にも賢者と女神の場所は多いのが分かった。




「ユーリ、いくよ!」




探知でマリアの位置を確認して、

その場所に向かおうと走り出した。



そして、一同は順調にまとまりつつあった。

しかし、賢者の魔力は底をつきかけていた。

女神を前に結界魔法も残り僅かの回数しか使えない。



いち早くそれを察知したのは、クレアだった。

距離が近く女神に狙われる賢者を見つけたのだ。




「し、師匠!」




その時、クレアの声に賢者の意識が逸れてしまう。

一瞬の隙を女神は見逃さずに光の一撃を放った。








「ここで死ね!」








女神から繰り出される光が賢者に迫る。

咄嗟に結界を張るが対応に遅れてしまい、

脇腹を掠めてしまう。



「し、師匠!」



クレアは、喉が切れる程の声で張り叫んだ。

既に二度目の魔眼の時間は終わっており、

今この瞬間で使うのは最後の魔眼だ。



「ここで使う!

 絶対に後悔はしない!」



時の魔眼で次の攻撃を読む。

そして今、ラグナに光の剣を放つのが最良の手だと判断した。



即座にラグナに最大威力の光の剣を放つ。

数を1本に絞る事で威力に全てを費やした。



光の剣は真っ先にラグナに向かうが、

衝突前に女神が間に入り水魔法の壁を展開した。



爆発音と衝撃が神殿を支配する。

水飛沫が飛んで辺りを認識し難いが、

目を凝らすと傷を負った女神が見えた。



「クレア、お前…」



賢者は自分の弟子であるクレアの成長に驚いていた。

まさか女神の防御を貫き傷を負わせるとは思いもしない。



クレアは、そのまま賢者を腕に抱えて駆け抜けた。

賢者の状態を見ても一刻も早く、

マリアの元まで届けなければならないと判断した。




「ふふふ、ははははは」




残酷にもラグナが女神と共に高速移動を始めて、

ついに二人に追いついてしまう。













「二人とも死ね!」










女神の裁きが繰り出されて二人に攻撃が迫る。

その光を受けてしまうと、ただでは済まない。

しかし、この瞬間のために力を蓄えてきた者が現れる。





その者は神速スキルで瞬く間に、

クレアと女神の間に割り込み、聖剣に光を集め放つ。




「な、何だと…」




ラグナは、目の前に現れた者に憤りを隠せない。

そしてクレアは、自分の窮地を救った者に心を揺さぶられてしまう。



「クリス、お前は…」



続けて女神がクリスに向けて光を放とうとするが、

目の前に氷の壁と回復魔法の防御壁が重なり合い守る。



背後から真剣な眼差しのマリアとユーリが現れた。

二人ともクリスを守るのに必死な形相だ。



「二人とも…」



俺は嬉しくて仕方がないが女神の裁きを弾いた、

二人の防御壁に驚愕していた。



そして、俺は覇王を全力で解放して、

聖剣に光を集めていく。



「マリア、ユーリ…

 俺に力を分けてくれ…」



二人の力が聖剣に集まり輝き溢れていく。

その力は俺の感情に応えてくれる。







「ラグナ…

 この一撃で、お前を倒す!」






クリスの右手にマリアとユーリの魔力が溢れ、

二人の想いがクリスの力を更に強くする。

そして、ここから女神との戦いは最終局面を迎えていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ