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異世界ガリバー①
この異世界に召喚されてから、10年が過ぎた。
それでも、まだ待ち続ける。
僕は、彼らが僕を殺せるようになることを待っている。
そこは住人の身長が2cmの世界だった。
見知らぬ世界で目覚め、パニックを起こした僕は、
群がっていたこの世界の住人たちを払いのけ、踏みつぶし、投げ捨てた。
そう……僕は、決定的な間違いを初手で犯してしまったのだ。
僕の言い分など、同族を殺されたという彼らのリアルに勝てるわけがない。
以来、彼らと僕は相容れない存在となった。
-つづく-