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幕間 神の退屈
「―――暇だな」
久々に箱庭で遊ぶか。
数多<いくた>に創った球体世界の中から、不要になった世界の分身を取り出す。
その世界へ送り込むのは、やはりこの星の人間。
ガイウス神の創りし虚地球<ガイ=ステラ>を模して、私が創った“テラネス”
その中でも選りすぐりの者。
「―――楽しませてもらおうか」
つまらない人間の紡ぎゆく、刹那の一瞬たる煌めき、退屈な物語を彩る。
人を一人、それでは足らぬ。二人を作り、争いをおこす。
そしてまた一人となれば、新たな人をすげてゆく。
そうして世界は回りゆくお前の代わりなどいくらでもいるのだ。
人形よ、消されたくないか?
ならば、足掻いてみるがいい。
永遠に―――――――――