第9話 決意
フェルと遊んで家に帰ると、父さんがなんか暖かい目で見てきた。なんだろう。
「父さん、何ですか?」
「いや、何でもない、友達100人できたか?」
「出来ませんでした、っていうか僕と近い年の人そんなにいないでしょう」
「ああ、そうだなお前と近い年はお前を入れて5人だ」
「やっぱり」
「まあ良いじゃないか、可愛い子と友達になれたんだから」
「なぜ!それをッ!」
「秘密だ」
父さんはもっと寡黙でクールだったはずだ。
最近の父さん(いやもう心の中では親父と呼ぼう)はおかしい。
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次の日、剣術を終え、また外に出た。今日はある用事がある。なぜフェルを仲間外れにするのか聞きにいくのだ。
場所が分からない。
そこにいる八百屋のおばちゃんに聞こう。
「おばさん、子供たちってどこにいるかわかります?」
「知ってるよ。いつも空き地で遊んでるよ」
「それってどこですか?」
「ここをまっすぐ行けばつくよ」
と右の道を指して教えてくれた。
「ありがとう、おばさま」
俺はそう言って走って行った。
「お姉さんくらい言えないのかい」
空き地に着いたらすぐ3人組が見えた。
「よっ!俺はリュートだ、聞きたいことがあるんだけど?」
「な、なんだい?」
3人組で1番細いやつが返事をした。
「なぜ、フェルと遊ばないんだ」
単刀直入に俺は聞いた。
「そ、それは...」
3人組で1番太っているやつが言い淀んだ。
「僕たちフェルちゃんと話せないんだ!!!」
ニコニコしてるやつがハッキリと答えた
「ん?」
俺はちょっと理解出来なかった。
「だから!すごい可愛いから緊張しちゃうの!!!」
「なんだ、そうだったのか?
なら簡単だ、顔を見るな!そして慣れてけ」
これは、俺が女神母さんにやったことだ。そしていつも母さんを見ている俺は美少女耐性がついたってことか?
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「よっ、フェル、魔法進んでっか?」
「リュートくん、うん順調だよ。
それで、皆はどうだった?」
不安そうな目でフェルは見てくる
「あーうん、明日からここで遊ぼうってさ」
「ホントに!!ありがとうリュートくん!」
「いや、俺は別に何も」
「ううん、本当にありがとう」
「ああ、そんなことよりよ」
俺は照れ隠しで話題を変えた。
「この大陸って1番狭いじゃん?それに数も少ないし攻められたりしねーの?」
「えっと、確か攻められない2つあって一つは地の利だね。空にあるだけで圧倒的有利だからね。
2つめは単純に竜人族が強いからだよ。」
「なるほどね〜、あとここから出るにはどうすりゃいいの?」
「リュートくん、ここからいなくなっちゃうの?」
「まあいずれはな」
「ふーん、でもまず無理だよ。一つ目に外に出ても大丈夫なほど強くなること。これは自分の父親を倒さなきゃ行けない。二つ目に3人以上のどんな状況にも対応できる仲間を見つけること」
「父さんかーきついなー」
「仲間にはアテがあるの?やっぱり世の中に詳しい人じゃないとね〜」
「ちょっとな」
「あるの?!......どうしよう連れて行ってもらえないかも」
「ん、なんか言ったか?
ま、まずは父さんいや親父を倒さないとな」
俺は私は本気で強くなる決意をした。
ありがとうございました