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序章

シャーン。

シャラーン。


鈴の音が聴こえる。


シャラーン。

シャンシャーン。


辺り一面に響きわたる。

最早どこから聴こえてくるのか判らない。

遠いのか、近いのか。

美しいのか、怖いのか。

自分の感情すら判らない。


おいで。

こっちにおいで。


手招きされているかのようだ。

ゆっくりそちらに近づいて行く。

白い花が咲き誇るその中心には一人の人がいた。

銀色の長い髪をたなびかせ、花と同じ白い着物を着たそれは、目だけが異様に鮮やかだった。

花の精と呼んだ方が良いのだろうか。否、そもそもそれは何なのだろう。

ふと、それと目があった。

この空間の中で異常なまでに鮮やかなその瞳に魅入ってしまう。

気づけば目と鼻の先にそれはいた。

驚きで身動きひとつ取れない己にそれは言う。


お前、あの人の匂いがする。


あの人は誰か分からない。だが、それにとっては記憶に残る程大切な人なのだろう。

己にとってはどうでもいい存在であるはずだ。

しかし尋ねる。


あの人とは?


それはほんの少し目を見開き、暫し黙る。


お前、暇か?暇なら少し聞いていけ。

なに、そんなに難しい話じゃない。

時間?ここにそんな概念が存在すると本気で思っているのか?

ここは狭間。お前が帰る手がかりになるかもしれないな。


はたと気付く。己は何故ここにいる。

どのくらい時間が経った?

何一つ思い出せない。

それは動揺する己を無表情のまま見つめ、また口を開く。


お前が帰るまでの時間でいい。

少し話を聞いていけ。

これはお伽話。

数奇な運命の記録を受け継ぐ者とその運命に終わりを与えた者の物語。

いつか忘れられ、何も無かったことになる、失われるべき物語だ。



初投稿です!誤字脱字は遠慮なくお知らせください。

あらすじにも記載しましたが、かなり更新が遅いです。

気長にお待ちください。

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