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episode/1
白にも黒にも似た、あるいは赤、青にも見えることも無い、ただ、私はそれを色と形容はしなかった。耳で感じ、感触がある。そのような感覚が混ざり、ねじ曲がり、禍々しくも美しい。それを誰かが世界と呼んだ。誰もがそれを信じ、鵜呑みにし、何一つ疑わなかった。人には人それぞれの小さな世界があり、それらが干渉し合う事によって一つの世界が認知される。私の世界は───。
「違う」
違う。
「違う」
違った。
「違う!」
違わない。
「だってこんなの…!」
月が小さく空に浮かんでいた。月に照らされてうごめくそれは、私の世界の住人だ。
私が今まで観ていた。誰の影響も受けていない、素のままの私の世界。ならば……。
私はスクールバッグやポケットに手を突っ込んであるものを探した。そして、
「あった……」
それをスクールバッグから引き抜いた。
「っゔ!」
その腕を一体のゾンビが掴んだ。その反動で私は思いっきりトリガーを引いてしまった。
そして、脳天を撃ち抜かれたゾンビは、血を撒き散らしその場に倒れた。
そうやって、私はこの銃の使い方を知った。いや、思い出したんだ。