Ⅵ 何故参加出来ない
「あ、ヨウヅキ、どこ行ってたの?」
「惑星サニュを視察していました」
「こっちは大変だったよ、セイがヘマやってドルゼイには逃げられたしね!」
「それより面白い人がいたんだよ」
「面白い人?」
「はい写真」
「―――――!」
――――
「は…ハッ…ハルマゲドン!!」
「ぐあああああああ」
あ、やべ…サニュを見ていたらついくしゃみがでた。
ついでに手がすべって微弱な爆破魔法が飛び出してしまったぜ。
「ユキちゃーん」
「どうしたのラヴィーナさん」
「今日はね、学校で美少女コンテストがあるんだよ~」
美少女コンテスト…オレには関係のないことか。
魔術コンテストなら、神秘たるオレの美魔術が目立つのにな。
「さあ始まりました第200回美少女コンテスト!」
「はいこれ」
ラヴィーナに渡されたパンフレットを見る。
【かつてはテラネスの留学者は女性一人の代表者のみ。彼女たちはいずれも美人だった―――】
つまりテラネス留学者のために作られたコンテストってことか。
「くそっ…なぜオレはコンテストに出られないんだ!」
「えっ!?ラウルそんなシュミがあったの!?」
「違う!何事も一番でないと気がすまないだけだ」
「ラウルくんはとってもカッコいいよ…自信をもって!」
「いやいや…自信ならありあまってるでしょ」
「そうだな論外、ってことで許してやるよ」
「何様…」
「ラウル様だ」
くだらない雑談はさておき、コンテストを見物する。
「優勝は“ナキヒ・メイセイ”だあああああ!」
優勝した女、何処かで見覚えがある。
「あれ?アディーラ王女じゃない?」
「言われてみれば…」
あの女、プルテノの第二王女アディーラに、第一王子アディールにも似ている――――。
「帰ろうか」
「ユキ、お前が出れば一番はお前だったかもな」
「えっ!?」
コンテストの優勝者は代々テラネス生まれらしいからな。
「私は?」
「…論外だろ」
あれはテラネスの出来レース、とも言えるのだ。
ラヴィーナは惑星マールジクスの生まれ、なら優勝の確率は0だ。