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52 はいシャケ偽探偵

「お呼びでしょうか?」


どこからともなく声がした。


「はっ……」


「たったすかった……」


女が剣をひとふりすると、地球外生命体は一瞬でズタズタの細切れの木っ端微塵斬りになった。



「何者だこいつ……」


「ごきげんよう。私は雷鳴我門月歌です」


長い黒髪の華奢な女は、左手に身の丈と同じ大剣

バル●ンクといった感じのを持っている。

というかあれは両手剣だろうに、片手で振っていた。


ズタズタになった生命体は再生した。


「まだ息があるようですね」


月歌は剣を構えた。


迫る触手を足で踏みつけ、すり、千切り、生命体の中心部に剣を突き刺した。


そして月歌は宙を回転し、剣を回転させ、ドリルのように生命体の体をぐちゃぐちゃにした。



「まだ動けるようですね……」

「おいやめろ」


「なぜ、貴方は私を止めるのでしょうか?

この生物は彼女を襲いました。

その事実を踏まえて助ける価値のあるものですか?」


「……ないが」

「一時の慈悲によって放置し、またこのような被害が出たとき、貴方に責任はとれますか?」


「ちょっと貴女、流石に言い過ぎよ」

「そうですね、責任を取るのは貴方ではありません

気まぐれによりて造られしものは神の創りしものが始末をつけるものでしょう」


「お前は何を言って……」


「三冠の主、月下の名において命ずる。彼の物を天へと還せ」


生命体は消えた。


「さようなら、できれば再会をいたしませんように」


「……いまの誰だったのかしら?」

「雷鳴我門……」

「幸、知ってるのか?」


「昔記事を見たんだ。西暦20××年にとある屋敷で当主が殺害される事件が起きたんだけど、それが名門雷鳴我門家なんだって」


「ならあいつはその子孫か?」

「たぶん?」

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