62 背後に来る
「フロライナ〔風呂入らないとな〕」
「そうだラウルくん。これ家の手作り石鹸なんだけどいる？」
「クレジア〔くれ〕」
風呂を上がった。
「なんとか女神を倒し、ゲッツした!」
期限ギリギリだったのでひさびさにいつものあれをプレイしたらアイテムを入手。
マンネリ気味だ。またしばらく放置することにしよう。
「幸、次の配信イベントはあるか？」
「アルメリダン〔あるよかん〕」
「お前のパーティーをサラスバーディー〔さらせ〕」
「イヤイヤコマルヨッテ〔いやだ〕」
「見せてクレイシニー〔みせろ〕」
「マスヴェイユ〔まってよ〕」
「ブロッサリー食べる？」
「いらね」
「ガム噛む？」
「カミュレット〔噛む〕」
「この荷物どう？」
「カルロイカ〔軽い〕」
「アレブレクサス〔あれ？なんか焦げくさくね〕」
「なんか触手焼いてるらしいよ～」
「フェナタ〔あなた〕。なんちゃって……」
「アポルン〔アホだな〕」
「ドラ子ちゃんは？」
「むこうにイルナイル〔いるな〕」
「アンラーママン〔あらあらまあまあ〕。寝てるみたい」
「……いつまでやるんだ？」
「さあ？
というか何その美形半竜モンスター。私のところにないんだけど!よかったら交換してクレーメルグ〔くれ〕」
「いいなー私もほしいな……」
「ミルカエス〔みるか？〕」
「ねー今日はキモッダメェ……しがてら洞窟の探検にでもいかない？」
暇だったのでラヴィーナの意見にまあ賛同。
「ドラ子が起きていればチームを分けられたが、しかたないな」
数的に一人足らないので三人でまとまって洞窟に入ることにした。
「なんかキョルシイ〔きてる？〕」
「バルゴーン〔ばかな〕」
「こんなに暗いんじゃ怖くなってもシェゴルダン〔しかたないよ〕」
「頑張ればイケメンモンスターをくれてやろう」
「ナラタエル〔耐える〕」
「じゃあなにと交換しようかなこのバッタァみたいなのは？」
「テラネー〔いらねー〕」
「ラウルくんには恐怖心がナイノアル〔ないのあるの？〕」
「アルディラ〔あるだろ〕」
「オクタビヌアス〔くたびれた〕」
「まだイップーンも歩いてないわよ？」
「アマイマ〔甘いな〕、オレの体力値のなさをケスティク〔けっして〕舐めるな」
「ああ、魔力全フリだったわね……」
「アルベルド〔あれなんだ？〕」
なにやら白光した御題イソギンチャァクばりに変なものがいる。
「触手じゃない？」
「なにバカなこといってルドラ〔るんだ〕」
「ゴルマヌス〔ごめん〕」
「キャアアアアアア後ろおお!!」
「なんだうるセーナ=ドラジェディー」
なんだ？何かが足に巻き付いている？
体が浮いた。
触手がオレを拘束しやがった。
「オレは一人で主人公もヒロインもって……違うだろが触手!!」
「なんで私たちじゃないのよ触手!!」
「そうだよ！？」
〔わたし触子、いまあなたの後ろにいるの〕
「メスかよ!!」
