91 ばあば、死神の王
――――【ジュプス宇宙軍本拠地】―――――
そこでは日夜問わず機密会議が開かれている。
「最近は惑星ラットオの様子がおかしい……」
「まさか、監視に勘づいたマウス共が反乱を企てているのだうか?」
「あの星の管理者は有能なミシルク博士だ。それはないだろう」
「きっと今ごろ地球では新種ウィルスをたっぷり積んだ宇宙船を母体に種ばら蒔いてくれてるはずさ」
「そしてそれに対抗するにはウィルスに抵抗のある彼女の血を使うしかない。
であれば地球人に疑われることなく投与できる。彼等のミライ、それは我々のミライだ……」
「この世界が人類を凌駕する―――楽しみでしかたがない!」
「大変だ!!前日捕獲したエウキ=コウカ・スライが逃げ出した!!」
「なんだと……すぐに捕獲しろ!プラネターには遅れを取るな!!」
現場には衝撃が走った。
――――シュン”ドアが開く。
「私の待つ星大戦は……いつ起こるのかしら?」
ピリピリしたその場で、流れを無視し、老婆は男に問う。
「なんだババア、ここはパンピー立ち入り禁止……」
後ろからぞろぞろと幹部が揃った。
「図が高い!口を慎め!!この方をどなたと心得る!!」
「我らが宇宙軍初代総帥にして、死神界<ニヴァエル>が長であるぞ!!」
「もうしわけありません!!」
「―――今日より我々【ニヴァエル】が指揮をとることになりました」
――――――――――
「……ヤバイこときいちゃったね」
「ああ、聞いちまったな」
「なんか三個くらいヤバイことあったよね」
「ああ、モルモットォにバイオハザァドに逃げ出した何か」
「エウキ=コウカ・スライって、たしかマニュ星の宇宙プロデュースチームで、ロボット操縦していた子に名前似てるなあ」
「なんでそれがとらえるだの物騒な……」
「そういえば前に学園で暴れたの、エウキっていう生命体なんだって」
「……そんなこともあったような。プロデュースチームってなんだ?」
「チームはお金持ちの遊びで軽いキャンペーンらしいよ。メンバーの名前。エウキ=コペイカ=コウカスライ、ドルジ=ペッソ=ユゥロ、ゲンゼン=シヘイ、ルピィ=ドラグロマン=ウェレンス、ポンドガブ=ジェンビブエ、エンジ=ユィンセ=ナナムラァペニ
の頭文字が全世界共通の通過、コエマドゲルポの由来なんだって、ちなみに悪役はゼニクラーウさん
」
「いかにもそのために選ばれたチームだな」
さて、オレ達は宇宙軍の本部に乗り込んでいるわけだが―――――
いざ来てみると、あまり人がいないし、なんかつまらん。
会議室でガヤガヤしてる奴等しかいねーし。
今ごろ大体の宇宙軍は現場出撃中だろう。
サイバー感に期待したが、プリンズ星と大して変わらん。
―――どうでもいいことだが、設計者同じなんじゃないか?