ティータイムと次のゲーム
木陰の提案で少しゲームを止めて休むことにする。
そして彼女がお茶を淹れにリビングへ向かった。
俺は木陰の部屋で座りながら彼女を待つ、木陰からゆっくりと休んでいてくださいと言われたからだ。
しかし、すぐに木陰が部屋に戻ってきた。
「……あの、やっぱり一緒に行きましょう」
「えっ、俺も?」
何故呼ばれたのか分からずに聞き返した。
すると木陰はとても言いずらそうにモジモジとして、しばらくの間黙り込んでいる。
「どうかしたの?」
「……いや、その、あの、疑ってる訳じゃないんですけど、私の部屋なので、その、し、下着とか見られたくないものがあるので日向くんもリビングに来てください」
恥ずかしそうに顔を赤らめて言っている、そんな木陰が可愛かった。
「うん、今行くよ」
「……ありがとうございます」
座椅子から立ち上がり抱いていたぬいぐるみを置いて木陰の元へ向かった。
リビングへ二人で向かうと木陰がキッチンの方へ行ったので、俺は再びリビングから木陰を眺める。
そんな木陰は紅茶を淹れてくれていた。
「……その、すぐ淹れれますけど、その日向くんが無駄足になってしまってすみません」
「別に気にしなくて良いよ」
木陰の部屋からここまで来るのに大した苦労は無い。その小さな苦労で彼女の安心が得られるのなら安いものだろう。
キッチンから紅茶の良い匂いがしてきた。
「……その、私の部屋でお茶にしても良いですか?」
「良いよ」
俺の返事を聞いて木陰がお茶を運んでくれた。相変わらず俺には危険だからと持たせてもらえなかった。
そして木陰の淹れてくれてたお茶と俺の持ってきたお菓子で、簡易的なお茶会のようなものができた。
お互いに木陰の部屋で座る。彼女は正座だった。
「……その、私の部屋で誰かと一緒にお菓子を食べるなんて、本当に友達を家に呼べたんだと思えて嬉しいです」
「確かに友達の家で遊ぶときは一緒にお菓子食べたりするのも醍醐味だよね」
「……はい」
木陰の淹れてくれてお茶を口にする。
「美味しいよ」
「……ありがとうございます」
彼女は嬉しそうにお菓子を頬張っている。顔はうつ向いていたが、口元が緩んでいるのが分かった。
「……次はどんなゲームをしましょう?」
「うーん、どうしようかな。対戦ゲームだと木陰に負けるし、対戦ゲーム以外だとお互いのどっちかが楽しめないし……」
次のゲームのことで頭を悩ます。
「……私は日向くんと対戦するの楽しくて好きですよ、罰ゲームの回数も増やせますし」
「勘弁してほしい」
そんな弱気な俺の返事に木陰が笑う。
「それにしてもさっきのゲームのときは手加減せずにボコボコにしてくれたよね?」
「……手加減はしましたよ。……まあ、ボコボコにもしましたが」
と子供がイタズラするかのように笑みを浮かべて返す木陰、そんな表情を見ればボコボコにされたのは悔しいが悪くはないと思える。
「……もしかしてボコボコにされて拗ねました?」
「今の一言で拗ねたよ」
それを聞いた木陰がかなり焦り始める。そしてすぐさま謝罪した。
「……ごめんなさい」
それもかなり落ち込んだ様子だ
「冗談だからそんなにシュンとしないで」
「……冗談だったんですね」
冗談と分かると木陰はさっきみたいにイタズラな顔に逆戻りだ。
しかしお互いに会話は進むものの次のゲームは決まらないでいた。
そんな中、木陰が突然閃いたようで声を出す。
「……日向くん!」
「何か良いの思い付いたの?」
「……はい、これです!」
そう言って木陰がゲームのパッケージを見せてくれる。
しかし、ゲームに詳しくない俺には木陰の持っている物がどんなゲームか分からなかった。
「どんなゲームなの?」
すると木陰が楽しそうに説明を始める。
「……これはですね、一人用のゲームなんですけど攻略には多種多様の方法があってですね、プレイヤーが変わればそれだけ新しい発見があるゲームなんですよ。……だから私も楽しめますし……日向くんも絶対に面白いってなると思いますよ!」
少し長い説明を終えて木陰は満足そうにドヤ顔を見せてくれた。
「一人用って俺がして良いの?」
「……はい! ……私このゲーム好きですし、となりで日向くんが楽しそうにしてるのを共有させてください」
「そこまで言われたら、するしか選択肢はないね」
「……ありがとうございます」
そして木陰がそのゲームの準備を終える。
「……その、となりでゲームするの見てて良いですか?」
「別に良いけど……」
すると俺の座っていた座椅子の半分を占領し始めた。
木陰の急接近に思わず心臓が高鳴る。
まさかの事態だったが、許可してしまったので断ることはできなかった。
「……それじゃあ、始めましょう!」
木陰の肩が俺と密着するぐらいに近く、隣り合った状態で二人で仲良くゲームを始めた。
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