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第111話 魔界へ

賢者からの衝撃の提案があり、

クリスは人間界を離れて魔界へと旅立つ事になった。



「何かあったらすぐに戻れるんですか?」



「いや、確実に5日は帰れない」



その話を聞きクリスは顔が青くなっている。

それを見たマリアはクリスのために口を開いた。



「あ、あの…

 何か私に出来ることは?」



賢者はマリアの積極的な姿勢が嬉しかった。

マリアはクリスのために何でもやるつもりでいる。



「いい心がけだ…

 これからお前達はここで聖剣を呼び出し、

 ずっと維持してもらう」



「え?」



クリスは、聖剣の維持に必要な魔力が保つのかどうか不安になっていた。




「ふふふ、今は魔力の使い方が下手なのさ

 アリスの方が魔力制御上手いだろう」



クリスは魔力制御が苦手だった。

確かに覇王などを使っていた時も効率的に使えていた気はしない。



「特殊な回復結界を魔界へ送った

 その中で一定時間休めば回復する」



常時聖剣を出して戦い、魔力が切れないように結界で休むのだ。

身体に慣れさせて聖剣技のレベルを上げていく。



「お前達は距離が離れていても、

 繋がっているからな…

 お互いを想い合うことが大切だぞ」



聖剣を呼び出している時、相手の考えていることが

感覚的に分かるようになる。

聖剣に目覚めた時、クリスは魔力を通してマリアが

幸福感に満ち溢れていたのを感じ取っていた。



「遠距離メガネは相手の視覚を共有する。

 マリアにもかけてもらいたいから、

 もう一つ増やしていこう」



用意出来次第、視覚を共有していく事になる。

マリア自身の成長も必要になるため、

今回の修行は単なるクリスの強化だけでは無い。



「マリア、クリスが生きて帰れるかは、

 お前の頑張り次第でもあるからな…」



マリアは賢者の声に無言で頷いた。

そしてシャルロットも激励をしていく。



「が、頑張りなさい!

 帰ってきたらマリアの秘密教えてあげるわ」



「ちょっと、お姉ちゃん!」



いきなりの事でマリアは驚いてしまう。

それだけ恥ずかしいことでクリスには知られたくないようだ。



「帰ってきたらお願いします…

 マリアの秘密楽しみなんで」



マリアに笑顔を向けると恥ずかしかったのか、

手で真っ赤な顔を隠してしまった。



そして魔界へ旅立つ前に、

マリアへ挨拶をしようと身体を向ける。

すると賢者もシャルロットも立ち上がり、

少しだけ二人の時間を作ってくれた。



「クリス…

 必ず生きて帰ってきて…」



「マリア…」



俺は気づいたらマリアを抱きしめていた…

そしてしばらくお互いが見つめ合う。



その時、一瞬の事だった…

急に笑顔のマリアから口付けをされたのだ。



「え?」



俺はいきなりのことで頭が真っ白になった。

そしてマリアは俺の耳元に口を近づける。



「帰ってきたら…」



とても小さい声で俺だけに聞こえる声で、

マリアは囁いた…

頭がマリアのことで離れられなくなってしまう。



「絶対、帰らないと…」



クリスはマリアに会うために必ず魔界から生きて帰ると誓った。



「クリス…」



そして俺たちは短い時間の間、

唇を通して愛を確かめ合った…





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





賢者が魔界へ回復の結界を送り、後はクリスが聖剣を呼び出すだけとなった。



「準備は良いね?」



クリスは無言で頷く。

そしてクリスは姿を変えて覇王を発動する。

更に聖剣をマリアと一緒に持ち、

その力を解放させた。



「よし、よく出来たよ!」



無事に聖剣の発動を終えると身体から魔力が無くなっていくのが分かる。

限られた時間しかないと賢者に目で合図する。



「分かってる、悪魔の鏡を持て

 そうしたら魔力を流す」



クリスが鏡を持つと賢者は魔法の筒を口に含み、

魔力を鏡へと流し込んだ。



すると目の前に黒い渦が広がり、

クリスを包み込んでいく…



そしてクリスは魔界へと旅立っていったのだ。




聖剣を呼び出しマリアと繋がるクリス。

死の山で強敵と戦いながらレベル上げに取り組む。

数々の強敵を前に二人は想いを重ね合わせて、

その試練を乗り越えていく…

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