私、魔族になりました②
王子「人類は口元がむにっとした娘が、もてはやされたりするだろう?」
孫娘「あー、アヒル口の子ね。」
王子「そう、それが実際にアヒルの嘴なのが我々だ。」
孫娘「ん???」
王子「我々は、お前たちに比べてそれくらい多様だという話だ。」
王子「多様であるが故、区別はあっても差別はない。」
孫娘「区別?」
王子「椅子1つをとっても、座りやすい形状が違うからな。」
孫娘「尻尾があると座りにくいとかありそうだもんね。」
王子「だから、座ろうとする者に合わせて形状が変化する。」
王子「本人の利便性のために違いを付けるのが区別。」
孫娘「じゃあ、差別は?」
王子「我々の場合、相手を尊重せずに貶めるような行為全般だな。」
孫娘「……。」
王子「文化や考え方の違いもある。別に理解は求めていない。」
王子「話を戻そう。我々にとって同種の基準は、子を成せるかだ。」
孫娘「ふぇっ!」
王子「驚くようなことでもあるまい?人間だって、そうだろう。」
孫娘「それは、そうかもだけど。」
王子「そして、泉に落ちた君のカラダは我々と子を成せる。」
あれだけ真面目そうな顔をしていた王子が、
じわじわと私に迫ってくる……どうしよう、これはピンチかも?
別にイヤとかじゃないんだよ?でもほら、あるじゃない!ムードとか色々!