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カフェでの雑談

 

 三人で移動してカフェで席に着く。

 俺が奥の席でその隣に木陰。そして前に美冬が居る。


 しばらくすると店員さんがメニューを聞きに来てくれた。

 落ち着いて話すのを後回しにして三人でメニューを決めることにする。


「ご注文はお決まりでしょうか?」


「暗野さん、何か決めた?」


 真っ先に美冬が木陰に聞いた。聞かれた木陰はメニューを見てかなり悩んでいる様子だ。

 俺は木陰のメニュー表を隣で覗き見て考えていたが、美冬はもう一つのメニュー表を見て考えていた。


「じゃあ、僕はメロンソーダでお願いします」


 あまり長く悩むのも迷惑だと思い目についた物に決めた。

 すると木陰も「…………私も同じのをお願いします」と続けて決めた。


「私はこのイチゴのヤツでお願いします」


 美冬はイチゴのそれもオシャレな飲み物に決めていた。

 しばらくして三人の頼んだものが運ばれてきて、ようやく落ち着いて話し合いをする準備が整った。


「………………あ、あの、わ、私の話って何だったんですか……?」


 木陰がすぐに前の席に居る美冬に聞いた。それだけ彼女にとって気になっていたことなのだろう。


「うーん、暗野さんとどうやったら話せるかの対策会議みたいな? でも今こうして話してるし成功したのかな」


「…………そうですか………………本当にですか?」


「本当、本当」


 そんな美冬の返事を聞いて木陰はなんとも言えない顔をしていた。喜んで良いのか分からないみたいな様子だ。


「それで、暗野さんは聞きたいことちゃんと聞けた?」


「…………はい、二人が本当のことを言っていたら聞けたと思います」


 木陰は落ち着くためか緊張のためかメロンソーダをずっと手に持って飲んでいた。


「その、暗野さんは日向に胸揉まれたけど本当に怒ってないの?」


 木陰が飲んでいたメロンソーダで思わずむせる。俺も美冬の発言で息が詰まった。


「日向が言うには解決したって言うんだけど、本当にそうなのかなって? もし嫌な思いをしてたなら私がガツンと言ってあげるよ?」


「………………あ、ありがとうございます。…………で、でも本当に解決してますよ、わ、私も悪かったので…………」


 木陰は動揺しながらもなんとか答えていた。


「そう、なら良いんだけど、後から嫌になったらいつでも言ってね!」


「………………はい」


 木陰が小さく返事をすると少しの沈黙が起きた。


「………………そ、その、前田さんは……何で私のことこんなに気にかけてくれるんですか…………? …………前も私は前田さんから逃げたのに……」


「うーん」


 木陰の質問に美冬が真剣に考える。しばらく考えているのでまた沈黙が起きた。


「暗野さんと話してみたいからかな。なんとなく仲良くなりたいから。そんな理由じゃダメ?」


 美冬が本心で答えている、そんな表情をしていた。


「…………ダ、ダメじゃ無いんですけど………………」


 木陰が話の途中で黙ってしまう。


「…………わ、私は仲良くできなくて、その、迷惑なだけかなって…………」


「日向とは仲良くできてるのに?」


 ズバズバと美冬が聞くと木陰がしばらく黙り込んでしまった。


「…………そ、その、日向くんは怖くないので」


「えー、何で私が怖いのよ! 優しいと思うんだけどな、女の子同士仲良くしようよ」


「優しいヤツは自分で優しいって言わない」


 木陰と美冬の会話が気まずくなってきていたので割り込んでしまった。

 木陰が黙ってしまってまた沈黙が生まれた。

 しばらくして木陰が何か決めた顔で口を開き始めた。


「…………わ、私は女の子がその、こ、怖いから前田さんとは仲良くしたくても、その、仲良くできないと思います、ごめんなさい」


 ゆっくりとそれでいて怯えながら木陰はカミングアウトした。


「何かあったの?」


 前田さんはそれでも木陰に聞いた。


「…………さ、坂本さんとか、わ、私にヒドいことをしてきたのが女の子だったので女の子が怖いです。…………だ、だから異性の日向くんとは仲良くできてます」


 木陰が美冬を拒んだ理由をハッキリと伝えてくれた。


「そっか……」


 美冬が悲しそうに呟く。さっきの明るく元気な彼女は木陰のカミングアウトを聞いて消えてしまったらしい。


「どうしても無理かな? 私は暗野さんの話を聞いてもっと仲良くしたくなったよ」


「…………どうしてですか…………?」


 木陰が不思議そうな顔で聞いた。



「だって、女の子と話すのも楽しいって知ってもらいたくなったから」



 そんな美冬の理由に木陰がずっと悩んで、葛藤して長い時間を経て口を開いた。


「…………そ、その、私のこと絶対に裏切らないって約束できますか? 嘘を付かないって、傷つけないって」


「うーん、暗野さんに何をしたら裏切りになるのかまだ分からないし、何で傷つくかまだ私には分からない」


 正直に言えばそうなるだろう。何せ美冬は木陰のことをほとんど知らない。そんな中でこんな約束はできないだろう。

 木陰は悲しそうな顔を見せてうつ向いてしまった。



「でも、嘘は付かないって約束できるよ! それじゃあダメかな?」



「…………本当に嘘付きませんか?」


「もちろん、信じてよ」


「…………そ、そのよろしくお願いします」


 そう言って木陰が指切りの手で美冬の前に手を出した。それを見た美冬も木陰と指切りの手を出す。


「…………や、約束ですよ」


 指切りが終わり木陰が美冬に言った。


「大丈夫、大丈夫。信用してよ。それに何かあったら日向にチクって良いからね」


 美冬が嬉しそうに木陰に言う。


「…………わ、分かりました」


 ひとまずの問題が片付くと木陰のお腹から可愛い音がなった。真っ赤になりながら木陰がお腹を押さえて言う。


「…………お、お昼ちゃんと食べられてなかったので………………それに安心して…………」


 恥ずかしそうに言う木陰は可愛かった。


「何か食べる?」


 俺が木陰に尋ねると「…………そ、そうですね」とメニューを見始める。


「じゃあ、私も何か頼も。暗野さん一緒に決めよ」


「…………わ、分かりました、何にしますか……?」


「うーん、コレとか?」


「…………お、美味しそうですね、コ、コレは何かはどうでしょう?」


「あー、コレも美味しそうね。どれか迷うね」


「………ほ、本当に迷いますね」


 と美冬と木陰が一つのメニュー表を二人で見て指を差しながら決め始める。

 端から見ればそんな二人は仲の良い女の子同士に見えた。



 ◇◆◇◆◇◆



予約投稿失敗しました。


少しずつですが木陰の周りに人が集まってきました。


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― 新着の感想 ―
[一言] 更新有難うございます。 初めての女友達、一生付き合えると良いです。 日向君との関係を隠さないで言えるのも良いと思います。 恋心がさらに深まり、色づく木陰さん楽しみです。
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