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XII 空中飛行
「ラウルくん」
女教師パルワーか。
「あなたまた女の子をはべらせて…!不純異性交遊は禁止です!!」
なんだ焼きもちか。
「先生も仲間に入りたいか」
「ラウル~余計に怒らせてるわよ」
「廊下に立つだけじゃあ足りないようですから、私にも考えはあります」
パルワーは指をパチリ、すると背後からぞろぞろデカいやつらが現れた。
屈強なムサイ男どもが、指をコキコキ鳴らしている。
「やっておしまいなさい!」
「はっ!」
なんだこいつらパルワー教師の犬か。
「すべては単位のため!!」
違った。
学園内で本気を出すわけにはいかない。
オレはどうにか建物の外へ、出ようと考えた。
大窓がちょうど開いている。
「らうらう!」
ドラ娘がオレの手をとり、羽を大きくひろげて飛んだ。
ドラゴンの翼が羽ばたき、風を切る。
だんだんスピードが落ち、ゆったりと安寧の空気を感じながら。
自力で飛べるが、こういうのもたまには悪くないな。
見下ろす下が良い景色だと、自分で飛んでいるときには気がつかなかった
。