翌朝
翌朝、俺はアラームの音で目覚めた。
「ふあ~、眠い」
あまり寝付けなかった。
理由はまあ、昨日の出来事のせいだ。
五分ぐらい二度寝するか? 悪魔のささやきが心から聞こえてきた。
「また秋を待たせると悪いよなあ」
昨日、親友の秋人を待たせてしまった。
眠い目を擦りながら仕度を始める。
スマホが目に写った。
「あ~、暗野さんから返信来てるかな」
昨日の夜中にメールを返したまま眠りに就いた。
そのことが気になりスマホを手に取る。
「うわ、凄い長文。それもメールは四件も来てるし、悪いことしたなあ……」
届いているメール四件とも全て長文だ。
睡魔に負けて中途半端なところでメールを終えたからだろう。
(でもあの人、やっぱりメールに慣れてないよな……)
こんなに長文のメールが届くのは人生初だ。
どう返信するか考えるが、登校の時間が迫って来ていた。
(後で返信するか? でも既読したしなあ……)
暗野さんを傷つけずに返信することに頭を悩ます。
(とりあえず軽く返信しとくか)
「おはよう! 寝てて返信できなかった。また後で読んでから返信するね」
こんなものだろう。
時間も無いので返信ボタンを押した。
(やべ、ご飯食べないと)
急いで部屋を出る。
その瀬戸際にピコーンとスマホが鳴った。
暗野木陰さんから新着メッセージがあります
(返信はやっ)
リビングに向かいながら内容を確認する。
「おはよう! 昨日はメールいっぱい送ってごめんなさい。読んでくれるの嬉しい…………また学校で!」
と送られて来ていた。
(朝から女の子にこんなメールを貰えるなんて……)
何故か嬉しいという感情が込み上げて来た。
思わず口元が緩んでしまう。
昨日みたいに返さないのは悪いと思い
「うん! また後で」と返信しておいた。
(あ、てかご飯食わなきゃ)
メールに気を取られ忘れていたことを思い出し、急いでリビングへと向かった。
◇◆◇◆◇◆
「日向遅い!」
開口一番母さんが俺に言ってきた。
「へーい、母さんおはよう」
用意された朝食の前に座る。
今日の献立は
白身魚の切り身
卵焼き
味噌汁
白米、だ
(思えば、ご飯を食べるのは昨日の暗野さんのとき以来か)
昨日は中途半端な時間にご飯を食べたので、夜飯を抜いた。
そのせいで今日はお腹がいつもより空いていた。
「いただきます」
一番目に入っていた味噌汁から食べる。
(ん……)
母さんには悪いと思ったがどうしても昨日食べた暗野さんの料理と比べてしまう。
(暗野さんの料理美味しかったなあ)
絶対に母の前では口に出さないがそんなことを思ってしまう。
(また食べられないかな)
そんなことを考えてしまう。
暗野さんのことをを思い出した拍子かさっきのメールも思い出す。
思わず口元がニヤける。
それを俺の母は見逃さなかったらしい。
「アンタ顔キモいよ」
図星を言われうろたえながら顔を戻す。
「人の顔をキモいなんて言うなよ! それにキモいなんて言葉は人に使ったらダメだろ」
誰かを傷つける言葉は、あまり言うのも言われるのも好きじゃなかった。
「はいはい、ごめんごめん」
適当な返事を返された。
「アンタ早く食べないとまた遅れるわよ」
その言葉を聞いて時間を確認する。
「うわ、ホントだ」
俺は急いでご飯を掻き込み急いで学校へ向かった。
「アンタ体操服忘れてるよ!」
家から少し走り出していたが、母の呼び掛けで忘れて物に気がついた。
「投げて!」
体操服袋を投げ渡して貰い今度こそ秋人との待ち合わせ場所へ向かう。
「日向! まだ言うこと忘れてるでしょ!」
「ありがと! いってきます!」
◇◆◇◆◇◆
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