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Ⅸ dragon
オレは学園長室で、優雅に茶をたしなんでいた。
「ぴー」
学園長のペットのドラゴン(両性類)が、オレをやたらと敵視する。
ここが学園長室でなければ硫酸をぶっかけてやったのに。
「へぇ、そんなことがあったんだねラウルおかわり」
「ああ、山に登って無駄な筋肉をつけてしまった」
筋肉ゴリラなんて、強いチビに殺られる雑魚キャラの象徴だからな。
「筋肉好きだけどなあ」
オレは学園長室を出て、セレブリティ御用達の家具で完璧に誂えた高貴なる自室へいく。
「…来たれ、ダン・ベル」
最強たるもの魔力のみならず
物理で相手取れるよう筋肉を持つのも必要だ。
「ピィ!!」
カン高い何かの鳴き声が、耳についた。
「なんだ害虫か!?」
ここが自室でなければ…。
「どーん」
ドラゴンがいきなり人化した。




