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私、不安です、いろいろと……

 

(日向くんの手料理……!? これの3倍のお礼とか……返せるのか私に……?)


 風邪で寝込んでいる私のために日向くんが料理を作ってくれる。

 私の人生においてそんな経験は一度もなかった。なので手放しに喜びたい、ただそう簡単には行かなかった。


(あれ私……結構図々しいことしたな……)


 日向くんからの提案とはいえ料理をお願いした。けれど段々と我にかえると自分の頼んだことが迷惑だったかと不安になってきた。


(そもそも電話のときにご飯のことを伝えていれば……日向くんにさらに迷惑をかけなくて済んだのに……)


 日向くんには雨の中わざわざ私の家まで来てもらっている。それなのにさらに料理も作ってもらうとなると申し訳ない気持ちがかなり出てきた。


(いややっぱり迷惑だったかな……)


 元気になったときにお礼はする。それで良いはず。それなのにどこか胸に不安が募る。


(日向くんにこんなにも優しくしてもらえるほど、私は日向くんに何かできているのか……)


 私なんかのためにここまでしてもらっている。

 思い出すのは日向くんにかけた迷惑ばかり。そして今もまた迷惑を増やす。 

 優しくしてもらっているのにネガティブな気持ちになってしまった。


「木陰はそんなに俺が料理するのが心配なのか?」


「…………えっ、いや、ち、、違います!」


 顔に暗い気持ちが出てたのだろう。ただそれを日向くんが違う意味と捉えてしまった。誤解を解かなければ。


「……いや、その、冷静に考えるとやっぱり料理してもらうのは迷惑だったかなと……」


「それじゃあ俺いつも木陰に迷惑かけてることになるでしょ」


「…………うぅ」


「ご飯できるまでおとなしく寝とけよ」


 簡単に言いくるめられてしまう。それで良いのだろうか。


(いや、良いよね……日向くんなら……)


 私は「はい」と返事をする。

 そんな私を確認してキッチンの方へ向かった。日向くんが子どもをあやすお母みたいだった。

 ただ少しするとまた違う心配が出てくる。


「……鍋の位置とか分かるよね……? ……ずっと私の料理してるとこ見てたもんね……?」


 日向くんが居なくなった瞬間ひとりごとを口に出す。

 私が料理をするときずっと見てた日向くんならお鍋や調味料の場所も分かるはず。

 見られるのは恥ずかしかったがこんなところで役に経つとは。


「…………たぶん大丈夫でしょ」


 ひとまずそう締めくくったがどこかまだ心配になってしまう。


「……焦がすとかなら別にいいけど……怪我だけは……」


 日向くんが無事ならそれ以外は別に。


「…………いやでも前みたいにひっくり返ったら…………お粥でしょ……」


 悪いイメージが膨れ上がりさらに心配が強くなる。


「……ダメだ」


 どうしても日向くんの様子が気になってしまい、重い身体を起こしてキッチンへ向かう。

 元気になったと思ったがまだ壁に頼って歩く。


「おとなしく寝てないとって話はどこにいった?」


「……ヒッ!」


 リビングの扉を開いて日向くんを確認にしようとした瞬間に言い寄られた。


「……お粥……火傷……心配」


 驚いてカタコトになってしまう。


「やっぱりか」


「……はい」


 意外と日向くんも自覚していたらしくカタコトでも伝わってくれた。いやむしろ私と日向くんの意思疎通が凄まじいということにしたい。


「でも病人でしょ。そんなに辛そうな状態で見に来て、歩くとき壁に擦る音で分かるぐらいだよ」


「…………そうでしたか」


 どおりで待ち伏せしたかのように扉を開けた瞬間に話しかけれた訳だ。


「木陰、心配してくれたんだと思うけど寝に行こう」


「……でも……前に配膳すら怪しい日向くんが心配で……何かあったときのために見守りたいんです」


「それ言われるとこっちも同じだし……」


「……だから……ちょっと見てても……」


 私の無理なお願いに日向くんが考え込む。


「はあ、そこのソファーでおとなしく寝てるなら」


「……あ、ありがとうございます、こんなわがまま聞いてもらっちゃって」


 なんとか二人の落としどころを見つけた。というより私のわがままを日向くんに聞いてもらった。またお礼が膨れ上がるだろう。

 日向くんとの落としどころであるソファーに向かう。辛かったがなんとかたどり着けた。


 すると日向くんが一度リビングから出た。


「……あれ?」


 私の掛け布団を取って来てくれた。


「……ありがとうございます、私のために」


「じゃ今度はおとなしく寝ててね」


「……はい」


「木陰、約束しとこうか」


 日向くんと約束するのならば絶対に守らないと。


「木陰はゆっくり休むこと」


「……はい、絶対に守ります」


「それ聞けたから良かった。よし、料理に戻る」


「…… はい、あの、でも料理で分からないことがあったら私に……見守っているので」


「分かった、何かあったら木陰に聞くよ」


「……任せてください」


 少し見づらいけど日向くんが料理する姿を見守りながら横になる。


(いつもとは反対……こんな風に私のこと見てたんだ……)


 ここからでも姿が結構見える。

 日向くんがよく居るキッチン前のカウンターならさらに私のことが見えるだろう。


(……意外と悪い気はしない)


 日向くんはどうか分からないがそんな気持ちで料理が出来上がるのを待った。

看病され慣れていない木陰はいろいろと心配だったみたいです。


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(っ'ヮ'c)ウォッヒョョョオアアァァァ!←こんな感じに



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