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XI おらペット
「で?」
「さっきも言ったように、こいつが勝手に部屋にいただけだ」
『なぜオレの部屋にドラゴンが!?』
『ドークツからついてきたのダ~』
もしや、顔面に張り付いたミニドラゴンがいつのまにか紛れていて、テイクアウトしてしまったのだろうか。
気色の悪い生物がオレに着いていて、気がつかないはずがなく。
――――ウスデにくっついていたに違いない。
『ラウルーいるんでしょ~』
『ラウルくーん』
タイミングの悪いときに、ラヴィーナとユキの二人がオレの部屋の扉をノックした。
技術が優れているせいか生徒は各実家に帰るのが楽だ。
という理由で、この寮に入るのは少人数。
そして男女共用。
「ミニドラゴンが人化して、こんなボンキュボーンになるかー!!」
ラヴィーナは窓に叫ぶ。
「んな細かいことはいいんだ」
「でもラウル…」
「それにお前も無駄なスタイルをしているんだ張り合うな」
「がーん」
褒めたのに落ち込むとは変なやつだ。




