お風呂と変な癖
「……お風呂入ろっと」
お皿を洗い終えてお風呂場へ向かう。
「……今日は時間あるしゆっくり入ろ」
服を脱衣場で脱いでお風呂場に入った。
しばらく身体を洗ったあとに湯船に浸かった。
「……あぁ、気持ちいい」
湯船に浸かってまだ肌寒い季節で冷えた身体を温める。冷えた身体にお風呂の温度は最高だった。
「……お父さんと合うの久しぶりだったな……」
お風呂場でさっきの出来事を思い出す。久しぶりに話したお父さんのことだ。
「……写真喜んでくれてたよね……?」
日向くんと一緒に遊んだときの写真をお父さんに見せた。するとお父さんは嬉しそうな表情を見せてくれたので安心だ。
「……日向くんのことバレてないかな……?」
一緒に遊んだときの写真を見せた。そこには日向くんの顔は写っていないし、お父さんも私がまさか男の子と遊んでいたなんて想像しないだろう。
あるとしたらもう一つの方だ。
「……家に日向くんの痕跡なんて無いよね……」
一度、先生に日向くんが家に来ていたことがバレた。そのせいか心配が心に多く募っていた。
「……バレたらなんて言おう」
私が男の子を家に読んでるとなるとお父さんはどんな反応をするのだろうか。
それにそもそも男の子を家に呼ぶことを許してもらえるのだろうか。
「…………もしかしたら怒られるかも」
私はあまりお父さんに怒られた記憶が無い。初めてのことかもしれず想像ができず震え上がる。
「……バ、バレなきゃ良いんだよ」
そう、気づかれなければ良い。そうすれば万事解決だ。
言ってしまえば私の小さな反抗期のようなものだ。
「……なんだか楽しい」
お父さんに歯向かうなんてしないから初めての体験に楽しく思い始めた。
フフフッと笑えてしまう。
「……これが背徳感ってやつなのかな」
するとふと違う考えが私に降りて来た。
「……いっそお父さんに日向くんを友達だ、って紹介する?」
逆転の発想だ。日向をお父さんに紹介してしまえば後ろめたい感情は消えて、さらに家に呼びたい放題だ。
そんな発想を思い付く私を天才だと自画自賛する。
「……って、男の子を友達だって紹介するとかどうなの、家に呼ぶし……」
友達です! なんて理由で良いのだろうか。
「……どこまで大丈夫なんだろ」
結局、友達の線引きが分からず終わってしまう。お父さんも一人娘が男の子を家に呼ぶなんて知ったら心配になるだろう。
「……もう、分かんないや!」
話が一周して、内緒にすると結論が出た。結論が出たが、ある意味で選択から逃げただけだ。
「……お風呂あがろ!」
やけくそになってお風呂を上がる。
考えすぎて疲れた。そんな私を癒すなら答えは一つ。
「……ぬいぐるみに抱きつこう」
ひとまずぬいぐるみを抱いて落ち着こう。そう決めてお風呂を出た。
脱衣場で濡れた身体を拭く。
「……良いお湯だった」
考えすぎていたが投げ出したがお風呂はとても気持ち良かった。
そして脱衣場を出る。
「……あ、お父さん居るんだった」
慌てて脱衣場の扉を閉める。お父さんは自分の部屋で寝ているので私を見ていない。
「……あ、危なかった、いつもの癖で裸だ」
冬以外は裸のまま自分の部屋へ向かって行き、そして部屋で着替える。そんなものが癖になっていた。
ずっと一人だったので誰にも見られる心配が無いうえに、服を運ぶ手間を省けることからできた癖だ。
しかし、服を持ってきていなかったので身体にバスタオルを巻いて自分の部屋に行った。
「……次から気を付けよう」
自室で服を着替えながら呟く。
「……よし、じゃあ私も寝ますか!」
部屋の電気を消して布団に潜り込む。
そしてぬいぐるみを抱いて準備万端だ。
「……幸せだ」
もう、ここ最近幸せ過ぎる。
「……こんなに幸せでバチ当たらないかな…………」
過去の自分にはあり得ないことの連続で自分の幸運が心配になってくる。
日向くんと出会い、楽しく過ごしていたら久しぶりにお父さんが帰って来た。
お父さんとの会話も少なくはあったが、父の温もりを久しぶりに感じられた。
「……いや、昔が不幸過ぎるだけだったんだ」
偶然から始まったが今の私は絶対に幸せ者だ。そう断言できる自信がある。
ならこの幸せを逃がしたくない。
「……明日こそ頑張って日向くんと話そう……!」
そしていつか告白を──
そんな決意を胸に私は幸せな眠りに就いた。
◇◆◇◆◇◆
お父さんに日向を紹介するかで悶える木陰
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