元魔王軍四天王カラミちゃん ~前日譚~
勇者は中ボスを倒した
中ボス「くっくっく、我は四天王の中でも最弱。これで勝ったと思うなよ、勇者」
勇者様「いや、貴方で四天王最後ですよ?」
中ボス「えっ?」
勇者様「他の四天王が倒されたことを知らないって、連絡体制どうなってるんですか?」
中ボス「えええっ?!」
勇者様「4人倒して、全員が四天王最弱を名乗るとか何基準の最弱なんですかね。」
中ボス「えっ、だって魔王様が【お前は使えないヤツで四天王最弱】だって!」
勇者様「魔王が?貴方に?そう言った?」
中ボス「別々の場所を任されてるし、他の四天王のこと良く知らないし……」
勇者様「それって、魔王にいいように使われてたってことですよね」
中ボス「え?」
勇者様「うちのPTとの相性の問題もありますが、上から2番目の強さでしたよ」
中ボス「私、弱く……ない?」
勇者様「えぇ、全然弱くはないです」
勇者様「ちなみに魔王軍の給与ってどのくらいなんですか?」
中ボス「そ、そんなこと言えないですよ!」
勇者様「貴方の能力でしたら、うちだと……このくらいお支払いしてます」
中ボス「こ、こんなに?!」
勇者様「これは試用期間の給与なんで、本採用は更にあがりますよ」
そして、魔王軍四天王のカラミティは、株式会社勇者一行に転職することを決意した。
名前の通りに大きな不幸を身にまといながらも、健気に頑張るカラミちゃん。
転職先でメキメキと頭角をあらわし、元上司の魔王を脅かすことになるのは、まだ先のお話……。