慣れないゲームの攻略法
キャラメイクを終えてゲームを始める。
俺が操作していて、木陰が座椅子に座りながらお菓子を頬張っていた。
「こういうゲーム初めてだ」
「……そうなんですね」
どうやらこのゲームはある程度することは決まっているものの、どこへ向かう何をするなどは自分で好きなように選べるようになっているようだ。
試しに最初のところをふらふらと移動する。
「映像凄い綺麗だね」
「……最近のゲームは映像の進歩が凄いんですよ!」
俺がゲームに食いついたのが嬉しかったのか、しばらくの間木陰はゲームの話しをしていた。
そんな話しを聞きながらゲームを触る。
「なんか歩いてるだけでも楽しいな」
映像が綺麗なので戦闘やゲームのシステムを理解しなくても、歩いてるだけでその世界を旅行しているような気分になれた。
「……そうでしょう? ……そうでしょう?」
木陰と二人でゲームできていないが彼女も上機嫌で居てくれるので安心してゲームをできる。
しばらく歩いていると初めての戦闘が始まった。
最初は勝ちやすい作りになっていて苦労せずに勝てた。
「……どうです?」
ウキウキとした表情で木陰が聞いてくる。
このゲームの戦闘システムはターン制ではなく、アクションで自分の腕が試されるものらしい。
「こんな戦闘ゲームしたことが無いから先に進めるか心配かな」
「……日向くんなら行けますよ!」
ゲームの進め方は自由だがあまり経験が無いので、突飛なことはせずにゲームに言われるまま進めていく。
戦闘もなんとか弱い敵だけなら進めれていた。
「木陰は見てるだけで楽しいの?」
「……はい、楽しいですよ」
「本当に?」
「……はい、日向くんがゲームしてる姿見るの楽しいですよ、レースのときから思ってましたけど、ゲームと一緒に身体が動きますよね?」
自分で認識して無かったことを指摘され動揺する。
「え、う、嘘でしょ?」
「……嘘は付かない約束ですよ。……レースでは曲がるときに身体傾きますし、今も攻撃を受けるたびに動くの可愛いです」
褒めているのか、バカにされているのか分からなかったが、木陰に可愛いと言われて恥ずかしくなった。
「ゲームの内容とか分かってるなら画面とかつまらないかもしれない、上手く進まなくてイライラしない?」
恥ずかしい話題を消して、もう一つの気になっていた話題を聞く。
会話と同時にゲームも進めながらだ。
「……確かに私はこのゲーム凄くやり込んでますね。……ストーリーもどこに何があるのかとかも全て分かってますし……」
「え、凄い」
褒められた木陰は嬉しそうなのを隠しながら話しを続けた。
「……ありがとうございます、昔から一つのことにハマるとずっと続けてしまうんですよね……。……このゲームもやり込み要素も最後まで全部やしましたし……」
「熱中できるの羨ましいかな、俺趣味とか無いし」
「……羨ましいんですか? ……その、そう言ってもらえるの嬉しいです」
二人で会話をしながら俺はゲームをする。木陰の方はお菓子を食べたり紅茶を飲んだり寛いでいる。
「ゲームしなくて良いの?」
「……はい、私はゆっくり日向くんを見てますから。……それに進まなくても平気ですから。……だって詰まるのもゲームの醍醐味です」
どうやら木陰は俺が上手く進めてなくても良いらしい。なら問題はもう一つの方だ。
「見られてるは恥ずかしいな」
木陰の視線を感じながらのゲームは集中できそうに無いと思う。
「……友達がとなりでゲームしてる姿なんて見たこと無かったですし、友達と家で遊んでいる感じが嬉しいので堪能させてください!」
「なら仕方ないかな」
木陰の交流関係のことを考えると、断る選択肢は無いしそれで彼女が楽しんでくれるのなら、見られて多少集中できなくても良いと思えた。
彼女の方も楽しそうにゲームを見ているのでもう気にしなくて良いだろう。
すると木陰が俺と二人で分け合っていた座椅子から離れた。
「どうかした?」
「……はい、日向くんがゲームで身体がよく動くので念のためです。……また胸とか触られるかもしれないですし」
「いや、さすがにそこまでは……いやどうなるか分からん」
自分の身体が集中していると、どうなっているのか分からないので強く否定できなかった。
「……それにここからの方が日向くんも見やすいので気になさらないでください」
そう言って木陰が少し離れて座る。座り方は正座だろう。
「座椅子いる?」
「……いえ、そこまでしてもらわなくて良いですよ」
それでも、と聞いてみたが木陰が否定したので俺は座椅子に座り直す。
「……さあさあ、進めてください! ……ちなみに私は助言とかしませんよ?」
「え、本当に!?」
今はまだ頼って無かったが、後々頼ろうと思っていただけに驚く。
「……はい、ゲームはやっぱり自分で進めて行くのが楽しいですから!」
木陰の言い分も良く理解できた。
「でも友達とゲームするなら、攻略のやり方聞くのは友達とゲームする特権だよ?」
「……確かにそうかもしれませんね…………」
それを聞いた木陰はしばらく考え込んでいた。
「……分かりました。……友達とゲームしてますもんね。……全部は言いませんけど、少しずつですが助言していきますね」
「ありがとう! さっそくで悪いんだけどさ、ここどうやって進めるの?」
「……えーー、少しは考えてくださいよ! それなら何回か聞く事に罰ゲーム追加のペナルティ用意しますよ?」
と木陰が楽しそうに答える。
「それは勘弁してほしい」
「……なら、頑張って攻略しましょう?」
「できるだけ頑張るよ」
木陰はゲームをしていなくても楽しそうに会話をしつつ二人で仲良く攻略を進めていった。
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ゲームになると饒舌な木陰ェ……
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