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72 さよなラビーナ。君の事は忘れない



ラヴィーナが何者かに刺され、重傷を負ったらしい。

オレは学園長、幸やドラ子と共に病院へ向かった。


「……二人とも」

ラヴィーナは呼吸器をつけて、ベッドの上に起きていた。


「よく死ななかったな……元気そうでよかったぜ」

「まあね……」


「……ラヴィーナさん!起きてて大丈夫なの!?」

幸が驚いている。重傷と聞けば普通は意識不明になっている姿を想像するからだろう。


「左胸をやられたって聞いたぞ」

「……後ろからナイフが飛んできて、肺をざっくりだったわ……」


ラヴィーナが咳き込む。


「そういえば、マージルクスの人は心臓が右側にあるんだったよね」

「そうなのよねー今日刺されて初めて知った」


幸は当のラヴィーナが知らないことをなぜ知っているんだ。


「そうなのか学園長?」

亀のこうより年のこうというし、何年も生きているであろう人に聞いた。


「ああ、今年から道徳の教科書に載ってるよ。深い意味はないけど」

「そうなんだ……」

「……教科書はめくりすらしてなかったぜ」


手を翳せば教科書の中身を頭にインプットできるが、たぶん道徳の教科書には触れてすらいない。


「……お前を狙った奴の特徴は?」

「黒皮のトップにホットパンツ、ヘソ出し女よ」

「なるほどわからん」


「というか学園長もドラ子も似たような服だしな」


「なんか誰かに依頼されてきた暗殺者らしいわ」

「暗殺者なら依頼で動いただけか……お前を殺したいほど憎んでいるやつなんているのか?」


「なにその目……私まだコロシはしてないんだからね……!」

「やっぱ実家絡みか?」


と考えたが、なにかひっかかる。



「ラヴィーナ、他になにかないの?」

「特には」


「……これはオレの感だが、暗殺を依頼したやつと、暗殺者はマージルクスのやつじゃないのは断言できる」

「どうして?」


「同じマージルクスの貴族なら心臓が右にあることは暗黙の了解も同然だろ?

他の星の暗殺者相手なら、余程の馬鹿でない限り言及もする筈だ」


「たしかに……でもラヴィーナさんの礼もあるし……」

「そうだな。ラヴィーナが知らないってことは親も知らないパターンだな」


「幸ちゃんまでサラッと悪気なく私を馬鹿って……」

「馬鹿な子ほど可愛いっていうからね~ラウルも昔は可愛いかった」


学園長がオレの頬をひっぱる。


「……可愛いくない。つまり、カッコいいってことだな」

「ラウル……ポジティブね」


「とにかく、お前を狙うやつがまた現れるのは間違いない。一度宇宙船テイタニィック号でマージルクスに行ってボディーガードをチイユ星に呼び寄せデェンダアアアアするんだ」


「そういえばデェンダアアアアってテエタニックのBGMじゃないんだよね」

「マジで!?」

「バディーガァドのやつなんだって」


「そんな話信じたくねえ!」

「あ、ラウルくん!?」

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