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対戦と約束

 

 木陰がゲームを立ち上げて二人で対戦の準備をする。


「……日向くんは普段こういうゲームとかするんですか?」


「うーん、あんまり。秋とゲームセンターで何回か対戦したぐらいかな」


 そんな俺の受け答えに木陰が驚いている。理由は俺には分からなかった。


「……え、家でしないんですか?」


「しないけど……」


 俺が返すと木陰が落ち込んでいた。


「……なんだか住む世界が違う気がしてきました」


 反応に困る俺は何をして良いのか分からずあたふたしてい。

 そんな木陰を励ますべく考えを巡らせる。


「とりあえず対戦するか」


「……そうですね」


 ひとまず一緒にゲームをすることで落ち着こうとした。


「……手加減しませんよ?」


「勝負になるように頑張るよ」


 そして運命の一戦目が終わった。


「……一位です」


「最下位なんだけど?」


 勝負の最中に結果が見えたと言ってもいいぐらい、圧倒的な差があった。


「木陰上手いね。今まで見てきた人の中で一番上手かもしれない」


「……ありがとうございます」


 木陰は褒められ嬉しかったのか、かなり上機嫌に見えた。

 しかしゲームは悲惨と言える。


「どうしよう?」


「……どうしますか?」


 お互いに疑問系だ。

 こんなひどい対戦内容でも木陰は喜んでいる。


 それは、彼女が今までにとなり同士で対戦をしたことが無いからだろう。

 ただ俺としてもゲームの対戦内容でも楽しんでほしいという気持ちがある。


「……ハンデ付けましょうか?」


「良いのかな」


 木陰がそれでゲームを楽しんでくれるのか分からなかった。

 しかし現状その提案が一番とも言える。


「……私は構いませんよ」


 木陰は快く了承してくれている。


「じゃあお願いしようかな」


「……分かりました」


「それともう一つ付け足して良い?」


 そんな俺の提案に木陰は聞き入っている。


「次負けた方が罰ゲームっていうのはどう?」


「……罰ゲームですか?」


 驚いた顔で木陰が言う。


「うん、よく秋と対戦ゲームしてるときにやってたんだよね。片方が命令して言うこと聞くやつ」


「……なるほど」


 真剣な顔で考え込む木陰。

 俺はこの微妙な時間を気まずく待っていた。

 そこでふと嫌な予感がよぎった。


(あれ、女の子に罰ゲームってまずくないか……)


「……罰ゲームってどんなことをさせられるんですか?」


 ドンピシャで考えていた質問をされて戸惑う。


「え、あ、いや、俺と秋のときはご飯奢ったり、学校でジュースとかパン買ったりするだけだから」


 誤解が無いように必死に弁明する。


「……でも私、日向くんに奢ってもらうのはご飯のお礼だからだと……?」


「確かに」


 木陰の鋭い指摘に、さらに焦り始める。身体も汗が滲んできた。


「……もしかして私にやらしいことを……胸を揉んだりとか……?」


「違う、違うから! 俺も罰ゲームって言った後にまずいと思ってたから!」


 木陰は顔を赤らめ怪しんだ目で俺を見つめてくる。


「……本当ですか?」


「本当に本当! 嘘はつかないし、隠し事もしない! たしかそういう約束あったよね!?」


「……確かに隠し事はしないでほしいと言いましたけど、嘘を付かないでまでは言った覚えが……うーん、でもまあ日向くんを信じますか」


「本当!?」


「……じゃあ信じてあげるために、新しい約束をしましょう」


 そう言って木陰が俺の前に手を差し出す。


「……隠し事をしない、嘘を付かない、お互いの話は信用する、この3つをお互いに守りましょう」


 そして木陰が三本指を立てた。


「……良いですか?」


「もちろん!」


 二つ返事で返す。

 すると木陰が小指を俺の元へ立てた。


「……指切りです」


 俺も木陰に続いて指を絡める。


(前は俺からだったよな……)


 木陰が指切りを歌っている間にそんなことを考えていた。


「……指切った! ……破れば針千本飲ませます。……無理なら他に何か命令します」


 楽しそうに木陰が歌い終わる。しかしその言葉の後に恐ろしいものがついていた。


「なら木陰も守ってよ」


「……はい、ちなみに約束をしてくれなければ、私は青木先生の元へ行って今のこと言いつけてましたよ」


「それは勘弁かな」


 苦笑いを浮かべてなんとか木陰の言葉を避ける。実際は避けきれていないだろう。


「……それじゃあ、日向くんを信じて罰ゲームありの対戦始めますか」


「手加減は強めでお願いします」


 フフッと上機嫌な木陰。


「……えー、負けたくないですね? ……罰ゲーム嫌だなあ、日向くんに罰ゲームさせられるの嫌だなあ?」


 口角を上げて楽しげに煽るように言う木陰。

 少し前の彼女からは想像できないほど、明るく今を楽しんでいるように思えた。


「勘弁してください」


「……仕方ないので、五分五分ぐらいになるようにしますね」


 楽しそうな木陰と罰ゲームをかけた負けられない戦いが幕を開けた。



 ◇◆◇◆◇◆




自宅、ゲーム、日向の前なので水を得た魚のようにはしゃぐ木陰。



ちなみに木陰は日向からの罰ゲームを受けるのは嫌だけど嫌じゃないらしい。



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(っ'ヮ'c)ウォッヒョョョオアアァァァ!←こんな感じに



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― 新着の感想 ―
[一言] 既に信頼し合う関係になっていると言うことは恋人の関係、その内周りにバレてしまうのは時間の問題でしょう。周りの驚く姿が目に浮かびます。
[良い点] あつ、これの流れはニヤニヤ
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