再び戦場へ
完全にほったらかしにしてました。すみません!!
「・・・・そろそろ戻ってくる頃ね」
とある高校の校長をしている少女、音無八雲がぼそりと呟いた。その瞬間、目の前の空間がゆがみ、歪みの中心から一人の少年が現れた。
食事中だったのだろうかこんがりと焼けた動物の肉を口に加えていた。
「彰人くんおかえり~。ちょっと見ないうちに見ないうちに立派になって、肉なんか食べちゃってワイルド~血なまぐさい!」
それはほめているのか?
「・・・そんなことより谷口の奴知らないか?」
「俺ならここに――」
「くたばれ―――――――――――!!!!」
俺は目の前に出てきた教師、谷口に向かって全力で拳を振るった。しかし谷口は体を後ろにずらし、俺の攻撃をいとも簡単にかわした。
「いきなり何する。危ないだろ」
「黙れこのエセ教師!!てめぇの所為でどんだけ大変だったことか、ぶんなぐんねぇと気がすまん!!」
「あ~き~と~くん。先生を殴ったらダメだよ。さすがにそんなことしたら、停学処分渡さなきゃいけなくなるから」
「っち!!」
さすがに停学は嫌だったので俺は渋々拳を収めた。
「それで、彰人くん。修行の成果はどうだったのかな?」
「あったに決まってんだろ。まあみてな。次は絶対に負けん!・・・ところで、一つ訊きたいんだが」
「な~に?」
「今日は何月の何日だ?」
俺が修行中ずっと気になって仕方なかったこと。最悪の場合、俺は1ヶ月間学校を無断欠席していたことになる。
しかし、俺の質問を聞いて、八雲はクスクス笑っていた。
「ふふ。もしかして気になってたことってそれ?ご心配なく。今は彰人くんがいなくなってから30分後だよ」
「え?嘘ッ!?」
「嘘つかない。あの空間はちょっと特別に創ってあって、現実の1分が向こうの1日。だから30日で30分」
そうだったのか・・・すげぇな本当。
「と、そんな出席日数が気になり修行成果に自信満々の彰人くん」
妖艶な笑みを浮かべ、八雲は俺に問いかける。
「早速成果、試さない?」
☆
その日の深夜。俺は一人校庭のど真ん中にいた・・・・・
『いい?今回は彰人くんだけが向こうに行くんだからね?助けは誰もいないから、そのつもりで』
『オーケー。元々期待してないよ』
『うん。いい心がけね。じゃ、幸運を祈るから』・・・・・
・・・そして校舎に取り付けられた時計の針が2本とも午前0時を指し、世界が姿を変えた。
黒と白の世界へと、戦場へと。今回俺がいたのは石造りの屋内ではなく、黒い薔薇の咲いた庭園の様な場所だった。
「・・・ここってこんな場所まであったんだな。まっッ気にすることでもないか」
俺は庭園を真っ直ぐ走り出した。さて、あのヤロウはドコにいるか。