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朝のウォーキング

挿絵(By みてみん)



なんと❗❗❗

ゲーム根クラの体験談が公開中なのでぜひ‼️‼️



 

「……ふぅー」


 顔を洗い終えて大きく息を吐く。

 これから日向くんに会うという事が、普段感じない緊張を感じさせていた。


 昨日の間に準備していた動きやすい服に着替える。中学のときのジャージだ。サイズが少し小さめで身体のラインが強調されているし、チャックも胸のあたりで詰ったがなんとか上げきった。


 これで準備完了。時間を確認してみると、家を出るにはまだ少し早いぐらいの時間だ。

 少しの時間が待ちきれず、そわそわして時間を潰そうにも無理だったので少し早いが家を出よう。


「行ってきます」


 誰もいないが挨拶と戸締まりをして家を出る。

 待ち合わせの公園に向かった。早朝なのに軽やかな足取りだ。


 周りを見ても早い時間帯で人はほとんど居ない。ある程度歩いたところで、自分が早歩きになっていた事に気づく。


「……って、浮かれ過ぎ」


 待ち合わせ場所に向かって行くにつれて速度が上がっていた事に恥ずかしくなる。時間にはまだまだ余裕がある。

 なので心を落ち着けるのも兼ねて普段よりもゆっくり目で歩く。


 でも、もしかしたら日向くんがもう待ち合わせ場所に居て待っているかもしれない。そう思うとまた足取りが早くなる。


「……私が先かな、それとも日向くんが先に居たりして」


 そんな期待に胸を惹かれて、結局早歩きのまま待ち合わせ場所にたどり着く。

 一番乗りは私だ。やっぱりと言うべきか、早く来すぎてしまった。


 ならば、とスマホを使って髪やら身だしなみを整えて日向くんを待つ。

 少し遠に見えたシルエットが近づくにつれて心臓の音も早くなっていた。


「……おはようございます、日向くん」


「おはよう、木陰」


「……日向くんはランニングウェアなんですね」


 服に目を向けるとランニングに適したような服を着ていた。私のジャージとは大違いだ。


「そうだよ。木陰のは?」


「……これは中学のときのジャージです、どうでしょうか?」


「似合ってると思うよ」


「……そうですか、安心しました」


 ひとまず服装で外さなくてよかったとホッと一息つく。


「……ただ、少しサイズ的にキツいんですよね」


 その流れで服装について感想を言うと、日向くんは私から視線を外して気まずそうにしていた。

 遅れて私も意味に気づく。


「……太った訳じゃないですからね! ……確かに運転してませんでしたが、これは成長ですから!」


「そこまで強調しなくても……」


「……本当に太った訳じゃ無いですよ、本当にサイズが小さいだけです」


 膨らんだ顔をのまま言い捨てておく。これはそう成長なのだ。


「それなら他の服を用意した方が良さそうだね」


「……そうですね、私も運動する用の服を買っておきます」


「……日向くんはどんな服を着てほしいとかありますか?」


 どうせ運動服なんてこんなときしか着ないのだ。ならば日向くんの好みに合わせたら一石三鳥ぐらいあるはず。


「木陰が着やすいのが良いけど……ランニングウェアとかは?」


「……日向くん、そんな服を私が着られる訳ないでしょ」


 そんな私の言葉に首をかしげる。


「……スポーツウェアとかは運動が好きな人が着る服ですよ。……運動の苦手な私が着るようなものではないです」


「……案を出して貰ったのに悪いですが、却下です」


「なら服はジャージとか?」


「……そうですね、その辺りの服を用意しておきます」


「……日向くんのご期待に添えなくて申し訳ないです。……い、いつか着られるようにします」



 そんな辺りで挨拶代わりの会話が終わる。


「じゃ歩こうか?」


「……そうですね」


 会話ばかりに浮かれいてたが目的は運転だ。


「普通に歩くのと、二人の速度で歩くのどっちが良い?」


 そうですね、と一呼吸考えて


「……美冬ちゃんたちの歩く速度でお願いします。……一度二人の歩く速度を知っておきたいので。」


「分かった。その速度にする」


 返事のあと日向くんが速度を上げる。


「……え、日向くん、本当に言ってますか?」


 早すぎる、という感想しか出てこなかった。体感、私の速度の倍だ。


「うん、これぐらいの速度だよ」


「……こんなに速いんですか」


「これ意地悪とかじゃなく、普段の二人は本当にこれぐらいだよ」


「……そんな、歩きですか、これ」


 さっき公園に来るまでにしていた私の早歩きなんて可愛いものだったと、思い知らされるほどの速度だ。


「ペース落とそうか?」


「……いえ、最初ぐらいはこの速度で慣らします」


 私の方がこの辺りの地理に詳しいので道の指示をしつつ歩くも、日向くんに置いてかれないよう精一杯だった。



「少し休もうか」


 時間にして20分ないぐらい歩いた。

 いつの間にか「……まだ行けます」しか言わなくなった私に見かねて休憩を取ることになった。


「……は、はい」


 プラッチック製のベンチに腰掛けて息を整える。


「……二人とも歩くの速すぎます」


「そうだね。二人って本当に速いんだよ」


「……でも分かりましたよ日向くん」


「何が?」


「……ギャルは歩くのが速いんです!」


「なるほど……?」


 私の渾身の理屈だったが日向くんには刺さらなかったようだ。

 でも、ギャルは足が速いはずだ、多分。


「……まだ5月なのに暑いですね、汗止まらないですよ」


 休憩を取った瞬間、身体から汗が滝のように流れ始めた。


「確かに夏に近づいて来てるって感じだな」


 日向くんの方は汗はあまりかいておらず、そこまで疲れた様子はなかった。


「……そうですね」


「飲み物買ってくるよ」


「……私も」と言ったが休んでてと言われ座ったまま日向くんを待つ。

 ここから見える自販機なので様子がまる分かりだ。


「はい、木陰」


 少しして戻って来た日向くんからスポーツドリンクを渡される。非常に汗を流した私には大助かりだ。


「……ありがとうございます。お金はご飯のときに返します」


「良いよ、いつも世話になってるお礼だから」


 このまま譲り合いになってもお互いが困る。


「……そうですか。……ではお言葉に甘えて」


 運動後の身体に冷たい飲み物が染み渡る。味わうよりも身体に入れようとする、飲み方を人前でしてしまって恥ずかしくなる。


「……日向くん、残り飲んでくださいよ」


 照れ隠ししながら日向くんに飲み物を渡す。


「木陰のだし」


「……全部飲み切ったらタプタプで動けなくなりますよ。持って歩くのも、なので飲んで貰えると助かります」


 手渡した飲み物を日向くんが見つめる。


「……まあまあ、意識しなくても既に間接キスしてるんですから一緒ですよ」


 一度したなら二度目も同じだ、とそそのかしておく。これで口をつけやすくなっただろう。と言うより拒否されると深い傷を負うのでぜひとも飲んでいただきたい。


「じゃ遠慮なく」


 ためらいを捨てたようで私がさっきまで触れていた飲み口に触れる。

 そんな姿に安心と気恥ずかしさがあったのは隠しておこう。


「ごちそうさま」


「……はい、ありがとうございます」


「じゃあ木陰、あと少し今度はペースを落として歩いたら解散にしようか」


「……そんな時間ですか、分かりました」


 二人でいる時間は進むのは早いようですぐに終わりが来てしまう。

 でも大丈夫だ。これからも朝の運動に付き合ってもらえるから、そう思いながら今度は二人並んで歩き始めた。



エンターグラムさんのYouTubeチャンネルにて

根クラの挿入歌、EDも公開中‼️


木陰の声優の立花日菜さんが歌う挿入歌や、歌手のnayutaさんの曲をぜひ聞いてみてね❗


あと根クラの発売日まで一ヶ月切ってるよ‼️

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